【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 16】  手島史詞/COMTA HJ文庫

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シャスティルの想いがついに爆発!?

迫るシャスティルの誕生日に、頭を悩ませ知人に相談することにしたバルバロス。そこへ妖艶な美女〈魔王〉エリゴルが彼を勧誘しに現れる。
一方、バルバロスが美女の勧誘を受けていることを知ったシャスティルは彼を密かに尾行することに。
そこで目にした光景に、盛大な勘違いをしたシャスティルはついに自らの感情を抑えきれなくなって――

「その男は私のだぞ!知らないやつらが勝手に取り合うな!」

大人気ファンタジーラブコメ、第16巻!

……え? 誰? え?

かなり真剣に誰だかわからなかったんですけれど、表紙絵のちと目つき悪いけれど清潔そうなイケメン男子。
状況的に、これがバルバトスであることは間違いないはずなのに、脳が理解しない。心が受け入れない。常識が頑として否定する。
いやだって、バルバトスですよ? 全然違うじゃん! こんなバルバトスが在り得るのか?
え? これがバルバトスじゃなかったら、つまり一緒に並んでいる聖剣持ったシャスティルもシャスティルじゃなくてシャスティルっぽい新キャラなんですね!?
普段と格好も違っていてオシャレしてますもんねえ。二人してこんなちゃんとした格好をしてデートなんですか? え? デートするの? この二人が?
……冷静に考えると今更デートとか言っている段階じゃないくらいイチャイチャしている二人なんですけれど、冷静にこの二人が街なかでちゃんとした格好でデートするよ? と言われると思考が固まってしまう!

というわけでカップルの数では他作品の追随を許さないくらい多種多様な男女のカップルが誕生している本作ですけれど、そんな中でもメインのザガンとネフィに並び立つ、本作最強のセカンドカップル。それがバルバトスとシャスティルの二人でした。
まだ全然付き合ってないんだけどな!!
なんでまだ付き合ってないんだよ!? 君ら、ついにはコミックスでスピンオフの主役になるほどイチャイチャしくさってたくせに。他に正式に付き合い出したカップルわんさと出てきてるんですよ?
というわけで(2回目)、ザガンたち以上にじれったい事になってしまっていたこの二人の仲を決定的に進展させてしまおうというバル×シャス回。
マルコシアス陣営の暗躍と、世界にはびこりだす魔族たちの浸透という中々に深刻な事態が進行する最中なんだけど、まあシリアスな事態が進行する一方でだがしかしカップルの事が最優先、というのはいつものことであります。
マルコシアス側も悪役という訳ではないみたいですし、厳密に言うと敵対すらもまだ判断し辛い微妙なラインではあるんですよね。魔族の浸透については、マルコシアスたちはむしろ防いで回っている側みたいですし。
そんなマルコシアス側から魔王の一人エリゴルから引き抜き勧誘を受けるバルバトス。その魅力的すぎる報酬に心揺れる、というかそもそもバルバトスはザガンファミリーの一員のつもりは毛頭ないんですからね。悪友というのはザガンとお互い共通認識になっているみたいですけれど、隙あらばその首を狙っているのも確か。
ただ、今はシャスティルの護衛が最優先なので、ぐだぐだと今の状況を続けているって感じか。
これだけ野心を滾らせ、魔術師としての欲深さも抑えず、品性に欠けて倫理を気にせず陰惨で暴虐の徒である、というのは一貫して最初から変わらないんですよね、バルバトス。ただ、シャスティルが嫌がるから、哀しむから、という要因一つで一切の残虐行為とか悪事を控えているし、それを辛いとも思っていない当たり前になっているあたり、ほんとこいつどれだけシャスティルの事好きなんだ、と。
ザガンも同じような傾向があって、ネフィの価値観に寄り添っているところがあるけれど、彼は王として配下や領地に住むものにも気を配っているし、教会との関係にも配慮しているんですよね。決して価値基準がネフィだけじゃない。いやまあ、突出してネフィが最優先ですが。でも次点で義娘のファルとか義妹のネフテロスとか家族関係も大事にしてますもんね。
でもバルバトスは本当にシャスティル一点集中なんだよなあ。脇芽もふらずシャスティル一人を基準に置いている。
いやいや、正直その最優先度合いがバルバトス自身に対してもわりと有象無象扱いなほどとは思わんかったけど。こいつ、シャスティル優先で自分の野心とか欲望とか毛ほどもこだわらなかったぞ。あれほどガツガツと欲していたにもかかわらず、天秤の片方にシャスティルが乗りそうになった途端に、あっそれなら無し、とあっさりとポイしたぞ!
もーーっ、ほんとにもーーーっ、どれだけ好きなんだよーーっ!!
そのくせシャスティルとの関係を突かれると、はーーっ!?好きなんかじゃねーし! とかかなり本気で叫んでるし。マジで言ってるんだぜ、こいつ。ガキかよ! 小学生のガキかよ!!
シャスティルの方はシャスティルの方でバルバトスの事意識してるとかそういう段階ではなく、バルバトスがやらかした際には代わりに謝ってまわったりするくらいもう自分のもの扱いしてるくせに、その関係を恋愛に紐づけて考えることをスポーンと抜かしてしまっているので、そりゃもう周りからするとじれったいし、ウォッチャーからすると見てるだけでご飯何杯でもイケてしまうアレなんでしょう。ザガンとネフィはお互い意識しまくってちゃんとラブラブだから、幾らじれったいとしても比べるべくもないよ。
そういう意味では、誤認とはいえバルバトスに女の影が、という外部刺激はシャスティルにとっては激震以外のものではなかったのでしょう。
あらすじにも描かれているシャスティルの叫びに間髪入れずに応えたバルバトスのセリフがまた最高なんですよね。いやもうオマエ、本当にシャスティルのこと好きすぎだろう!!
今回の一件は終わってみると、マジでゴメリおばあちゃんの手のひらの上だったんですよね。恐ろしい、おばあちゃんが干渉したのはほんの触りだけであとはずっと鑑賞していただけなのに、恐ろしいくらいゴメリおばあちゃんの思う通りに進展したんじゃないだろうか、これ。
ちゃんとザガンのオーダーである、魔術師と聖騎士の和解にも、これ見事に楔を打ち込んでこれまでの常識を根底から覆す、その贄……当て馬? 看板? にして応えてしまいましたし。
まさに愛で力のフィクサー。暗躍っぷりでは、マルコシアスとかうっちゃってゴメリおばあちゃん無双だったじゃないですかー、やだもー。
……いい加減、自分の恋愛についても逃げ回ってないで何とかしなさいよ、おばあちゃん。キメくん紳士の極みだから、おばあちゃんのヘタレに追い打ちかけないで待ちの姿勢崩さないんだからさあ。
同じ紳士でも、リチャードの方は紳士に攻めまくるイイ男力の塊だよなあ、これ。ザガンも一目置く、男っぷり。一目置くどころか、ネフィとの事を男の立場からどう振る舞えばいいかアドバイスを求めるほどだもんなあ。
ザガン一家の家族会議、最新だとネフテロスもお袋さんなアルシエラも恋人同伴だから、新婚さんばかりの親戚の集まりみたいになってて、なんかイチャイチャ度が密度的にも濃度的にもえらいことになってるんですけどw
ってか、これって単に身内に恋人というか新たに家族になる人を紹介する家族の集まりになってるんですがw

今回一番驚きだったのが、ウェパルそうだったのーー!!? 全然疑いもしていなかったんですがっ! ウェパルも先にスピンオフの漫画の方に登場していたバルバトスと親交のあった魔王候補だったので、ウェパルがバルバトスとの仲をシャスティルに疑われる展開は違和感なかったのですが……まじかー。
と、言うことは師弟で衝突しているウェパルの師匠となるアスモデウス。こっちの師弟関係も拗れてるというか縺れている感じだけど、そうなのかあ。
そして、ついに魔族側でも主だった意思疎通できる登場人物が。シャムハザって調べてみたらもろにアレじゃないですかー!?