【ミミクリー・ガールズ 2】  ひたき/あさなや 電撃文庫

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狙われた五輪を舞台に、少女姿の特殊部隊が大暴れ!

4体の少女型人工素体《ミミック》からなる少女姿の特殊部隊『ミミクリー・ガールズ』。大統領直轄の隠密として再始動した彼女たちに与えられた次なるミッション――。
「とにかく飛行機に乗って――次の舞台は日本よ」
それは札幌で謎の国際犯罪組織“バル・ベルデ”のテロ工作から五輪を守ることで!?
日本・極東連合との合同首脳会談に臨むクリスたち。そこへ現れたのは、カグヤと名乗る可憐な美少女。こいつが日本の代表……ってまた少女かよ!!
少女姿の特殊部隊4人組が贈る、痛快ガンアクションコメディ第2弾!


ロシアが三分割されておるw
いやそれどころじゃなく、この世界いったいどうなってるんだ!? もう、国家元首と限らずも国を運営している主体はみんなデザイナーズチルドレンなの!? 子供たちが国を背負って政治やってるの!?
あとがきでも触れていましたけれど、もしデザイナーズチルドレンという設定がなく、合衆国大統領のメアリーを含めて全員が幼女型義体だったという設定を選んでたら、今回のお話、首脳会談からその護衛までみんな幼女なのに、全員中身がおっさん、というどうしたらいいのかわからない絵面になっていた可能性があるのか。それはそれで面白すぎるのだけど。
だいたい、幼女型義体を着込んだクリスティたち四人の特殊部隊員たち、全員ガワに引っ張られて言動から何から女の子っぽくなってるじゃないか。アメリカズマッチョイズムはどこいったw
だが考えてみて欲しい。見た目が幼女なら、中身がなんであろうと現実として幼女なのだ。つまり彼らは幼女、そこにいるのはみんな幼女。それが真実。それが真理。すなわち可愛いは正義!
おっさんは死すべし慈悲はない。
幼女幼女と連呼してしまったが、正確には少女型らしいがもう幼女だろ、これ。
というわけで、きな臭い国際情勢の中でなんとか和解の合同五輪と共同事業を立ち上げようというシベリア共和国ならぬ極東連邦と日本の支援のため、テロ予告に備えて送り込まれたクリスティたち。
そう、舞台は日本。それも北海道。北海道が舞台って珍しいですよね。そして、北海道を舞台に戦車戦って、仮想戦記でも滅多無いぞ!? しかも、相手は巨大陸上戦艦。北海道の原野で、50センチ砲を装備した超巨大戦車と、クリスティたちが乗る日本製新型戦車と10式を改造した無人戦車ビット群という構図。もちろん、クリスティたちの愛車の名前はフューリーだ!
陸上で50メートルの巨大戦車がホバークラフトで上陸して50センチ砲が唸りを上げるって、物理的におかしいでしょ、ふざけてる? というお話は、こまけぇ事は良いんだよ! で片付けられるのがおバカが入ったアクション映画のいいところ。あとがきでも自分から触れているように、意図的なイケイケドンドンなんですよね。
もっと戦争やって儲けようぜ、なんていう戦争派とか軍需産業の陰謀とか、現実的に見れば的外れもいいところなんだけれど、頭空っぽにして見るアクション映画の敵役としては、そっちの方が定番なんですよね。正義やこの世に正しさを広めるため、といった思想ベースや感情ベースで戦争が起こるのを止めるような話は、正義の定義同士のせめぎあいとなって頭空っぽにして楽しむドンパチとは相性悪いですからね。
だからこそ、主人公のクリスティなんか、特に映画の主人公みたいな素朴な正義感、大人の矜持によって銃を取る古き良き正義の味方なんですよね。正義の味方というよりも、子供の味方というべきなのかもしれない。
兵士として国家に忠誠を誓う一方で、国の枠組みを超えて子供を守るため、子供を助けるため、プライベートで銃を取る、そういうおっさん少女であり、彼女のチームはそういう連中の集まりなんですな。
だからこそ、メアリー大統領の専属をやっているとも言えるし、今回他国の人間、それも国家を率いるデザイナーズチルドレンのベルカやカグヤたちのために立ち上がり、戦争を引き起こそうとするテロ屋たちとの戦いに挑むのですから。それも、彼女が担う国のためじゃない、同盟国のためじゃない、国を背負って自分達を生み出した企業との板挟みにあいながら、自分に課せられた使命を果たそうと足掻きもがく少女たちを守り助けるための戦い。給料分の仕事じゃないんですよね、これ。大人の責任、という名の矜持の仕事だ。
今回はそれこそ、見た目から中身までおっさん以外の何者でもないおっさんが相手の、慈悲を与える必要のない対おっさん戦でもありましたけど、どうも敵側の陣営の中枢にも子供の影が垣間見えるわけで。
果たして、敵として立ちふさがる相手が子供だったとき、彼らはどうするのか。何を選ぶのか。
なんだか、戦闘のプロフェッショナルという兵隊人というよりも、子供たちの守護者のようになりつつあるだけに、どういう展開になっていくのか。
しかしそれにしても、クリスティにマーリンにルーシーにジブリールの四人組。全員、ムキムキマッチョのおっさんが中身のはずなのに、プライベートで海で遊び北海道観光ではしゃいでいるときも、戦車に乗り込んでパンツァーフォーやってるときも、自爆特攻する巨大運搬船に乗り込んで海上でどんパチやってるときも、きゃわきゃわと小さな女の子たちが姦しく大騒ぎしているようにしか絵面的に見えなくて、もうこの人らおっさんとしてはポイント・オブ・ノーリターンを越えちゃってるんじゃなかろうかw