【聖剣学院の魔剣使い 11】  志瑞祐/遠坂あさぎ MF文庫J

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虚無の世界の秘密を解き明かすため、旧〈ログナス王国〉の王都ウル=シュカールの遺跡を訪れたレオニスたち。攫われたリーセリアと無事に再会をはたすものの、使徒ネファケスによって支配された〈機神〉――シュベルトライテが二人の前に立ちはだかる。苛烈な戦闘の最中、更なる戦乱を呼ぶがごとく、1000年前のレオニスと同じ姿をした〈不死者の魔王〉が乱入する。「なぜ、俺がここにいる……!?」一方、フィレットの魔手に囚われるエルフィーネ、〈獣王〉相手に奮闘するシャーリの残る〈第〇七戦術都市〉にも、それぞれの思惑を胸に各勢力が集結しようとしていた――!


はははははは、ママっ! ママと来ましたかー!!
いやー、機神ちゃんシュベルトライテてばセリアさんをマスターと認識して従う形になった時は、単純に主人な忠実な機械だし、かなり強くなったセリアさんは今後激戦が予想されるだけにどんどん格上の敵とも戦うようになるから、機神ライテの存在は頼もしい護衛になるなあ、とまあ戦力的な要素でしか認識していなかったのですが。
完全に油断していたところで、セリアさんも油断してたよねこれ。これまでセリアさんの事をマスターと呼んでいたリーセリアが、自力で動けないライテをおぶって行動することになり彼女を紐で体に縛っておぶった際に、突然セリアさんの事をママと呼び出す事案が発生w
間違えましたとか言い訳してたけど、オマエ機械だから間違えないじゃん!
いやこれ、どういう意図でのママ発言かによって、機神シュベルトライテの素がどんなキャラなのか立ち位置が分かれると思うんだが。まるで赤ちゃん背負ってるみたいな態勢に、洒落でママと言ったのか、それともマスターと呼びながら内心はガチでママと認識しはじめているか。
どちらのケースでも、感情に抑揚のないあくまで命令に従う冷たい機械人形、というキャラクターからは大いに外れることになるので、或いはチームのマスコット的な愉快なキャラになる可能性もありそう。
なにげにロボ子キャラは、かなりイイ性格したキャラも珍しくないですからね。今のところまだライテの本性は明らかになってはいないのですが、ふふふこれはちょっと彼女のキャラが見えてくるの楽しみだぞ。
ママと呼ばれて、まだ15歳だもん、と拗ねるリーセリアが非常に可愛かったであります。なにげにセリアさん、人誑しの傾向ありますよね。シャーリといい、ヴェイラといい何だかんだとセリアさんの事構って気に入っている様子ですし。
それも、彼女の中の因子が関係しているのか。

うん、そうなんですよね。これまでもリーセリアの中に女神の因子があるらしきことは、レオニスは気づいてなかったけれど、幾度もそれを匂わすような事例は描かれていたわけです。
一方で、リーセリアとはまったく関係のないところで女神の復活めいたことが進行している様子もまた描かれていた。これについては、ヴォイド側が何か勘違いしているのかとも思ってたんだけれど、それでもかつての英雄たちがヒドい化け物となって現れる際にも明らかに尋常じゃない存在が関わっている事が伝わってきて、じゃあ一体何を女神と勘違いしているのか。それとも、セリアさんとは別口で女神の因子が活動しているのか。まあわからないことは多いけれど、女神については敵サイドとセリアさんという2つの流れが存在していたのは間違いなかったんですね。
そこに、かつての魔王と英雄たちの戦いの歴史が失われてしまっていたこと。完全に喪失してしまったわけじゃなく、何らかの形で魔王たちの存在などが隠蔽されていた事をリーセリアの父がどうやら探し当てていたこと。
異世界の魔王がそれについて何らかの形で関わっている、或いはずっと独自に探りを入れている? ともあれ、動向が確認されている。
そこに、新たに眠れる不死王レオニスが敵サイドに発見される、という事態が。
いやいやいや、レオニスくん今ここにいるじゃん。敵さん、一体なにをどう勘違いして居もしない存在を見つけてきたんだ? なんか別のものと勘違いしていないか? となったんですよね。
何しろ、敵さんたちってばレオニスがとっくに復活してる事に全く気づかずに不死王レオニスを探し回って居ないなあ、居ないなあ、と右往左往していたポンコツに見えていましたからね。
ところが、彼らが見つけた不死王レオニスは……間違いなく本物だった。今みたいな生きた十歳の人間の男の子ではなく、勇者として活動した青年期の姿でもなく、一度死して女神に組みしてアンデットの王として暴れまわったまさに不死者の魔王としての姿で登場するのである。
レオニス本物がこっちに居るのに! そっちも本物!? レオニスが二重に存在する!?
そうか、そういう事だったのか。まさか、レオニスが分裂しているとは、そういう形での展開は想像もしていなかっただけに、一連のブレに似た違和感が一気に重なって焦点があった感じだったんですよね。
ということは、女神の方もリーセリアさんのなかに眠っているものだけじゃない可能性も、大いに出てくるわけかー。そもそも、レオニスが十歳のショタとして生まれ変わったのは、何となく可愛いから、じゃなかったのか。てっきりこう、女神の趣味みたいなものが反映されたんじゃないかと漠然と思ってた。というか、特に深い設定無くそういうものだからそういうものなんだ、というくらいの認識だったよ。ちゃんとこう、理由はあったんだ。

となると、敵サイドも一概にポンコツ呼ばわり出来なくなるわけで。まあ敵の幹部クラス、出てきてわこっちの魔王様型にぶっ飛ばされてますが。まあヴォイド化した英雄や魔王以外の理性と意識のある幹部クラスはみんなかつての魔王の臣下たちなので、思いっきり格下だけに当然と言えば当然の結果なのかもしれませんが。何度ヤラれても復活する敵さんの参謀はあれはあれでしぶとい気がするが。

それにしても、獣王さま自分で復活の理由わかってないのか。これに関しては魔王全員わかってないから当然なのだけれど、ヴェイラや海王様と比べても現世になじんでますよね、この人。普通に文明を謳歌してらっしゃるぞw
別に話が通じないタイプでもなさそうですし、これまで男キャラでガッツリと頼れるタイプいなかっただけに、彼がこっちサイドで出てきてくれたのは作品としても締まりが出て嬉しい限りである。
ラストはまたエライことになってしまっているけれど、逆に考えるとこれまで謎だったヴォイド化について、これで詳しく明らかになるんじゃないだろうか。何しろ明らかにならないとフィーネ先輩がジエンドになってしまうだけに!