【やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます】  MIZUNA/ Ruki TOブックス

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「さあ、悪役家族(俺たち)の大逆転といくよ」
一家断罪のゲームシナリオが待つバルディア辺境伯家――その長男に転生したリッド(5歳)は、ほくそ笑んだ。前世のゲーム知識を駆使して、諸悪の根源・母の病を治すため特効薬作りに乗り出す。グレた妹に絵本を読み聞かせ、家庭放棄した父には甘え倒し、本来闇落ちする一家に愛を取り戻していく! "悪役モブ"の真の力──全属性魔法と本来の頭脳まで覚醒させて薬も完成目前に! だが、それはマグノリア帝国領地争いの幕開けにすぎなかった……。“型破りな腹黒神童"のハートフル家族再創造計画、始動!


基本、感想ってのは「面白い!」と思ったものをどう面白かったか自分なりに語っていくものだと思うんだけれど、偶にあるんですよね。読んでいる時はおおっ面白い面白い♪と思いながら読んでいるのに、いざ感想を書こうという段階になってから、頭を捻ってしまうタイプの作品。面白かったんだけれど、具体的に何が面白かったのか書こうとすると、困ってしまう。どう感想書いたらいいのかわからない。
難しい。
物語としては、ゲームの登場人物の一人に転生してしまい、自分の家族を見舞う悲劇を回避しよう。そのために、幼い頃からあれこれと悲劇の原因となるファクターを一つ一つ潰していくことで、本来の歴史を変化させ、自分や家族が生き残って幸せになれる道を見つけよう、というベーシックな展開ですね。
そのために、前世の知識を使い、協力してくれる人を見つけ、新しい発見や発明をすることで有用なアイテムを入手したり、原作ゲームでは得られなかった人脈、他の登場人物からの好感度を得る、というオーソドックスな経路を辿っていきます。
6歳というまだ幼児な頃からあれこれと動き出さないといけないのは、この時期にもうポイント・オブ・ノーリターンが訪れてしまうから。彼らの家族の悲劇の原点である、母の病死が近づいている以上もう様子見はしていられないわけです。なので、幼児であろうと持ち得る知識を開陳して、父親を動かし、有力な商人の知己を得て、王族へのコネも作り、母を救うためのアイテムを作るために試行錯誤を繰り広げていく。
決して目新しいストーリーではないのですけれど、これが飽きさせずにスイスイと読みふけさせてくれる語り口なんですよね……、うん何が面白かというとストーリーテーリングそのものかしら。
登場人物たちも、主人公のリッドを含めてそこまで個性が強いキャラクターではないんですよね。色々とリッドをはじめとして多くの押し出しの強い登場人物たちに振り回されることになるエルフ族の女性商人のクリスが一番存在感強いかな、というくらいで。
妹ちゃんもまだ幼すぎるというのもあるけれど、本筋に関わってこられずに目立った活躍もありませんしねえ。両親も色々とすれ違いはあっても、愛情深く家族を慈しむ人たちなのですけれど、まあ普通といえば普通といった感じで。パパさん、まだ見た目も実年齢も若いですから、完全にイラストがこの人が主人公の青年じゃないの? というイケメンっぷりで……カッコいいですよ? てかパパって見た目じゃないよなあ。
癖が強いというと、皇后陛下が一番押出強いだろうか。後ろ盾としても最も強力でその分口出しも多くなってきそうだけれど。政治的な駆け引きを巡るお話も、海外との外交交渉も含めてあれこれと今伏線が張り巡らされだしている、という雰囲気ではあるんですよね。
まあなんというか、まだ全体的に大きく動き出していないように思います。物語としては序盤も序盤のプロローグというべきなのかもしれない。主要な登場人物もまだ出揃っていない感じですし、そもそもメインヒロインとなるだろう主人公の婚約者となる他国の姫君。彼女とも今のところは非常に傾斜的な側面のある政略結婚が前提としてあるのですけれど、その分本格登場となったら彼女を核として宮廷劇としても政治劇としてもラブコメとしても、大きく動き出しそうなんですよね。
また、巻末の番外編に出てきた猫とスライム、彼らもやがて登場すれば大きな役割を担いそうだし、ピースが出揃ったら一気にこの作品、弾けそうな気配はあるんですよね。
なので、このまま追いかけていきたいと思っております。

ところでクリス店長。あーたいい年して、まだ6歳のお子様にガチ恋しそうになってませんか? おねショタどころじゃないですよ? ってか性別が逆ならロリコンアウトですよ? まあ、リッドに婚約者が出来てしまって、何も起こらないまま速攻で失恋しそうですけれど。情報聞いてマジでショック受けて凹んでるんだよなあ、このエルフw