【賢者の弟子を名乗る賢者 6】  りゅうせんひろつぐ/藤ちょこ GCノベルズ

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買い物デートは波乱の予感! ?

自身と同じく『賢者の弟子』を名乗る者からの手紙に従い、指定された地に向かうミラ。そこで待ち構えていたのは、予想だにしない意外な人物だった!
そんな窮地もなんのその、ミラは久しぶりの帰宅ついでに、補佐官である妖精マリアナとの買い物デートを満喫する。
そして、いよいよ本格始動を始めた『キメラクローゼン』なる、妖精を付け狙う謎組織の追求。
そんな悪逆な組織に対抗する『五十鈴連盟』の総帥に会うため、ミラは本拠地である四季の森に向かうのだが……まさかの身バレ勃発! ?

怒濤の展開満載の美少女転生ファンタジー第6巻! !!

九賢者の一人、陰陽師の神楽と再会するミラ。今回は九賢者の捜索をしていて、じゃなくて招待された精霊保護組織・五十鈴連盟の本部を訪れた際に五十鈴連盟の頭目のウズメの正体が神楽だった、という展開だったのですが。
そう言えばヴァレンティンくんも、たまたま遭遇しただけで探し当てたというわけじゃなかったなあ。
精霊を狩ってまわっているキメラクローゼンの脅威が、精霊武具として各地にばら撒かれはじめている上に、精霊王を狙っているという話が持ち上がり、アルカイト王国も国家として黙って見ていられなくなった時に、そのキメラクローゼンの対抗組織である五十鈴連盟のボスが九賢者の一人だった、とわかったのは大きいなあ。
神楽から事情を聞くと、彼女がこの世界に現界してから負った苦労とそこからアルカイト王国に戻らずに五十鈴連盟なんて組織を立ち上げた理由がわかって納得させられる。
いや、こうしてみると元ゲームプレイヤーの人は多かれ少なかれこの世界に受肉して降り立った際に多大な苦労をしてるんですよね。特に現界した中でも先発組の人たちは、一から状況を手探りで調べていかないといけなかったわけで、他のプレイヤーに再会するまでだいぶ時間がかかって自分一人だけがこの世界に放り出されたんじゃないか、と思わざるを得ずにずいぶんしんどい思いしただろうし。
その点、ミラはまだだいぶ後発でわりと楽に現状を把握できましたし、ソロモンとも再会できましたからねえ。
神楽が本気で死にかけてたのを思うと、イージーモードだったんじゃないかと。しかしヴァレンティンにしても、神楽にしてもアルカイト王国に戻るより前に、使命ともいうべき自分がやるべきだと思うことを見つけて、そのために活動してるんですねえ。気まぐれでブラブラとあっちこっちフラフラしてるんじゃなかったんだ。
九賢者みんな変人、みたいな話だったから能天気に世界のあちこち放浪してるんだろうか、と思ってたのに、見つけた他の九賢者、わりとみんな真面目に活動してません? かなり観光旅行気分であっちこっち旅して回っているミラと比べてもw
まあ彼女は彼女でソロモンに仕事押し付けられているという側面もあるのですけれど。

にしても、本来所属していたアルカイト王国と関わりなく、五十鈴連盟なんて結構大きな組織を立ち上げてしまった神楽って、陰陽術士としてだけじゃなくて組織運営者としても相当に優れているんじゃないだろうか。組織の目的自体、営利目的じゃなくて精霊の保護とキメラクローゼンの打倒、という参加者の気概と良心に頼る内容ですし。にも関わらず、小規模のギルドというレベルじゃなく広範囲に影響と人員を派遣できるかなり大きい組織みたいですし、参加しているメンバーも並々ならぬ実力者揃い。これ、一人で作り上げたんですから大したもんです。
その頭目がアルカイト王国の英雄である九賢者の一人なのですから、アルカイト王国のソロモンとしても協力関係に容易に成り得ますし、キメラクローゼンの脅威が明らかになっていく昨今、その対抗組織と以心伝心で通じることが出来るのは、大変助かるんじゃないだろうか。
ヴァレンティンの方もあれ、なんだかんだと悪魔の真実という今まで知られていなかった情報をもたらしてくれたわけで、帰ってこない九賢者たちも連絡さえ取れればそれだけで大きな益をアルカイト王国へともたらしてくれるわけですから、何もせずにただブラブラしてたんじゃないんだなあ、九賢者みんな頼りになるなあ、と感心するところですよね。

でも、みんな目的持って各地で活動している以上、ソロモンにとってフリーでブラブラしているミラが実に動かしやすい駒だというのがよくわかる。アルカイト王国に在住している唯一の九賢者であるルナミリアが本土を守るための緊急展開決戦戦力として手元に置いておかないとイザというとき困ることになる、というのはラストのルナミリア主役の番外編で、彼女・彼?の活躍を描いた話をみるとよくわかるだけになおさらに。
実際、ミラが帰って来てくれてから、あっちこっちに派遣するようになってすぐに幾人かの行方不明だった九賢者と連絡取れたわけですからねえ。

ともあれ、精霊王を狙うキメラクローゼンの動向が幾つか明らかになり、それを止めるために戦力を各地に投入することになった五十鈴連盟に協力して、自身もその一部隊に参加することにしたミラ。
神楽はミラのこと、今のダンブルフの爺モードじゃなくなって美少女姿になったにも関わらず、相変わらずお爺ちゃんと呼び続けてるのか。もうミラ、だいぶ女の子寄りのメンタルになってきてしまっていると思うんだがw
何にしても、ミラがいればその部隊はどこに放り込んでも大丈夫、という安心感があるから神楽としては助かりますよねえ。なまじ自分自身実力が突き抜けているから、組織の長にも関わらず自分が出張りたくなる、というのはよく理解できる感覚ですから、絶対的に自分の代わりを担える相手がいる、というのはほんと安心できると思う。
今のところ、キメラクローゼン側にそこまで強敵は出てきてない、というか今回も敵さん遭遇する前になんか全滅させられてたからなあw
あんまり強敵とギリギリの戦いを繰り広げる、という趣旨の作品ではないだけに、それでいいのかもしれないが。