【英雄と賢者の転生婚 3 ~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~】  藤木わしろ/へいろー HJ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
転生の謎を追う最強夫婦の次の行く先は水の都!
竜姫ルフスの一件から、自分たちの転生に関与していると思しき黒幕についての考察を進める英雄レイドと賢者エルリア。二人は手掛かりを求めて砂漠地帯の遺跡へと向かうことになるが、その前に待っていたのは水の都での地獄特訓&水着バカンスだった!
そこへ更に新たな特級魔法士二名が合流し、共に遺跡調査を行なう運びとなるが……何やら彼らにも複雑な事情があるようで?

「それが――俺の惚れた『エルリア・カルドウェン』って女だ」

過去と現在、そして未来が交錯する最強夫婦無双譚、第3幕!

レイドって歩む道の選択次第では賢者になるルートもあったのか。それだけ聡明で頭の回転も早くて柔軟、という知性の人でもあるんですよねえ。現在でも、その野放図な英雄としての力に振り回される事もなく冷静沈着でウィットに富んだユーモアもあり、とイカしたお兄さんですもんねえ。
前世で将軍やっていた時も、立ち回りとしてはむしろ知将なんじゃないか、というそれでしたし、話を聞く限り軍を率いて進発した先で地方辺境の内政改革や土木工事してまわってた、という話ですし文武両道じゃないですか。
所属していた国が頭から根っこまで腐ってなかったら、余裕で大陸統一していそうなスペックである。というか、敵将であるエルリアと以心伝心で一騎打ち以外で被害出さないようにしつつお互いにしれっと便宜図りまくってたって、出来レースじゃないのこれ!?
何十年も戦争やってて国力疲弊して酷いことにならないんだろうかと危惧してたんですけど、むしろ話を聞く限り軍事行動とは裏腹の共同作業や技術交流が行われてて、トータルでは国力上昇してたんじゃないのこれ。ただし、レイドの国の方は地方は発展するけど首都方面には循環の範囲外みたいな?
ともかくなるほど、そりゃレイドが青年から爺になるまで戦争やってて国が潰れないはずですわ。

姫様を通じた過去との通信によって、レイドとエルリアが死んだ後どうなったかが語られましたけれど、そりゃレイドの軍は本国よりもエルリアの居た国と仲良くなってるはずですわw
ってか、レイドの副官の末裔だというアルマ教官。実質こうなんというか、結局お互い敵同士で結ばれることのなかった英雄と賢者の、血の繋がらない子孫みたいなもんなんじゃないですか。二人にとっての子供にも等しい副官と弟子の間に生まれた血筋なんですからねえ。
……なんでこんな生き遅れの酔いどれになっちゃってるんだろうw

というわけで、竜姫ルフスが騙されていた一件といい、姫様の能力を通じて過去のエルリアの弟子と話が出来るようになったことで、レイドたちを転生させた謎の黒幕の存在が浮き上がってきたわけだ。ただ、その動向はルフスの件のようにどす黒い悪意を感じさせるものとレイドたちに手を差し伸べたような善意を感じさせるものがあり、どうにも違和感というか意図が読めない気持ち悪さがあったのだけれど、どうやら黒幕の思惑やその正体を追いかけていくうちに、黒幕というのが一人、或いは一つの勢力ではなく、意図の違う2つの勢力があるんじゃないか、という推察が浮き上がってきたんですね。なるほど、それなら納得できる。
そもそも、レイドの謎の英雄としての力も偶然彼に身についた唯一無二のものではなく、誰かに付与されたもの、という事もわかってきましたし、アルマの同僚にレイドの力に似たものを持っている人も出てきましたからね。
色々と面白くなってきたぞ。

それはそれとして、真相追求する一方でレイドとエルリア以外の仲間たちの能力を底上げするために、特訓合宿ということでいつもの面々に加えてファレグくんの幼なじみで従者であるヴァルクとルーカスの二人も参加して、死んだほうがマシな目に遭う強化合宿へゴーである。ヴァルクって女の子だったのか。しかもポニテガールである。ルーカスも結構可愛い顔をしたショタ少年で、ふたりともなかなかイイ性格をして主人であるファレグ坊っちゃんをからかうなかなかのタマ。この三人、いいトリオですね。ってかファレグって従者二人からの扱いみてると、元々イジられキャラだよなあ、これ。
スーパーお調子者の田舎娘ミリスも相変わらず絶好調で、一人最初から遊ぶつもりで水着で現れる猛者である。特訓も一人だけ水着を着替えず、あくまで終わったら遊び倒すつもりで水着を脱がないそのド根性w
レイドとエルリアが規格外とは言っても、ここまで破茶滅茶な鍛え方されてしまうと、ミリスたちも相当の戦力となるんじゃないだろうか。
どうやら、本格的に「敵」が登場してくるみたいですし。それこそ、レイドの力やエルリアの死の真相と直結する、世界の危機たる大敵と。

一方で、レイドとエルリアの関係の方も、既に婚約者で結婚まで秒読み、となってはいるもののまだお互いちゃんとしていないというか、なし崩しで婚約者まで持ち込んだおかげで、お互いの気持ちに関してはわかってはいてもはっきりとしていない、という状態だったんだ……いやもう、夫婦同然じゃね? というものではあったんだけど、そう言えば熟年夫婦みたいになっちゃってて恋人らしい甘酸っぱさには中々持って行けてなかったなあ、と思い出した。
それでも、お互い好きなのは間違いないし、結婚の方はどうするのかなあ、と思ってたらちゃんと二人共そこに至るプロセスは考えていたみたい。なんだかんだ、二人とも中身は大人ですからねえ。エルリアは微妙だが。でもレイドの方は一度ジジイになっているだけあって、ほんと落ち着いた大人の精神なんですよね。慌てない焦らない、どんと構えて動じない。でも枯れてたり冷めてたりするのではなく、しっかりと情熱を、熱い気持ちを胸に宿している。
自分が前世で死んだときの行動を、サラッと自分の胸の内の証明として示してみせるレイドのあのシーンはかっこよかったなあ。エルリアが聞いてたらキュン死したんじゃないだろうか。
シンプルに思わず告ってしまったレイドのあれで、沸騰しちゃってたくらいだし。いやいや、まあまあ、ちゃんと甘酸っぱいラブコメしてるっじゃないですか。
ちょうど、同僚ででこぼこコンビだけど仲睦まじい夫婦、というアルマの仲間のレグネアとサヴァドという二人も登場しましたし。夫婦キャラの先人として見習う所も……あんまりないかなあ。彼らも夫婦だけど、まだまだ夫婦未満みたいだし。

ともあれ、レイドに伍する強敵が登場し、物語も大きく動いてきた……と、思ってたところで、ラストにレイドがすげえ爆弾起爆させたぞ!?
ええええええ!? いやそれ、まったく全然想定してなかったんですけど!?
レイド、マジで賢者じゃないですか。なんでわかったんだ!? なんで気づいた!? どうやって見抜いた!? エルリアは全然気づいてないでしょ、これ!?