【RE:異世界から帰ったら江戸なのである ─女天狗昔物語─ 1】  左高例/ユウナラ カレヤマ文庫

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小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載、書籍化していた人気の異端時代小説が再び蘇り、奇跡の電子書籍化!

魔法のあるファンタジーな異世界から、現代日本にようやく帰ってきたと思ったら江戸時代だった九子。やむを得ず江戸で暮らすため、魔法の力を天狗の妖術だと名乗って蕎麦屋の主、六科の元へ居候になることに。生活のため蕎麦屋を繁盛させ、悪党を退治し、時に男たちから助平な目で見られ、江戸の美味と酒を楽しむ女天狗の日常物語。

この作品は小説投稿サイト『小説家になろう』に連載、及びKADOKAWAエンターブレインが書籍化した作品『異世界から帰ったら江戸なのである』のリブート小説です。
続きではなく再構成作品なため、本作から読み始められます。以前の書籍と内容も大きく異なります。
WEBに投稿している内容と一部重なる部分もありますが、全編約20万字書き下ろしでここでしか読めません。本にして約600ページの文量となっています。
また、前の書籍化から担当しているイラストレーター・ユウナラ氏の挿絵、扉絵が合わせて25点と豪華仕様!

ちょっ、九郎が九子になっちゃったら助屋九郎がスケアクロウじゃなくなるじゃん!

別にどうでもいいのかもしれませんが。

リブート版であります。旧作は【異世界から帰ったら江戸なのである】というタイトルでエンターブレインから3巻まで出版中。べらぼうに面白いです。書籍化されてないウェブ版の方はかなりの分量があり、これがまたすんげえ面白いのよ。自分の中では人生ベスト10に入るんじゃないかってくらい。
すちゃらかコメディでもあり、そんじょそこらの異世界なんか目じゃないくらいにやたらと濃いキャラクターが登場し、江戸時代やべえっ、となる事請け合いである。
しかしこの江戸時代の描写がまた無茶苦茶リアルなんですよね。その時代の風俗風習なんかがサラッと当たり前みたいに描かれていて、ほんとに江戸の街を覗いている気分になるんですよね。これ下手な時代劇なんか目じゃない時代考証なんじゃないだろうか。そんなリアルな江戸をお前らほんとに人間か!?というような変人たちが闊歩しているので、妙な気分になってくるんですよね。楽しいったらありゃしない。同心二十四衆とか、どこからああいう発想が出てくるんでしょうかね? ちなみに本編登場の菅山利悟や水谷さんも二十四衆に数えられている。水谷さんとか完全に孤独のグルメ(江戸版)だもんなあw



さて、今度リブート版として送り出された本作は、旧作では男だった主人公九郎がなんでか女体化させられ、女となって江戸に舞い降りるという話になっている。
導入こそ一緒なものの、男の場合と女の場合では相手の反応も諸々変わってくるわけで、居候先の蕎麦屋の主人である佐野六科との出会いからして話が違ってくるので、ウェブ版書籍版を既に読んでいる人でも全く知らない話が繰り広げられるでありましょう。いや、マジで全然内容違ってきてるじゃん!?
当たり前だが男やもめな六科のもとに若い女が転がり込んだら普通は新しい嫁をもらったと思われるよなあ。その影響か、六科に想いを寄せている同じ長屋の女按摩のお雪ちゃん、男の九郎のときよりも迅速に六科の元で蕎麦作るの手伝ったりと元々身内同然だったけれど、それ以上に家族同然の扱いになってますしね。九郎が九子になって性別が同じなので気遣う必要がなくなったというのもあるのでしょうけど。九子も遠慮なく盲目な雪の世話をしてますし。
って、こうしてみると確かに九子、かなり働いてるんですよ。居候にも関わらず、いつも昼から酒呑んでぐーたらしていた男の時と違ってww
おまけに、石燕姉さんにお小遣いもらってそのおカネで酒呑んでるような立派な細くて長いアレだったのに。まあ、その分、ダメ人間な石燕の面倒も九郎、良く見ていた気がしますが……九子の場合だと微妙に相性ピッタリ合わないのか、石燕さん九子の前だとあんまり落ち着かない感じなんだよなあ。それ以前に今の状態、酒毒に侵されすぎててやばい状態なんですが。
やばいというと、ロリショタの稚児趣味で全江戸で評判の名物同心菅山利悟が旧作よりも遥かに気持ち悪くなってるんですがw いや、旧作でも十分やばかったけど、あの時は九郎は対象外だったからわりと普通に接してたのに、九子になってロリにも関わらず巨乳という矛盾を内包したキャラになってしまったために利悟、完全にバグってるじゃないですかw
元々男だし、男の助平心も解してくれて、おまけに自分自身は中身はジジイなもんだから完全に枯れきってる、男心に理解のある美少女キャラな九子が、利悟相手のときだけは容赦なくぶん殴るの、これ相当ですぞw

切り裂き同心の中山影兵衛も登場したてのこの頃はギラギラに殺意漲らせてて、九郎が女になってもこの辺全然容赦なしだなあ。ガチで生命狙われて殺されかけたにも関わらず、あんまり気にせず態度も変わらずフレンドリーに付き合える九子のメンタル、この人もまあまあ元々やばいんだよなあ。異世界に飛ばされる以前の現代日本での若い頃の生活からして、この人なにやってんの!? という世渡りしてたわけですし。

ともあれ、六科の作る壊滅的な蕎麦の味に、コンサルティングアドバイザー的に新しいメニューなんぞを考案したりなど、賢い六科の娘、房子とともに蕎麦屋を立て直したり、辻斬り騒動に巻き込まれたり、と相変わらずのドタバタ騒ぎはほんと、楽しい楽しい、楽しいばかりの読書時間でありました。てか、これ値段に比して文章量めちゃくちゃ多くないか!? ボリューム凄いありましたぞ。

まだまだ主要メンバーとなる面々も登場していないだけに、既に2巻も出てるんですね、続き読むの楽しみです。録山晃之介さんとかナイスガイがまだ出てないもんなあ……てかさ、九郎が男から女になっちゃったもんだから、利悟がバグったみたいに男キャラで九子の魔性に惑わされちゃう人がこれ沢山出てきてしまうと思うんだけど、どうするんだろう、これ?! 逆ハー? 逆ハーレムになっちゃうよ!? 将来、男連中の嫁になるはずだった娘らがえらいことになっちゃわない!? 大丈夫!?

左高例・作品感想