【新婚貴族、純愛で最強です】 あずみ朔也/へいろー GA文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
始まったのは、世界最強の新婚生活。

「私と結婚してくださいますか?」
没落貴族の長男アルフォンスは婚約破棄されて失意の中、謎の美少女フレーチカに一目惚れ。婚姻で授かるギフトが最重要の貴族社会で、タブーの身分差結婚を成就させる!
アルフォンスが得たギフトは嫁を愛するほど全能力が向上する『愛の力』。イチャイチャと新婚生活を満喫しながら、人並み外れた力で伝説の魔物や女傑の姉たちを一蹴。
気づけば世界最強の夫になっていた!
しかし花嫁のフレーチカを付け狙う不穏な影が忍び寄る。どうやら彼女には重大な秘密があり――!?
規格外な最強夫婦の純愛ファンタジー、堂々開幕!!


ラブパワーー!!

伴侶を愛するほど全能力が向上する、というギフトをフレーチカと結婚する事によって手に入れたアルフォンス君。
愛の深さが強さを決める。重複可、という文句は取り敢えずさておいて。
真面目な話、今回はこのハーレム前提のギフトの追記についてはストーリー展開上、あんまり関係なかったんだけれど、今後に向けての何らかの伏線になるんだろうか、これ。
現状において、アルくんはフレーチカにぞっこん夢中も夢中で、彼女への愛だけで古今無双、どころじゃなくてもう人間辞めてるよねレベルまで強くなってしまっています。それだけフレーチカの事が好きで好きでたまらん、という状態なんですよね。性格的にも一途で優柔不断という所もありません。
何しろ、最初フレーチカが姉たちが連れてきた結婚相手と知らずに一目惚れして、あの怖いお姉さんたちに逆らってでも一目惚れしたフレーチカと添い遂げようと電光石火で決意して覚悟してしまうほどの一途さでしたからね。とても、新ヒロイン登場してどうこう、となるとは思えない。
可能性があるとするなら、最後にアルフォンスが宣言した、あらゆるフレーチカをすべて愛する、というあの文言が達成された場合か。あるいは、人類にギフトをもたらしてくれた美食竜が定めたというルールにある、兄弟姉妹で結婚は出来ません、というアレ。美食竜エイギュイユの意図が伝承にあるように人類を庇護するため、ではなかった(とも言い切れないのだけど)以上、あえて従う必要がどこにあろうか、などとあのお姉ちゃん達なら考えかねないしなあ。シスコンも良い所のアルなら、何だかんだ言いつつも姉相手だと押し切られても不思議はなさそうですし、フレーチカもこの二人の姉には大変懐いているので、さてどこまで独占欲を見せるでしょうか、てな塩梅だし。

面白かったです。結婚することによってもたらされるギフトによって、あらかた決してしまう世界。独身者にはなかなか厳しそうな世界ですけれど、そのわりに再婚禁止の令が発せられて独り身な二人のお姉ちゃんは全然厳しさを感じていなさそうですがw 
出戻りお姉ちゃんというのは結構珍しいですけれど、愛する人に先立たれて未亡人となった次姉のベルファはともかく、結婚相手からギフトを略奪するギフトを発現させた挙げ句、怒涛の勢いで三連続結婚離婚を繰り返して大貴族から貴重な一族伝来のギフトを奪いまくったシルファお姉ちゃんは、これ厳密には結婚したと言えるんだろうかw ホーリーギフトって結婚式で誓約を交わした瞬間に発現するみたいなので(アルとフレーチカの場合はそうでしたし)、シルファお姉ちゃん初夜も迎えず結婚式のその場で離婚逃亡したんじゃないの、これ?
その足で別の貴族のもとに駆け込んで貴族同士の権力争いを利用して即再婚して、を繰り返してギフト奪いまくったのって、明らかに確信犯なんですよね。
大貴族の力を削ぎたい王家を後ろ盾にしたとはいえ、よくまあ生き残れたなあシルファ姉さん。そりゃ恨まれるし、生命も狙われますがな。それでも余裕で生き残れるくらいには、奪った力を統合して得た能力が際立ち極まっていた、という事なのでしょう。でも、奪われた貴族家には流石に同情するぞ、これ。
そんなシルファ姉ちゃんを一蹴してしまう、というか戦う以前にちょっと振り回した手にあたっただけで伸してしまうほど、隔絶した力を手に入れてしまったアルフォンス。
まあそんな無敵の力に振り回され、とかしている暇なく、ひたすらフレーチカとイチャイチャするのに夢中で忙しい日々。家の絶対権力者である姉たちをすら置いてけぼりにする、新婚二人の仲睦まじさ。
そのわりに、手をつなぐのだけで精一杯で、初夜どころかキスすらもままならない初心な夫婦なのですが。いや、夫婦というより付き合いたての中学生カップルか、という塩梅ですよね。でも、そのラブラブっぷりは確かに新婚夫婦なのめり込み方なので、アンバランスと言えばアンバランスなのでしょう。いきなり好感度マックス超えから始まった関係でしたからね。歳もまだ十代半ばを超えたくらいの若さですし、本来ならもっとじっくりと関係を進めていくべき所をいきなり結婚からでしたからね。
そう言えば、両親へのご挨拶という結婚する際の必須イベントもこなしてなかったもんなあ。
なので、まず二人の最初の難関として立ちふさがるのが、お義父さんへのご挨拶、というのは必然の展開だったのかもしれません。
フレーチカ、これまでずっと不遇な半生を送ってきた苦労多き少女でしたけれど、こうして最愛の人にめぐり逢い、また決して両親から捨てられたのではなく、ずっとこれまでも愛され続けていた事がわかって、良かったですねと言う他ない。彼女の中に眠っていた、ある意味元凶とも言うべきそれも、決してフレーチカを踏みにじる存在ではなく、彼女なりにずっと心配り庇護してきてくれたと分かれば、これまでの辛かった半生も何か違った風に見えてくるじゃないですか。
そして、まあ随分と早いといえば早いけれど、たどり着いたゴールイン。これからずっとお幸せに、と祝福を送ってあげたいです。
って、このままハッピーエンドでも良い気がしますけれど、続刊するんだろうか。どうあっても、新ヒロインが割って入る余地はなさそうだけれど。アルフォンス的にも無理だろうし、それ以前にお義父さんが認めないというか、激おこになっちゃうでしょ、それw