【秘密結社デスクロイツ 4】  林 トモアキ/ まごまご 星海社FICTIONS

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デスクロイツとジャスティスに襲来する最強の侵略者、その名はローリン公ペドフィリウス伯爵!
地球美少女をこよなく愛するブラックホール将軍とローリン公の共闘により、サスティナブルーーつまり圧倒的SDGs(エスディージーズ)な恐るべき策謀「全人類幼女化作戦」が発動する!!
デスクロイツ、ジャスティス、ローリン公、ブラックホール将軍――地球の命運を懸けた総力戦が、いま始まる!!!
多様性のなかにも、絶対に譲れない価値観(プライド)が、そこにはある!!!!
林トモアキが贈る、誠実悪役主人公VS残念正義ヒロインズのバトルラブコメ、ファイナルラウンド!!!!!
オルタをめぐる恋愛頭脳戦!? おまけエピソード「真実はどちらの手に!? 名演技オルタ君VS名推理聖花ちゃん」も収録!

いやーーー、聖花もアリじゃね!? と、前巻の感想の〆からあっさりと手首を返す!
これまでオルタの事は認めながらも、親同士の因縁もあるし、異性としては全然意識せずにやたら入れ込んでいるノエルややたら乙女になったルナをどこか冷めた目で見ていた聖花。
元々ドライで身も蓋もない性格じゃないですか。だから恋愛そのものに対してあまり関心興味を持たず、仲間二人の様子にもまあ好きにすればいいんじゃない?というくらいのスタンスで距離をおいていたわけですが……。
偶々体調を崩した身内のために料理を作ろうとして大惨事になりかけた所をオルタくんにフォローされた事をきっかけに、彼の内面イケメン男子っぷり、そして外面を気にせずに本心からズケズケと遠慮なく言い合える関係である事に改めて気付かされ……最後方での参戦ながら、後方一気でまくって来やがりましたよ、この女ヒーロー!?
こうなると、逆にドライで身も蓋もない性格が強烈に作用するんですよね。あれ? オルタくんアリなんじゃない? と気づいた途端に余計なツンデレをかまして遠回りしたりモタモタしたりせず、ズケズケと距離を踏み潰していく、この手段の選ばなさ。
ノエルさんノエルさん、あーたがモタモタしてる間に物凄い勢いで追い込みしてきましたよ、聖花さん! 知らない所でルナがクリティカル決めてたことも知らないしなあ、ノエル。
一人だけオルタと学校が一緒ということで、毎日お昼お弁当作ってきてもらう、というとてつもないアドバンテージにあぐらをかいて悠長にしているうちに、先頭を走っていたはずがいつの間にか周回遅れになってませんか、ノエルさん!
同志クラエはあれで一番の身内なんだぞ。一番身近な女の子なんだぞ? いざとなるとすぐ裏切るのは料理の件でも明らかなのだ! まあどちらに関してもノエルの怠慢が原因なんですけどね!?

しかし、オルタくんの正体、つまり悪の組織の大幹部というのを理解した上でとうとうヒーロー娘たち三人ともがオルタを射止めるために本気を出し始めたかー。ちゃんと悪の組織を潰して足を洗わせてから、と決めているあたりちゃんと正義の味方しているのだけれど、悲愴感なく自信満々でどちらかというと捕食するつもりなんじゃね? というあたり、さすが爆弾三人娘だなあと微笑ましくなるか、それとも顔がひきつるか。もう狙われてるとしか言いようがないオルタくん、オツである。
でも、あれで三人ともオルタくんの性格の理解度非常に高いんですよねえ。彼の性格、どちらかというとヒーロー寄りだもんな……。まあ逆に、聖花もノエルもあの性格むしろ悪の組織寄りだと思うのだが。
とはいえ、悪の組織の怪人やら大幹部になるには強さとか悪への素養というよりも、もっとシンプルに「変態」度が高いという適性が求められているような気もするのだけど。
そういう意味ではオルタくんやブラックタイガーさんはあんまり向いてない気がするんだよなあ。なお、組織の適切な維持には向いていない人材こそが必要とされがちなのだがw
ブラックアリスさんは適性十分ですね!

今回は、新しい怪人がスカウトされて、デスクロイツも順調に勢力を回復させていってたんですが、せっかくイイキャラしてた辻斬り怪人、あんまり出番なくて残念だったなあ。
この巻でこのシリーズ、一旦終了なんですって。ラブコメ的にはここからが本番という感じであったのですけれど。
とはいえ、この巻で一番グッときたのは、ルナたちのそれぞれが受け持つ敵組織が連合した地球征服パワーズのローリン公とブラックホール将軍の友情話だったんですけどね!
生粋の幼女愛好者と、生粋の美少女愛好者。年齢区分でも相容れぬ、性癖として絶対に重ならないこの両者。内心に対立を抱きながらもその愛の真実だけは疑わずに共闘を進めるものの、行き過ぎたローリン公の愛は、本来彼が抱いていた愛からハズレてしまい暴走していく。それを憂いたブラックホール将軍の心よりの言葉は、公の愛が本物だからこそ届き、自身の間違いを受け入れ自身の幼女への真の見方へとたどり着く。自分とは相容れぬ愛の形を尊重し、そのあり方を理解し合う。まさに多様性の本懐。異なる存在だからこそ交わしあえた性癖を越えた友情! 熱い熱い男たちの交歓であったのでした。
それはそれとして、変態の戯言ではありましたが。
一瞬にしてヒーロー女子たちに問答無用で消し飛ばされてましたが。
嗚呼、無惨。
でもこういう戯言会話をこうやってひたすらぶちまけられるのが、林トモアキさんの真骨頂の一つだよなあ、と。こういうのがイイんだよw

段々とエンジン温まってきた感じのシリーズだっただけに、ここで終了というのは残念ですけれど、今度は学園モノを考えているそうで、それはそれで楽しそうなんで待ってます。