【私の婚約者は、根暗で陰気だと言われる闇魔術師です。好き。】 瀬尾 優梨/花宮 かなめ 角川ビーンズ文庫

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ずっと見守っていたの? 男前伯爵令嬢×陰気な最強闇魔術師のラブコメ!

伯爵令嬢リューディアは、父が王女を暴行した罪で一家没落の危機に。
だが闇魔術師・レジェスにより冤罪が証明された。
彼は優秀だが見た目から「闇ワカメ」と称されるほど陰気な人物。
しかし気遣ってくれる優しい一面や、照れ屋で放っておけない部分も発見し――
なにこれかわいい! 気になって仕方がないんですけど!?
「私と結婚してくれませんか?」「今、なんと?」
地味な最強闇魔術師と男前伯爵令嬢の痛快ラブコメディ!

これ、闇魔術師の方が完全にヒロインじゃん!!
そしてタイトルの「好き。」はこれ「❤」ハートマークがついているお花畑のそれじゃなくて、イケメン王子が背景キラキラさせながら耳元で囁くような「好き」ですよ、絶対。
伯爵令嬢リューディアさんが、イケメンで男前すぎる。自分の中で芽生え始めていた闇魔術師レジェスへの感情が恋愛感情だと気づいた途端、瞬間、電撃的に彼女の方からプロポーズして迫りましたもんね。
それも恋に浮かれて、という感じじゃなくて、見事に地に足がついていましたし。むしろ泡食ってたのがレジェスの方で、自分の平民としての身分、闇魔術師としての風評や健康問題などを論ってとてもじゃないけれど貴女と結婚できるような人間ではないと言い募るのを、一つ一つ冷静に論破して詰め寄っていく姿の格好いいこと格好いいこと。
そのまま、俯くレジェスの顎摘んでクイッと持ち上げてもおかしくないようなイケメンオトコマエっぷりでした。キャパオーバーして逃げ出すレジェスの方が完全に乙女w
それを見送って、振られてしまいましたね、と寂しそうにのたまうリューディア様、完全に王子様w

そもそもレジェス、タイトルで言われているの的はずれな評価じゃなくて、根暗で陰気なのは確かですからね。その上、ずっとリューディアにこっそりつきまとって勝手に守っていたというストーカー気質。全然気にしないリューディアの方が普通はおかしいですよ?
他の男性にはピクリとも食指が動かなかったのに、レジェス相手にだけは最初の方から妙に好意的だったのはチョロい娘なのか、とも思っていたのですけれど、そもそも昔に誼があったのか。
むしろレジェスの方がチョロい子だったんじゃないかとすら思えてくる。まあ、小さい頃に助けられた事は人生観そのものを揺るがす大事だったわけですし、生命の恩人であり人としての尊厳の恩人であり、明らかに感情が重たいタイプのレジェスですから、人生を賭してお守りスべき人であると思い定めてべったり張り付くのもまあ無理からぬ事とは思いますけれど、そういう重たい感情を軽々と受けいれてしまうリューディアの器の大きな事よ。
彼女に釣り合う男になるべく、自分の力で表舞台に立とうと遂に卑屈さを捨てて立ち上がった男に対して、身を守ってもらう代わりに社交の場では自分が貴方を守りますわ、と堂々と手を差し伸べるリューディアさまが最後までイケメン王子すぎるんですけどー!!

それにしても、冤罪から助けてくれた恩人とはいえ、娘が勝手に婚約とりつけてきたの、あっさり喜んで許しちゃう両親も自由人だよなあ。弟はこれそろそろ元服しそうな年齢なのにアタマ小学生男子なアホの子だし。その無邪気さが可愛げであり、公式の場ではちゃんと出来ているあたりがなかなかのタマだと伝わってくるのですが。

しかし、ライバルじゃないですけれど伯爵家に盛大な迷惑、どころじゃない冤罪をおちつけてきた王女様は悪役としてもしょぼかったなあ。アタマも悪いし。
追放処分にするのはいいけれど、これを押し付けられた開拓地の方に同情してしまうんですが。こんなん押し付けられてなんのメリットが在るんだか。
個人的には悪ぶって性格悪そうな闇魔ムーヴしていたレジェスの方が好きだったんですけどね。こういう性格ネジ曲がっちゃってる男を正面突破で落としちゃうのもまた醍醐味なので。最初から堕ちてるとは思わんかった。そして攻められると抵抗も出来ないヨワヨワだった。気弱一途な乙女か! 赤面しまくってたのも伯爵令嬢じゃなくて、闇ワカメの方だったもんなあ。
真っ赤になってしまったの、茹でワカメとか言われてるの、さすがに酷いと思うよw