前回、1月後半の記事です。
2月の前半はなかなか興味をそそられる新シリーズが散りばめられていて、ワクワク。
電撃文庫も新人賞受賞作品が出てきてますね。しかしなんと言っても注目は戯言遣いシリーズの新作ですよぉ!!


【エロゲのヒロインを寝取る男に転生したが、俺は絶対に寝取らない】 みょん(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W
奪われる前からずっと、「あなたのモノ」ですから♪

気が付いた時、エロゲの世界に転生していた。
【僕は全てを奪われた】という寝取られエロゲの主人公・佐々木修……ではない。
修を献身的に支える幼馴染ヒロイン・音無絢奈を修から寝取る親友キャラ・雪代斗和に、だ。

幸いゲームのストーリー開始まで一年も猶予がある。
自分に寝取りの趣味はないし、俺が彼女を奪わなければ二人は幸せに結ばれるはず……なのに。

「二人っきり……ですね?」
修がいなくなった途端に体を密着させてきた絢奈は膝の上に乗ってきて──もしかしてこの二人、ゲーム開始前からすでに関係しているのか!?

これってNTR(寝取られ)?
BSS(僕が先に好きだったのに)?

どちらでもない、濃厚純愛ラブストーリー開幕!
ガチ修羅場や浮気モノといったインモラル系ラブストーリーが隆盛を迎えつつ在る昨今ですが、ついに寝取り系まで現れたのか。
でも露骨に寝取り寝取られを標榜していなくても、ファンタジー系の追放モノ系統などでこの手の元のパーティーからメンバーを奪っちゃうという展開の話はさほど珍しくはなかったですからね。現代恋愛劇で真剣に恋愛をテーマにした物語として、というのはやはり希少だとは思いますが。
これがエロゲやそっち系の小説だと一つのジャンルとして成立してるのですが。
いずれにしてもこれ系は本当にうまく書かないとどうしても胸糞悪い展開になってしまうか、逆に寝取られる側の本来の主人公が魅力のない取られて当然じゃないか、というキャラクターになってしまうので、恋愛劇としてそこまで突き詰められないパターンになりかねないのだけれど、純愛ラブストーリーと名乗るのですから、やっぱり恋愛ものとしてのクオリティには期待したくなります。



【くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める 1】 上村夏樹(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W
「……私だけドキドキしてずるいです。ばか」

社会人三年目のサラリーマン・天江雄也は、日々の忙しさに追われてすっかりくたびれていた。そんな折、雄也はかつて近所に住んでいた八歳年下の女の子・白鳥葵と七年ぶりに再会する。すっかり家事万能な美少女JKへと成長していた彼女は言った。

「雄也君……私と、結婚を前提に同棲してくれませんか?」

初恋の人である雄也との同棲を強く希望する葵。戸惑う雄也はひとまずは保護者という立ち位置で同居することを了承するが――葵からの積極的なアプローチに内心は動揺しまくりで!?
断らずに受け入れた時点でOKしたようなもんだよ!! 


【この日、『偽りの勇者』である俺は『真の勇者』である彼をパーティから追放した 1】 シノノメ公爵(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W
全てを失った『偽りの勇者』の真の力が覚醒する!!

ジョブ『偽りの勇者』を授かったフォイルは、役割に従い親友をパーティから追放し、そして『真の勇者』に覚醒した親友により討たれた――はずだった。
偽物の勇者であっても人に尽くしてきた彼の素顔を唯一知るエルフの少女アイリスによって救われたフォイル。彼女に「わたしの勇者様」として肯定され、勇者のように人々を救うことに憧れていたことを思い出したフォイルは、陰ながら人々を救う新たな冒険の旅に出ることを決意する!
「悪役」の宿命から解き放たれた影の英雄による救世譚、開幕!!
一つのストーリーパターンが流行りだし類似の作品ばかり出て飽和してくると、その類型からパターンを変えた様々なイレギュラーが出てくるのは、まあ古来から繰り返し創作系で繰り広げられていた事なのでしょう。
本作も、追放モノという類型パターンがなければ中々出てこないだろう、追放した側が主人公の作品……かと思ったら、そこからも少し外れてますね。ってか、これは陰ながら主人公たちを助ける仮面のヒーローパターンなのか!?



【異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい】 森月真冬(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W
私はエルフのリンスィール。 エルフ界一の食通である!  城下町ファーレンハイトに、不思議な車を引き、 夜な夜な奇妙な料理をふるまう男が現れた。 料理の名前は『ラメン』。 それは一口食えば、天にも昇る味である! 私はあっという間に『ラメン』の虜となり、 毎晩、その男を待ちわびていた。 しかし、『友』と呼べるほど仲良くなった男は、 ある夜を境に、私の前から姿を消してしまった。 それから二十年、私は『ラメン』を味わいたくて、 同じ街角に立ち尽くしている。 ああ……愛しの『ラメン』よ、もう二度と、 あの味には出会えないのだろうか……?
グルメ系も今となっては珍しいものではないのでしょうけれど、本作はこう……表紙絵の吸引力にやられてしまいました。これだけ美味しそうに、てか真剣に顔赤くしてラーメンに立ち向かっている姿を見せられてしまうと、お腹空きますわー。



【キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘】 西尾 維新(講談社ノベルス)

Amazon Kindle B☆W

首を洗って待ってたかい? <戯言シリーズ>最新作
玖渚盾が挑むのは、古城×双子×首なし死体

私立澄百合学園に通う玖渚盾(くなぎさじゅん)、十五歳。
“パパの戯言”と“ママの法則”を携えた「平凡な女子高生」が、
人類最強の請負人・哀川潤に誘拐されて、
玖渚機関の牙城“玖渚城”に送り届けられてしまう!
彼女を待ち受けていたのは、青髪青眼の少女たちとの邂逅と悲惨な殺人事件。
はたして盾は謎を解き、無事に帰還することができるのか?
新青春エンタの傑作<戯言シリーズ>、大団円の先の最新作、ここに結実!!
すべてはこの戯言からはじまった。
西尾維新氏のデビュー作である戯言遣いシリーズ。まさかのその完結後のそのさきのお話である。西尾先生の躍進は、このシリーズを見事に大団円で纏めた事でスイングバイされた思っているだけに、あの二人の娘が主人公なんて無視できないですよ。ってか、自分もまたこのシリーズには情緒をメタメタにされて、楔を打ち込まれ、と多大な影響を受けまくったことを自覚しているだけに。


【レプリカだって、恋をする。】 榛名丼(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W
――応募総数4,128作品の頂点――
 第29回電撃小説大賞《大賞》受賞作

 具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日……。彼女が学校に行くのが億劫な日に、私は呼び出される。
 愛川素直という少女の分身体、便利な身代わり、それが私。姿形は全く同じでも、性格はちょっと違うんだけど。
 自由に出歩くことはできない、明日の予定だって立てられない、オリジナルのために働くのが使命のレプリカ。
 だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。
 好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。
 学校をさぼって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。
 名前も、体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけど――この恋心は、私だけのもの。
 海沿いの街で巻き起こる、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な“はじめて”の青春ラブストーリー。
電撃小説大賞・大賞受賞作である。うん、それは大変結構、すごいですね! ……作者さんのお名前、めっちゃ見覚えあるんですけど!!?
ちょっと電撃文庫の新人賞に限らず、今節の新人賞ってどこのレーベルも既に実績のある作家さんがこうして掻っ攫っているのはなんか凄いですね! いや、それは全然いいんだけど、どうして時期がこんな被ったんだろう。界隈で新人賞に応募してみようという流れみたいなものがあったんだろうか。
自分のドッペルゲンガーが現れる、みたいな話はけっこう散見されますけれど、本作が面白そうなのはそのレプリカの方が主人公っぽいんですよね。怪奇現象とかSF的な不思議、ではなくて分身体って作中では公に運用されてるんだろうか。あらすじだけだと判断し辛いけど。
大賞なだけあって話の完成度は高いんだろうなあ。