【Landreaall 40】  おがき ちか ZERO-SUMコミックス

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ダンジョン最奥部を護る“番人”と
苛烈極める戦いを続けるDX。
そして歴史の真実が明らかに――!?

地下王城の謎に迫る、大人気ファンタジー40巻!!

サー・ジャックに回転を!? はズルいよ! しかも、徐々に画面ズームしてサー・ジャックが近づいてくるし!
あそこでもう耐えきれずに笑い転げてしまった。いや、あれはズルいよ!
やってる当人たちは大真面目なんだろうけれど、石化しているサー・ジャック翁を投石機の砲弾として利用しようとする流れがもう本当に面白くて。いや、酷い扱いなんだけど、決してサー・ジャックを蔑ろにしているわけじゃなくて、しかし固くて壊れなくて迫りくる巨災に対して有効な対抗手段が尽きている中で、サー・ジャックの存在は希望になったのである。当人たちみんな必死なのである。むしろサー・ジャックに対しては敬意しかないのである。
サー・ジャック装填完了!はだからズルいって!!!www 頭、下かよ!!
いやでもあの巨災の巨体に人間一人分の石化像をぶつけてもどうなるんだ、と思ったらそうか、ぶつけた衝撃で倒すんじゃなくて、隙間に挟み込むのか。いやこれわりとただぶつけるだけじゃなくて、隙間に放り込むんだから弾道計算すごい難しいんじゃないのか。めっちゃ計算してたけど。なるほど、それなら弾道を安定させるために回転は大事だし、重心がどこにあるのかを確かめるためにサー・ジャックをゴロゴロと転がして確かめるのも当たり前か!
インパクト! から巨災の隙間に挟まってるサー・ジャックがこけしみたいで、もうなんかズルいんですけど!
DXの側がモリテとの決闘でガリガリと精神削られていくばかりなだけに、サー・ジャックの大活躍はなんかメンタル回復しますわー。今回のMVPは間違いなくサー・ジャックだったんじゃないだろうか。

そのDXの方はというと、ダンジョンの最奥で眠っていた建国記のニンジャ・モリテに圧倒されるばかり。ここまで格上に一方的にDXがやられるのって、竜胆の兄ちゃんの竜葵とやった時以来になるんじゃないだろうか。
今回に関しては長期間に渡って物資も底をつく中で限界の瀬戸際を行き来しながらダンジョン内を彷徨っていた、というコンディションの最悪さもあいまっているんだろうけれど。本来なら既に戦うなんて出来る状態なじゃかったですからね。
しかし、そんな最低条件の中からでも格上のモリテに対して徐々に「合わせて」いくDX。この主人公、本当に死ににくいよなあ。単純に強いんじゃなくて、しぶとくクレバーに生存条件を掴み取っていく。根底にあるのがやはり母親から受け継いだ傭兵としての在り方だ。そこに今回はニンジャとしてのスタイル、そして騎士としての精神が三位一体となり、今まで以上にDXのそれの完成度を底上げしていっているようにも見える。
しかし今回の戦いでは、DXにとって初めてなんじゃないか、というくらいの揺らぎが起こるんですよね。どんな相手でも自分を失わず、生きるために目的のために揺らぐことのなかったDXが、モリテが語った建国記にこの国からニンジャが耐えた理由を聞かされた際に、それがかつて幼い頃に自分が六甲に対して行った行為と同じだと気づいて、いまだかつて無いほど動揺するのである。
そうかー、良かれと思って六甲のニンジャ化をやめさせたDX。しかしそれは同情や哀れみから、相手の誇りや存在意義を奪い去る、DXがもっとも嫌う自由を奪われること、自由を奪うこと、そのものだったかもしれないのか。そりゃあDXが青ざめるのも無理ないわ。色々と緩いDXにとって絶対に許せない一線こそがそこにあるのだもの。それを自分がやっていた、それも尤も親しい弟である六甲に対して、となるとねえ。
ただ、建国王アトレがニンジャを「作る」ことを辞めさせたのって、それがニンジャが滅びる根本原因になったとしても、それ果たして間違っているのだろうか。ニンジャの在り方、作り方ってのはあまりにもアレですもんね。それは有用ではあるけれど、必要としていいものなんだろうか。
少なくとも、六甲に関しては六甲と海老庵老師はDXの願いを受け入れ、六甲は健やかに成長している。それを老師は希望と呼んでくれている。これまでも六甲の在り方については、ニンジャという道具に徹しようとする彼に対して、DXやイオンが兄弟として接し、彼の自由意志を喚起するふれあいを続けてきたのをこれまでもずっと最初から描き続けていましたけど。その最初の第一歩で六甲の自由を奪っていたかというと。彼のニンジャとしての幸せを奪っていたかというと。
その結論を代弁してくれるのが、周囲の友人たちというのはやっぱり胸が熱くなりますよね。六甲当人やイオンではなく、彼らを見ていたアカデミーの親友たちがそれを言って、支えになってくれるのか。盾になってくれるのか。
こっからのティ・ティー、ニンジャが滅び代わりにこの国の柱として誕生した「騎士」というカテゴリーの者として、その道を叫びながら皆の前に立つ、その姿が本当に格好良かった。
このときのティ・ティこそ騎士の中の騎士だよ。
勝てなくても、ティ・ティは負け方を知ってる、というセリフはイイよなあ。大人たちの彼への信頼が垣間見える。
そしてDXもまた、勝てなくても剣の引き方引かせ方をよく知ってるんだ。なんだかんだと妥協を引き出すのうまいよね、突拍子もないことを炸裂させながら、何だかんだ納得させる。それでいて貧乏くじ引かないのよ。このへんの強かさはやっぱり傭兵感覚なのかねえ。
何はともあれ、なんとか最大のピンチは凌いだか。あとはようやく、今度こそダンジョンからの脱出、となるんだろうか。ダンジョン編もかなり長くなってるからなあ。