【ゲーム世界転生〈ダン活〉01〜ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を〈はじめから〉プレイする〜】 ニシキギ・カエデ/朱里 TOブックスノベル

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プレイ可能職が前代未聞の1021職、そのエンディング数・400以上! やり込むほど新たな強さとアイテムを手にできる伝説の神ゲー〈ダン活〉。とあるゲーマー(PN:ゼフィルス)が転生したのは、その主人公だった——。喜び狂いつつ、メインステージとなる迷宮学園へ入学。早速、王道の最強職【勇者】を覚職するも——ネタジョブの【筋肉戦士】が優良職扱い!? 上級ダンジョンも未攻略! ? どうやらこの世界......全く攻略されていない! つまり! この世界(ダン活)を【はじめから】楽しみ尽くせる! 「教えてやるよ、これが本当の最強職(ジョブ)だ! 」 仲間を集め、弱気な幼馴染を【錬金術師】へ、わがまま王女を【聖女】に! 強ジョブ・お宝超ゲット! さあ、はじめようぜ、ダンジョン攻略ファンタジー! 書き下ろし番外編5本&コミカライズ第1話試し読みも収録!

いやあ、ゲームの世界に転生してみたら、異世界はゲームそのものみたいな世界でした、という設定の作品は今どき珍しくないですけれど。ここまで徹底して、ゲームの法則・ルール・設定を維持したまま現実に移行している世界、というとなかなか珍しいんじゃないでしょうか。
現実の世界になっているからこそのゲームの時との差異、みたいなものも殆ど見受けられませんし。
もちろん、まったく全部一緒、というわけじゃありませんけれど、元々のゲームが決して自由度無制限みたいなものじゃなかったので、本当にゲームそのものと変わらなかった場合、利用できるお店や施設なんかも極めて限定されますし、ゲームで使えたキャラクター以外は全部思考言動が制限されたNPCになっちゃいますからね。そういったあたりは、現実世界になっていることで普通に存在するものになっていますけれど、ゲームの際に使われていたシステムが現実になったことで不具合を起こしていたり、システムの隙間を縫うような裏技的なものは見受けられず、職業やレベルアップの法則なんかの基本ルールはビタイチ変わってないんですよねえ。
或いは、そういった裏技的なものを主人公はまったく探すことをしていない、というのもあるかもしれませんけれど。
彼の武器はゲームの際に蓄えた知識です。それこそ舐めるようにして調べ尽くしたゲーム知識を、実践することを楽しんでいるのですからね。現実になった世界との差異とか難しいことに悩んでいる暇はないって感じです。
最初から無敵のキャラになって、無双していく、というのはそれはそれで楽しいのでしょうけれど、RPG系統のゲームで何が楽しいって、一から育てていくのが面白いってのがあります。最強ビルドを組んで、それを育てていく楽しみ。彼が勤しんでいるのはそれですな。
破竹の勢いで、学園の新入生としては破格の成長を見せている彼ですけれど、その強さはあくまで新入生としては破格、であってまだ最強とは程遠いわけですしね。最初から無敵無双してるわけじゃありません。まあ、時間の問題のような気もしますけれど。
ただこの世界、ほんとにゲームそのものなんで、筋トレとか走り込みとかで体力つけるのまったく意味ないみたいなんですよね。あくまでレベルアップしてジョブ覚醒させて装備充実させれば強くなれる。体鍛えても技を磨いても、まったく強くなれない、という意味ではプレイヤースキル的なものは反映されない世界観なんでしょうなあ。
……筋肉戦士、そんな先のないネタキャラ扱いせんでも。彼らは何より筋肉を鍛えてムキムキになっているのに。いやそりゃ、見せ筋だけ鍛えているビルダーは実戦強くないよ、的な勘違いしている方向に努力している系統だと思えば、まあ仕方ないのかなあ、と思わないでもないですけれど。
わりと無駄な努力は本当に無駄でしか無い世界なんだなあ。
そういう意味では、主人公の持っているゲーム知識というのはまさにブレイクスルー的なもので、世界が陥っている停滞を吹き飛ばしてしまうものなんでしょうけれど。彼の攻略知識って結局彼自身が見つけたものではない事も確かなんですよね。いや、それだけの知識を蓄えたのはすごいことなんでしょうけれど、それらの知識は元々ゲームで検証勢が地道にゼロから調べ上げてきたものでもあり、借り物と言っちゃあ借り物なんだよなあ。この異世界で、彼自身が検証勢としてこの世界ならではの新たな発見をしようと這いずり回るようなことは、今の所していませんし。
まあ本当に彼はゲーマーとして心の底からゲーム感覚でこの世界を楽しみ尽くしているので、人間楽しく生きられることは良いことですし、それを惜しみなく仲間たちにも振り分けて、楽しさを広げているわけですからまあ何よりです。