【変人のサラダボウル 4】  平坂読/カントク ガガガ文庫

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ジャンル分け不能のおもしろ群像劇第4弾!

瞬く間に人気を博しメジャーデビューを決めた救世グラスホッパーだったが、メンバー皆神望愛の逮捕によりこれまた一瞬で転落してしまう。弁護士の愛崎ブレンダはそんな望愛の弁護を引き受けることになり、惣助や閨たち探偵にも協力を依頼するーー。ジャンル分け不能のおもしろ群像劇、今度はいきなりリーガルミステリーに!? 一方、再び居場所を失ってしまった元女騎士のリヴィアは新たな寄生先と巡り逢い、中学生になったサラは友奈と一緒に楽しく学校生活を送るのだった。岐阜の街は今日も混沌と平常運転です。

此度も混沌を極めておりますな、これ。これ!!
インサイダー取引の容疑でメジャーデビュー直前に逮捕されてしまった望愛、という衝撃的なラストだった第三巻。
……衝撃的ですよね? あの人ならやると思ってました、とか驚かずに真顔になったりしましたけれど衝撃的展開でしたよね?
夢叶う直前で断崖絶壁から蹴落とされたみたいな形になってしまったバンドメンバーの明日美も可愛そうですけれど、作詞してくれた作家先生もけっこうトバッチリじゃなかろうか。
取り調べを受けて、逆に刑事たちを落として捜査情報全部引っこ抜いてくる望愛さんがめっさ怖いんですけれど。この娘、本気でやるとここまで簡単に人の心を掌握できるのか。歴戦の刑事すら手球にとってその心のうちにスルリと滑り込んでしまうって、相当ですよ。
逆に言うとその望愛をメロメロにしてしまったリヴィアさんがガチで救世主という説も出てくるのですが。このあとまたヤバメの女の人を引っ掛けて、その救世主説補強してるんだよなあ、リヴィア。
それはそれとして、この生まれながらの教祖・望愛が明日美とは普通にバチバチ張り合って喧嘩していた、というのはこれ、明日美相手には宗教家としての手練手管一切使ってなかったということになるんですかね。望愛にとっても、明日美は対等な相手だったんだろうか。友達とは本人言いたくないかもしれないですけど。

友達、と言えばサラさん、ちゃんと同年代の友達出来たじゃないですかー。転入からわずか3ヶ月で伝説を残した小学校の卒業から、中学へと入学したサラ。そこでも案の定、普通に過ごしているとどんどんと臣下が増えていってしまったサラですけれど、ちゃんと対等の友達も出来るんですよね。
てか、その娘沼田涼子と友達になるシーンが短いんですけれど、凄くイイんですわ。サラと涼子のイイところが全部詰まっている感じで。サラの相手って並の相手だと務まらないと思うんだけど、涼子の阿らない性格とひねくれながらも真っ直ぐな情の厚さがサラのカリスマとか貫いて、サラをただの年相応の女の子にするんですよね。
これは友奈も似た感じですよね。
彼女の場合はサラ不在の段階ですでに学内で独特の地位を築いていたわけですけれど、中学に入学して速攻で再び伝説を築きつつあるサラを、平気で頭ペシペシひっぱたいて引っ張り回すという余人には不可能な偉業を日常的にやってしまったことで、さらにとんでもない立ち位置になりつつあって、正直笑う。友奈、サラと出会う前は気は強いほうだけれどいじめに苦しみ鬱々としていた普通の女の子のはずだったのに、またエラい変化というか進化を遂げてしまいましたなあw
一方でサラと共に自分を助けてくれた探偵の惣助に憧れ、探偵の先生として教えを請いつつ、同時に男性として意識しだしてちょいちょい女の子らしい雰囲気出しているの、ほんと可愛いと思いますよ。将来、この調子なら並み居る強烈な大人の女性陣に引けを取らないパワフルな存在感を持つ女性に成長しそうですし、ブレンダあたりにも負けてない負けてない。年齢的にも若いのはアドバンテージですし! 見た目だけロリでも意味ないから!
ぶっちゃけ、惣助はサラの戸籍上の父親にはなったけれど、年齢的には中学生の子供持つ年齢とまでは行ってないんですよね。だいぶ年の差はあるけれど、友奈もワンチャンあるかも。
というか、わりと優良株だと思うんですよね。時間は確実に彼女の味方ですし。何よりブレンダも春花も恋愛下手くそそうだもんなあ。
ブレンダさん、アプローチの仕方かなり間違ってません? 裁判でかっこよい所見せたからと言って、好感は持たれてもそれが好意に繋がるとはなかなか思えないんですけれど。それに、裁判のやり方かなりダーティーですしw いや、内実さえバレなければ地道に決定的な証拠を思わぬ所から見つけ出してきて、無実を勝ち取ってみせた実にクレバーなやり手弁護士、に見えなくもないけど。
このブレンダさんが、まさかベッドインまで持ち込めるとはちょっと思えないので、ラストのあれは事故だろうなあ。それとも事件か?

リヴィアさんの方は周囲いつも事件ですね。かなり事件化しないまま確保されずに逃げ切ってしまっている気もしますけど。リヴィアさん、貴方のことですよ。
いやこの人なんでこんなにもスムーズに社会のダークサイド、アンダーグラウンドにひょいひょい踏み込んでくるんだろう。もはやそこが私の故郷です、と言わんばかりに無意識無自覚にするりとヤバい所に入り浸ってるんですよねえ。そもそも、こいつパチカスやしなあw
ガチもんのパチカスやないですか。てか全国ツアーの最中も暇見つけてはパチンコいってたんか、こいつ。そして、望愛の裁判中に大人しく待機しておいてください、と渡された100万円を速攻でパチンコで溶かすパチカスの鑑みたいな女。どの口で、望愛に罪をちゃんと償ってください、と言えたもんなんだろう。いや、そのセリフ自体は非常に全うで常識的でいやその通りってなもんなんだけど、その前に貴方も叩くとけっこう埃が立っちゃうんじゃないでしょうかリヴィアさんw
そしてまたぞろ、女の人引っ掛けてヒモになってるし。なぜ、そう易易とヒモになれるんだろう。しかも女の人の。そして望愛に負けず劣らずのヤバい背景持ちの女性ですし。それもいろんな意味で、あらゆる意味で危なく危うい。でも、この人の闇に沈んでいた心を、リヴィアは確かにそこにいるだけで救っている、というのがなんとも妙味を感じるわけで。望愛の時もそうでしたけれど、リヴィアは絶望……というか諦観や停滞に作用する何かを持ってるんだろうか。







バンドがポシャってやることなくなって、案の定パチカスと化していたリヴィアさんがその再度の無職生活の果てにまたぞろ女の人を引っ掛けてヒモになってる