【二周目勇者のやり直しライフ 2 ~処刑された勇者(姉)ですが、今度は賢者の弟がいるので余裕です~】  田尾 典丈/にゅむ 電撃の新文芸

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ロモロは突如攫われた――
はずだったが、ロモロは誘拐実行犯の女盗賊・リベラータを巧みに説得し、鍛えた魔法も駆使して危なげなく盗賊一味を打破。
一緒に攫われた子供たちも無事救出し、ひと段落した先の村で、運命の出会いを果たす。
「あの……もしかして、レジェド・テアロミーナ・デ・スパーダルド様でしょうか?」
「まあ、私を知っているのですか?」
もちろん、ロモロはすでに姉から聞いている。二周目勇者である姉・モニカの歩む歴史においては、最重要人物のひとりと言っても過言じゃない。
モニカは後に大貴族・スパーダルド家の養子となり、テアロミーナと姉妹となるのだから……!
かくして、二周目の状況はさらに整った!?
世界を救う、勇者(姉)と賢者(弟)のやり直しライフ、第2弾!

テロミアーナ様ヤバいぞ。この人、ショタだ。ショタコンじゃんw
いやあ、姉モニカと弟ロモロのコンビが色んな意味で良すぎて、双方のヒロインとなる子は割って入るの大変そうだなあ、とは思ってたんですよね。モニカのお相手らしき人は今の所影も形もありませんけれど、ロモロには1巻でデメトリアという中々おませさんな娘がお相手候補的な感じで登場していたのですけれど、今回また大物なヒロインが現れたなあ。……でも、年の差10歳差はなかなかキツくないか? ロモロくん、まだ8歳だぞ。テアさま18歳ですよね。
自分より弱い男には嫁がん! なんて言ってた人が、8歳の子供に一目惚れしてニャンニャン蕩けちゃってるってなかなかヤバげな感じなのですが。ただのショタコンじゃん!
現代ならまだしも、18歳で既に行き遅れなんて言われ始めている社会ですからね。ロモロが年相応になる頃まで独身なのは流石に厳しいんじゃないだろうか。これ男女逆なら犯罪だぞ。いや、イケメンと美人なら許されるのか?

さて、姉モニカが死に戻った勇者だという事を知ってしまった、というかモニカの方から特に何も考えずに戻った途端に大暴露されてしまい、こりゃあかんとばかりによりあやふやなモニカの記憶を叩いて起こしつつ、良き未来を手繰り寄せるため奮闘する事になったロモロ。
幸い、いくつかの悲劇を回避することが出来たのだけれど、その影響か既にモニカが経験した一周目の歴史とは大きく物事が変化してしまって、元々あんまりちゃんと覚えてくれていないモニカの頼りにならない記憶がさらに頼りなくなってしまうというピンチ。
ただ、どうもこの一周目との違いはこれまでのロモロとモニカの行動からくるバタフライエフェクトというには、予定外の事が多すぎる。というか、ロモロたちが正史と違う行動を取り出す前から既に前回起こっていない事が起き出してるんですね。
もしかして過去に戻ったのはモニカだけじゃなく、別の誰かが違う歴史を誕生させるために動いてるんじゃないか、という予測を立てるロモロ、まじで賢い。なかなかその発想は生まれんですよ。自分が死に戻ったんじゃなくて、客観的に見れる立場だからだったかもしれないけれど。
冒頭から子供たちを誘拐してまわる人さらいにロモロが遭ってしまうのですけれど、確かにこの段階でロモロ名指しで誘拐以来が出されるって、おかしいですもんね。

しかしこれ、モニカが一周目で殺されたときの回想が正しいとするならば、モニカって単純に魔族の黒騎士に殺されたんじゃなくて、黒騎士の手によって過去に戻されたという可能性も出てくるのか。
魔族側も声も出さず喋りもしない意思疎通のできない人類抹殺機構みたいな存在ではなく、独自の言語を主にテレパシーでやりとりしているだけで、普通に知性ある知的生命体だというのもわかってきたし、何なら講和派と徹底抗戦派に別れて派閥争いをしていたり、魔族たちが住む土地がマナが乱れて生命が安全に暮らせる土地ではなく、彼らが人間の領域に踏み込んできているのは侵略ではなく脱出できる土地を確保しようとしている、なんて事情まで魔族側との接触でわかってくるんですね。
って向こうの事情までわかるって大幅な進展なんじゃないだろうか。ただし、これはあくまでロモロ個人のコネクションの成立によるものなので、人類側の上層部にこれを伝えることは今のところ何の伝手も権力もないので不可能だし、今の所神童と評判だけれど何の影響力もない農民の息子だからなあ。
ゆえにこそ、テア様たちと接触して、首都の学校に進学してという話になってくるのか。一周目だと勇者認定されたモニカだけが連れて行かれて、貴族相手に慣れなくて孤立気味になってしまうわけだけれど、ロモロが一緒となるとそりゃあ違ってきますよね。

しかし、そのロモロ。魔族側と接触したきっかけ、というか向こうからコネクトしてきたのですけれど、これかなり謎が大きいんですよね。どうも、一周目でモニカを殺すことになった宿敵の黒騎士って、明らかにロモロを想起させる動向をしてましたし、それにロモロに接触してきた魔族の少年もロモロと呼ばれているの、かなりおかしい。おかしいどころか、しばらく中身入れ替わるなんて事態が起こっているわけで、無関係であるはずがない。どういう繋がりがあるんだろう。
どうもロモロの存在自体が世界そのものと関わる重要な鍵になっている節も出てきましたし、これは単純に魔族側との戦争に勝つという結末を目指す話じゃなくなってきましたね。この姉妹が平和をもたらす、という作品冒頭でのあらすじみたいな話もこれ、単に魔族を討伐するという展開の末の事じゃないのかも。人類側魔族側をひっくるめて、裏で暗躍している勢力、なのか個体なのかわからないですけれど、なんか居るみたいですし、ロモロは知らずにその対抗機構に組み込まれているんだろうか、これ。
ただこれ、ロモロだけでもなんか複雑に入り組みすぎていてどん詰まりになりそうな気配もあるので、モニカの何も考えないあっけらかんとした突進力、突破力こそが色々と煮詰まったときに諸々ぶっ飛ばしてくれる陽性の力になりそうで、やっぱり頼もしいお姉ちゃんである。

……しかしロモロくん、わりとテアさまには憧れみたいなものを抱いてるんだろうか。微妙にこう、まだ小学生低学年くらいの男の子が見せる、年上のお姉さんに対する初恋みたいな可愛らしい反応がちらほらと垣間見えるんですよね。うん、外面は優しくて庶民のモニカやロモロにも丁寧に穏やかに気遣いながら接してくれるお姉さんですもんね。だが待って欲しい。その人の中身は戦闘狂のバーサーカーで、その挙げ句にショタコンである。言わばプレデター。
デメトリアちゃん、幼馴染がヤバいのに食われそうだぞw