【凶乱令嬢ニア・リストン 2 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録】  南野海風/磁石 HJ文庫

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入学直後のお嬢様が闇闘技場で大暴れ!!!!

未来の世界で病弱令嬢に転生した戦いたがりの元大英雄・ニア。
6歳となったニアはアルトワール学院に入学し、そこで魔法映像の仕事仲間兼友人として第三王女ヒルデと貴族令嬢レリア、二人の少女と意気投合。ニアは撮影と勉学とで忙しい学院生活を送ることに。
そんな時、闇闘技場の噂を耳にしたニアは、観戦するだけだからと嬉々として乗り込む算段を立て始めて――

「高みを見せてあげるわ。武人にはそれが何よりの報酬でしょ?」

天使のような凶乱令嬢の最強無双譚、大人しくは出来ない第2弾!!

さすがに街のチンピラたちをバッタバッタと指先一つでダウンさーとばかりに倒して回る雑魚狩りは楽しめても、子供同士の武闘大会で大暴れするほどに欲求不満は溜めていなかったか。
でもこれ、裏社会の暗黒武闘会に乗り込んで暴れてやるぜー、と決め込んでいたから我慢できただけで、もし本当に暴れる機会一切ないままストレス溜め込んでたら、子供の大会でも大人気なく出てプチプチ倒すくらいはしてたかもしれないぞ。ニアって、雑魚相手でもわりと楽しく暴れられるタイプだというのは前巻で発覚していますし。
ぶっちゃけ、子供が相手だろうと大人が相手だろうとニアからするとあんまり差はありませんしねえ。

というわけで、ニアも6歳になり王立学院に通うことになる。って、この世界凄いな。身分関係なく6歳から12歳は絶対に学院に通わないといけないのか。農民も商人も関係なくだから、何気に教育予算物凄く掛けてるって事ですよね。それはそれで素晴らしいとは思うんだけれど、子供を6歳になったら問答無用で親元から引き離してしまうというのは中々えげつない施政である。小学生くらいの子供を親元から離してしまうって、情操教育的にかなりえらい事だと思うんだけれど。貴族階級ともなると、そもそもそこまで親と関わらないのかもしれないけれど、ニアは普通に親と一緒の生活してたと思ったけど。いや、そうでもなかったか?
ただ、ニアのみならずここに出てくる子供達は年齢にそぐわない精神年齢の高さの持ち主ばかりなので、そんなに支障ないのかもしれない。王国におけるテレビジョンコンテンツのアイドル三人娘とでも言うべき、レリアレッド嬢やヒルデトーラ王女なんか、武人バカなニアよりもよっぽどしっかりしている所ありましたし。
特にレリアレッド嬢ことレリアは、やたらとニアに対抗心燃やして自分もマジックビジョン業界に進出するまでしてライバル視してきていましたしね。てっきりネチネチと絡んでくる面倒くさい子になるのかと思ったら、これで思いの外常識人な子だったのでニアや色々と魔法映像業界をもり立てようと前向きを通り越して前のめりなヒルデ王女に振り回されて、ツッコミ役とリミッター役として頑張ってくれる事になりましたし。前巻までの様子だと一番横暴に振る舞って引っ掻き回してきそうな子だったのに、自然と苦労人ポディションに収まっちゃってるじゃないですか。可哀想に。
まあニアたちみたいに無茶振りと自分が無茶無理無謀を平然とぶちまけるタイプだと周りが苦労背負う羽目になりますからね、そういう意味ではレリアは周囲の人達に優しいアイドルなんじゃないでしょうか。口調とか態度とか強きで偉そうではあるんですが。
ニアなんか、ニア推しすぎてちょっと変態入ってしまっている侍女のリノキスまであんなに振り回して。あの断固としてニアの要求を突っぱねるあたり、従者の鑑だと思いましたよ。主人のワガママに押し切られてしまう甘い人たちが多い中で、これだけ心酔していながら……変態入ってるくらい傾倒していながらダメなものはダメときっぱりとはねのけられるの、偉いと思いますよ。
それだけに、これだけ断固とした拒絶を振り切って自分の欲望を優先してしまったニアに対して、リノキスが裏切られたと傷つくの、ほんと可哀想だったです。普通、こういうヤバめの変態に同情は湧かないのですが、裏切られたと傷つきながらも自ら裏武闘会に参戦する事でニアの傍に付き従おうというその忠誠心。いや、マジでニアは反省スべきだと思うぞ。
心からリノキスに対して謝りながら後悔しながら、でも同じ事があったら躊躇なく自分の格闘欲を満たすために同じようにするだろうな、このニアさま。こいつ反省してない!
今回は裏社会の用心棒たちや魔剣使いといった連中と戦えてそれなりに満足していたみたいだけれど、果たしてこれだけ格下の連中としかやりあえていなくて、とても全力を発揮できていない現状はやっぱりストレス溜まってるんだろうか。
今のところ、敵を探すよりもリノキスや学園の教師であるガンダルフ、そしてニールお兄様といった人たちをニア手ずから育てることによって強化しているけれど、そのうち自分と戦えるように仕立てるようになりそうだなあ。
魔法映像業界の方は、ニアやレリアたちとの女子会で得た発想でヒルデ王女が企画した学院武闘大会が大当たり。今まで個別に大人しい旅行記とか職業紹介とかしか番組としてなかったのが、子供達が主役とはいえ、国中の子供達が集まっているわけだから自分のうちの子たちが出てるかもしれない大会ってことで、なかなか子供達に会えない親がこぞって視聴した、というのもあるんだろうけれど。
それだけではなく、日本のテレビ黎明期で力道山のプロレスとか大相撲中継とか、東京オリンピックがその普及に大いに役立ったように、こういう大会の番組というのはやっぱり人気コンテンツになるんだろうなあ。そういう意味では結構王道路線の進捗をしているのかもしれない、魔法映像業界。
これをきっかけに、武闘とか関係なくマジックビジョンに出てみたいという人たちも沢山増えてきたみたいだし、業界発展モノとしてもなかなか面白いんじゃなかろうか。