【魔術師クノンは見えている 4】  南野 海風/Laruha カドカワBOOKS

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校舎が一晩で森林化!? 事件の渦中には当然、まだ一年生の天才魔術師が!

狂炎王子との魔術戦がついに実現! 教師や特級クラスの面々、果ては世界一の魔女までもが見守る死闘の行方は……?

さらに、クノンは休むことなく次なる研究テーマ――「魔術を入れる箱」の開発に取り組む。その前代未聞の魔道具開発は、派閥のリーダーを含む特級の生徒五人が、半年がかりで取り組む一大プロジェクトに!

しかしなぜか、校舎が一晩で森林化する異常事態が発生し、大騒ぎに……?

魔術学校一年目の集大成、魔術の深淵を垣間見る第四弾!!

楽しい。

クノンくんも学校生活楽しそうです。魔術魔術魔術と魔術研究に没頭できて、もうそれだけに時間を注ぎきれていて、魔術にだけ集中できる環境って天国ですよね。
そういう意味ではこのまま学校に残って教師ルート、というのが一番彼にとって幸せなのかもしれませんけれど、ナンパに見えてあれでミリカ王女には一途ですからね。彼女のもとに帰ってくるのは間違いないのでしょうけれど、宮廷魔術師ですらゼオンリー師匠ほど自由というか傍若無人な人ですら色々と行動に制約がついちゃっているのを見ると大変そうなんだよなあ。
だから、ミリカが王宮を大脱出して将来クノンの領地となる場所を先に開拓して迎え入れる準備をしているの、ある程度クノンが自由で居られる場所を作るという意味でもミリカって結構ストライクな行動とってるんだなあ、と考えさせられます。
さて、クノンとの婚約邪魔されそうな中で孤軍奮闘しているミリカ姫とは裏腹に、魔術学校の毎日を堪能しきっているクノンくん。まさにこの巻は魔術学校日常編、という感じのドタバタ劇でありました。
面白いことに、別にクノンくんが主犯というか原因となって騒動が巻き起こる、というパターンばかりじゃないんですよね。わりとクノンくんが巻き込まれるパターンも珍しくないという。
相変わらずクノンくんは、あの侍女のせいで一般常識というか一般良識を消し飛ばされていて突拍子もない事をしでかすことしょっちゅうなのですけれど……魔術師ってわりとその傾向が多い人種なんですよね。特に魔術が絡むと常識とか見失って見境なくなる。魔術だけに意識が集中してそれ以外が蔑ろになり、いい加減になってしまう。魔術的に面白ければまあ良し、みたいな。
なので、クノンくんキャラ的にアレなんで魔術学校でも目立つ存在なのですけれど、あまりに異質すぎて目立つ、というわけでもないんですよね。あまりに変人過ぎて目立つ、というわけでは尚更無いんですよね。だって、彼レベルの変人って魔術学校では珍しくないのだもの。というか、変人の度合いでは濃淡はありますけれど、変人という意味では魔術学校に通うのが魔術師である以上ほぼ全員変人だからな!
なので、クノンくんレベルのハチャメチャな人は何気にけっこう生徒教師関わらず在籍していますし、特級クラスに関してはほぼ全員クノンくんと似たりよったりの変人だ。最近じゃあ2級クラスまで、クノンが飛び入り参加したお陰で感化された影響で変人化、もとい魔術師らしさが増していますし。入学時にはそれほど変人でなかった人も、特級クラスなんぞに放り込まれて単位獲得のために奔走して没頭して夢中になって我を忘れていたら自然と……魔術師に純化されていきますからねえ。
まあクノンくんの特徴は、そうした変人の中でも他人への影響力、浸透力、感染力が非常に大きい、という所が特徴的なのでしょう。発想の独特さは武器ではありますけれど、隔絶しているというほどではないですからね。皆がその発想の面白さに群がってきて一緒にワッショイワッショイできるくらいには、魔術師たちってみんなイカレてますし。
強さに関しても、実は今の段階ではそこまで凄くない、というのは狂炎王子との決闘遊びでも明らかになりましたし。いや、小技だけであそこまで殺傷力持たせているだけで十分強いは強いのでしょうけれど。
そんなクオンくんの影響を一番に受けてしまったのは、やはり聖女レイエスなんでしょうねえ。まあこの魔術学校に在籍していたら遅かれ早かれ感化されてしまった気がしますが、そもそもクノンくんにあれこれと手伝って貰わなかったら特級クラスに残れなくて、感化されるに至るまで魔術学校に在籍できていたか怪しい所だった、というのを考えるとやっぱりクノンくんのせいではあるのでしょう。
にしても、ここまで立派な「魔術師(変人)」になってしまうとはw
うん、確かに元々の人形呼ばわりされていた感情が欠落し意志薄弱で言われるがままやる事をやっていた頃と比べたら、人間味が増したという以上に人間らしくなったのでしょうけれど。
真人間ではなくて、明らかにその逆方向に進んでいるのは保護者である教皇様たち教会関係者からすると複雑だよなあ、これ。でも、こんなにレイエス、普通に愛情注がれて育ってたのは意外でした。
ともあれ、今回の騒動のきっかけになったのはレイエス。でも、レイエスがやらかしたというより、これ魔術学校の環境が偶然やらかすきっかけになった、というべきで。まさに場が変人の巣窟にふさわしいアレっぷりなんですよねえ。
というわけで、いつもいつもクノンくんが騒動の原因じゃないんだよ。いや、魔術学校に入ってから起こる騒動、それほどクノンくんが原因発端のケース多くないと思うんだけど。多い? 多いかな?
みんな多かれ少なかれクノンくんと同類ばかりなので、そこまでクノンくん悪目立ちしていないんだよなあ、というお話でした。特に校舎崩壊編なんてシロトさんの電撃ビリビリ調教が大暴れで、クノンくん周囲の人と同じようにほぼほぼ痺れてばっかりでしたしね。単位取得のために教師のお手伝いしてり、みんなで集まって同じ研究テーマで共同開発したり、とクノンくんがなんか一人でやるよりも、誰かと一緒に実験したり商売したり研究したり開発したり、としている事が多いから、そんなに突出しないんですよね。なにかやらかす時は、その時一緒にやっている人達といっしょにやらかしますし。
つまり、魔術学校編ってどこを見てもクノンくんと同類しかいない、色んな意味で騒がしさ満載の章なんだよなあww ほんとなんだそれ、面白すぎる環境だw