【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 11.救世の英雄と魔の支配〈下〉】  大崎アイル/Tam-U オーバーラップ文庫

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千年前で、無事に伝説の勇者パーティーの面々を仲間にできた高月マコト。安心も束の間、各地を支配する魔王集結の報せが届く。百万の魔王軍に囲まれ絶体絶命のなか、運命の女神から明かされたのは――かつて最弱の烙印を押された水魔法にまつわる真実。その内容は、劣勢を覆すための手掛かりとなるが……!?
そして、ついに訪れる大魔王との決戦の時。これまでに講じた様々な戦法を駆使しながら立ち向かうマコトに、大魔王から与えられた一つの選択肢――それは。
「僕の手を取って、一緒に世界を支配しよう」
最弱の少年がマイナー女神と最強へ至る異世界攻略ファンタジー、怒涛の第11弾。


マコトくん、千年前の過去に戻っても魔王との戦いよりもノア様が封印されている海底神殿の方に興味津々じゃないですかー。君、なにしに千年前に遡ったのか忘れてはいないだろうけれど、特に最優先事項だとは思ってないんじゃなかろうなw
現代では厳しかったけど千年前ならワンチャンあるかも、と同じノア様の使徒である魔王カインを引き連れて、引きずって海底神殿に威力偵察に行くマコトがわりあい酷いw カインくんがなんかひどい目に遭ってるw カインもようやく、こいつ絶対やばいやつだ、と理解した模様。同じノア様の使徒として、こいつには敵わん、というなんか上下関係意識しちゃってないだろうか、これ。可哀想に。
まあカインはカインで思慮が足らんというか視野狭窄というか、短慮な所があるからこそ魔王なんかになっちゃったんだろうなあ。騙されてる、カインくん大魔王に騙されてるよ。大魔王と巫女ネヴィアの二人、これカインの事絶対良いように言いくるめてたんだろうなあ。
そもそも、カインってなんでノアの使徒になったのか、そのあたりの彼の個人的な事情みたいなものは詳しく描かれなかったのは気になる所だなあ。カイン、現代では登場しないんだろうか。

カイン以上に自由奔放なマコトに振り回されているのが、千年前に連れてきてくれてそのままこの時代でサポートし続けてくれている運命の女神イラ様。別に千年前に限らず現代でも殆どマコト専属みたいな形でつきっきりでサポートしてくれてたよなあ、この女神。生真面目で不器用な委員長気質というかなんというか。もうイラ様の使徒でいいんじゃないか、とも思うんだけれど、使徒と言えるほどイラさまにちゃんと従ってないからなあ、マコトは。ただ、当人にちゃんと告げているように、イラ様のこと女神の中では特に信頼しているのは間違いないんですよね。水の女神の腹黒さとか、太陽の女神の面倒臭さを鑑みると、イラさまはポンコツだけどひたすら誠実だからねえ。ポンコツだけど。わりとダメな所も多いけど。信頼はしてるけど信用はしてないよな。してる? 
ちなみに千年前の運命の女神の巫女エステル様は、千年後のエステル様とは別人なんだろうか。同じエステル様みたいだけど。
イラ様の導きのもとで色々と歴史を変えてきたはずなのだけれど、自然収束なのか時間の修正力なのか、はからずも伝説通りの展開になっていく勇者の旅路。これ、やっぱりマコトが勇者役で、本来勇者であるはずのアンナさんが聖女役という形になってるんですよねえ。
集結した魔王軍100万の撃滅戦。そして、現代ではその正体を見ることが出来なかった大魔王イブリースと、その巫女であるネヴィアとの対面。果たして、真実はともかく表の歴史は伝説のとおりに収束していく。
いや、ついに大魔王イブリースの正体を突き止めることが出来たのは非常に大きいと思うし、これは実際とんでもない強敵、ラスボスに相応しい格の相手だというのはわかったんだけれど……なんだか、それも含めて全部ノアさまの掌の上なんじゃないか、という気配がチラホラと散見されるんですよねえ。
運命の女神でさえ見通せない先を、すべてノア様は見通していた、どころじゃない、全部仕組んでいたんじゃないのか、というような……ここに来て、ノア様マジで邪神なんじゃないか、という不安感にも似た空恐ろしさがじわじわと湧いてきたんですが。
マコトはそんなん一切気にしていないようですけれど。メンタルスキルの明鏡止水があるとはいえ、ほんとマコトのメンタルの強さって化け物だよなあ。
それにしても、大魔王から世界の半分をあげるから我に従え、ってご提案。ネタじゃなくてガチで提案してきたやつを見たのはドラクエ以外では初めてかもしれない。さすがスキル「RPGプレイヤー」というべきか。
そう言えば、マコトの持つこのスキルによって発生する選択肢って、なんか因果律からひっくり返してるっぽい描写が出てきたよなあ。もしかしてこの選択肢が出ることで本来ゼロである可能性を覆している、なんて事もあるんじゃなかろうか。
いやでも、大魔王でも手も足も出ない海底神殿って、いったいどうなってるんだ? あそこだけ、ステージが現世からぶっ飛んでるんですよね。魔王軍や大魔王との戦いという舞台ですら、ノア様の封印された海底神殿と比べると圧倒的に位階が落ちるんじゃないか、という疑惑が。
そんな深淵の奥底から、世界の果てから、時間すらも世界すらも超えてマコトを見守っているノア様。ほんとここに来て今更ながら底知れなさが湧き出てきたなあ。

さて、大魔王による時間逆行で光の勇者の誕生元である太陽の国の創設者でありかつて大魔王を退けた勇者アベルの暗殺計画は、マコトが千年前に逆行してこれを防ぎ、大魔王とその参謀であるネヴィアの企みを退けて、再び未来への対決に繋げた事でマコトの主目的は達成されたわけですけれど。
それはすなわち、マコトが千年後に戻るということ。うん、まあコールドスリープだろうな、とは思ってた。しかしそれは、千年前に出来たアンナさんたち仲間たちを過去に置き去りにしていく、ということ。特にアンナさんは勇者として覚醒させるために、主に教唆犯はイラ様だけどマコトが大いに誑かす形になっちゃいましたからねえ。責任取れよ。
いや、マジで責任取ったの? 取ったの? あとで、アンナは形だけの結婚をしたと述べてましたけれど、形だけだったの? ほんとに形だけ?
だって、コールドスリープするまでに結構時間あったみたいですし。実際問題太陽の国を建国したアンナさん。国を残すには血も残さないといけないわけで、千年後に太陽の国の王族として桜井くんの恋人になってるノエル王女、というアンナさんに瓜二つの子孫がいる以上、アンナさん子供残してるって事ですよね。誰の子だよ!?
いやでもね、これマコトが責任取ってないとわりとアンナさん悲恋で終わっちゃうんですよねえ。可哀想じゃない?
モモも千年間もずっとマコトの到来と目覚めを待ち続けたという意味でほんとかわいそうで、頑張ったなあと褒めてあげたい所ではあるんですけれど、でも待ち人来たるだからなあ、モモの方は。
それでも、マコトと大賢者初対面の時は大賢者さまの内面ってもうグチャグチャだったんだねえ。あの時マコト視点という事もあって大賢者様の本心とかとても伺いしれなかったんですけれど、激情の嵐だったんだろうなあ。
これっていわゆるBSS。僕が先に好きだったのに、に該当するんだろうかw そりゃ先に好きではあったんだろうけれど。千年も前から好きでした、って間違いなく事実ですもんねえw

ともあれ、謎めいた大魔王の真実を掴み、その企みである暗殺計画を阻止して現代に復活した高月マコト。果たして、大魔王イヴリースとの決戦はもう間近で物語も佳境に差し掛かってる、と見て間違いないんだろうか。
なんか、どんどんノア様がラスボスになりそうな予感が漂ってきてるんだけれど、その場合主人公のマコトがしれっとノア様側に立って真ラスボスになりかねないのがなんか怖いw