【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 6】  樋辻臥命/ えいひ GCノベルズ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
13歳となり、魔法院の入学試験を受けることになったアークス。
入試を難なく突破し、学生生活が順調に始まる――かと思いきや、「無能」として子爵家を廃嫡された彼が名家の子弟を抑えて首席となったことで、周囲からの注目を良くも悪くも集めてしまうことに。

そんなある日、院長の孫である上級生クローディア・サイファイスに目をつけられた
アークスは、彼女からの“ある提案”を受け取ることになるのだが……?


アークスくん、ちょっと成長して大人っぽくなったのはいいですけれど、変な方向に大人っぽくなってないんですか!?
具体的には髪が抜群に伸びて、見た目完全に男装の麗人なんですけど!?

なんか本人も女っぽく見えてしまうのは気にしているみたいなんだけれど、そんなロングの長髪してたらそういうふうに見られても仕方ないですよ。まあ周囲の人達が一致団結して髪切るのダメ、と止めているのもわかるけど。まあ特に丸刈りなんぞは絶対止めるよね。

さて、アークスが開発し正確な魔力量を計測できるために、魔法の発動に劇的な改善を見込めるようになり国家規模で魔法戦力の向上に貢献することになった魔力計。その発表が公式に行われることになったものの、その開発者については魔力計の効果が周知浸透されたあとに発表された方が「効果は抜群だ」になるからともう少し伏せられることに。
それでも、知る人は知る、という感じで知らされている国定魔導師は元より機密のために知られてはいけない近隣のエラい人達にも何だかんだとバレてるのはこれイイんだろうか、と思っちゃうよね。
逆に未だに知らされずにアークスを無能と目の敵にしている父親がちょっと可哀想になってくるのですが。これ魔力計関係なしにアークスの事もう本当は無能じゃないと理解しながらも、感情的に認められないって感じで意地になっちゃってる感じなんですよね。本来とても優秀な人物ですし、家を追い出された形になっている兄の【溶鉄】クレイブ・アーベントと仲が良いように元々は決して偏見が強い人物ではないはずなんだがなあ。
ただもう、アークスの方も両親の事は毛嫌いしていますし、今更もう和解というのはないのでしょうけれど。

しかし、魔力計という革新的な魔導具の開発(他にも色々)に加えて、先の戦役では王太子セイランの側役として大いに武勲をあげて国王陛下から直接勲章を与えられるほどのキャリアを積み上げながら、今から魔法院という学校に通うのかあ。
いやまあ、アークスまだ13歳なので学校に通うのは不思議ではないし、この国けっこうちゃんと制度として、いや魔法を学ぶ社会システムが充実してるんですよね。庶民にも大きく間口をひろげて魔法を学ぶ機会は与えられているみたいだし。在学中に魔導師の認定試験なども受けられるようになっていて、モグリの無認定魔導師と国に認められた正式な魔導師との格差がきっちり別れていますしね。アークスの従者であるカズィも、庶民ながら魔法院で首席を取って本人トントン拍子で落ちぶれましたけれど、在学中にけっこう顔広く親しくしていた先輩後輩同級生は多いみたいで今も国のエラいさんとなってる人も見受けられるんですよねえ。
アークスも改めて学ぶことも多くて、今更学校通っても意味ないよね、という事はないっぽいんですよねえ。今更学ぶことでもない事やそれもう時代遅れだろうという項目もあるっちゃあるのですが。
何より、今まで年上で国内でもトップクラスの上澄み中の上澄みの魔導師とばかり付き合いが多くて、何気に同世代の知り合いは殆どいなかったですからねえ。ほんと、婚約者のシャーロットとスウシーア、そして妹のリーシャぐらいだったんじゃなかろうか。
なので、同世代の子たちと親しくなるというのは学校の機能として一番真っ当な目的として、
今のアークスには必要な事だったんじゃないでしょうかね。実際、勇傑の再来と呼ばれるケインや、学院長の娘であるクローディアとも誼を通じ。そして突出した側の人間じゃない、一般人側でありながら気のおけない友人になっていくルシエルみたいな子とも友達になって、今更ながらアークスの年相応の姿を見られたような気がします。交友関係が広がるのはいいことですよねえ。

また、彼が廃嫡された理由である魔力量の少なさ。これまでアークスはその少なさを諸共しない魔法の開発・運用によってハンデを感じさせない実践力を手に入れてきたのですけれど、それでも魔力が少ないというのは大きなデメリットである、というのを今更ですけれどこの学院での生活で実感できたのは、今後を考えると良かったのじゃないでしょうか。
戦場での実戦だと、アークスの初見殺しや殺傷力の高すぎる独自の魔法で敵を圧倒できましたけど、学院で同級生相手にそんな魔法使えませんもんね。必然、生徒同士で試合するとなると多大な工夫を必要としながら正面からのぶつかり合いとなり、どうしたって魔力の少なさによるハンデを痛感することになる。魔力が潤沢にある、幾らでも無尽蔵に魔力を使えるというのは大いなる武器であり、アークスにはないものだ。というのを、改めて実感できた事は今後のアークスの成長のためにもね、大きな資材になった気がします。殺し合いや戦場での戦いだと、魔力の残量気にする前にだいたい決着ついちゃってましたしね。
スウとシャーロット、そしてリーシャが一同に介することで、何だかんだと学園ラブコメみたいな側面も出てきてますし、思わぬ形でクローディアも参戦しかかってますしねえ。
一方で、今子供世代の中で一番名望を集めつつあるケインにも、秘めたる苦悩があるみたいで、彼ってライバル候補っぽいんだけれどそれ以上に親友キャラにもなりそうで、彼とのエピソードはどう転ぶかちょっと楽しみなんですよね。