【毒の王 1 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる】  レオナールD/をん HJ文庫

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毒の力で世界と美姫を掌握する最強ハーレム無双譚!

生まれた時から全身を毒に侵された呪い子の少年カイム。
忌み嫌われた彼は実の父や妹からも迫害されて育ったが、やがて呪いの原因が自身に封じられた厄災【毒の女王】であると知る。命がけで毒の女王と相対したカイムはその凶悪な能力を継承し、多種多様の毒を操る最強の存在【毒の王】へと覚醒!!
父譲りの武の才能も開花させると家族に引導を渡し、故郷を捨て自由に生きることを決めるが――その旅の道中で助けた訳ありな美少女&美女を毒の持つ催淫効果で発情させてしまい……!?

これなー、元々誰が悪いってわけじゃなかったのに致命的に事態を悪化させてしまったのは、親父殿なんですよねえ。
性根が腐ってるとかクズとかゲスとかではないんですけれど、うーん、言うなれば「情けない」。
魔王を倒すほどの武人でありながら、敵と戦う勇気はあっても家族を見舞った悲劇に対して全くちゃんと向き合うことができなかった。心が弱く、罪悪感を背負うこともできず、何の責もないどころか負債の一切を押し付けた我が子に対して八つ当たりし、いじめる始末。心の弱さからくるものとしても、あまりにも人として情けない。
そりゃあさ、愛する奥さんを結果的に殺してしまった子供に対して、思うように接せられない父親というのは、そうなっても仕方ない部分はあると思いますよ。ちゃんと向き合えない、面と向かって話せない、顔を合わせられない、遠ざけてしまう、無視してしまう。子供の側からすればヒドい話でしかないのだけれど、それでも同情の余地はあると思う。
でも、この父親は無視するどころか積極的にイビって虐待して尊厳を踏みにじって、存在自体否定して、と自分の愛する妻が命がけで産んで、命がけで育てようとした子供に対してそういう態度って、奥さんを裏切ってるようなもんですよね。
そもそも、我が子がそういう体質を持って生まれてきたのは、自分達夫婦が決断して選択して行ったことなのに、この待遇ですよ。さすがにちょっと軽蔑を抑えられなかった。
双子の妹が兄に対してヒドい態度取ってたのも、これに関しては親があんな態度とってたら真似してそれを当たり前と思ってしまうのも無理からぬ所があると思う。周囲の人間は総じて、主人公である少年をゴミのように扱っていた、という環境で生まれ育ったら、ねえ。
まあ、人を虐げるという事自体に疑問も持たず恥も感じず、という時点であれっちゃアレなのですが、まだ父親に比べれば同情の余地があるかもしれない、比べれば、ですけど。

さても、これだけ抑圧されて生きていた主人公である。相当性根が歪んでしまっていても不思議ではないのですが、まあ実際多少なりとも人間不信な所は芽生えてしまってますよね。
その上、自分の中で眠っていた魔王「毒の女王」と共振して融合してしまったことで、精神面でも変容が出てしまっている。おまけに身体まで13才のそれから青年のものに成長してしまった。
ただこれだけ自分自身に変化が生まれ、抑圧から開放されたにも関わらず、この子カイムは根っこの所での善良さは失われてないんですよね。
情を持たずなるべく冷徹に、自分に得にならない事は避けるように振る舞おうとしながら、女性が盗賊に攫われたのを虫の息の人に助けてくれと頼まれたら、無視して通り過ぎることができずに、仕方無しにも助けに行ってしまったように。
はいはい、と他人の都合にいいように振り回されるほどお人好しではないけれど、それでも困っている人には手を差し伸べるように、善良の側の人間であることは間違いないんですなあ。
恨み骨髄の父親に対しても、ある意味ぶん殴るで済ましているとも言えますし。妹に対しては、直接危害を加えもしてませんもんね。あれだけ理不尽に対しての怒りや憎しみを抱きながら、理性的な振る舞いですらあるんじゃないでしょうか。そういう意味でも、本来はかなり善良寄りの人間だったんだろうなあ、と思うんですよね。
そもそも、彼の一番の願いは本物の家族を作ること。自分に惜しみない愛を注いで亡くなった母に焦がれているように、温かい家族や家庭に憧れを抱いているように、本質的に人のぬくもり、人の愛情を求める人間である以上、決して自分本位や我欲に振り回されるタイプの人間じゃないんですなあ。
まあ身体デカくなって強くなって、なんとなく態度もデカくなっていますけれど、増長はしてませんし、根本的に素朴なんですよね。おまけに、身体の成長ほどには精神面成長していないので、所々で13才のまだ子供な幼い心根が垣間見えるんですよね。初心というか純朴というか。身体こそでかいものの、まだまだ子供なんだよなあ、カイムくん。
そういう意味では、男女の仲よか性欲についてもまだ本格的に思春期迎える前だったので、全然慣れてないんですよ。慣れてない所に、発情した女性陣が関わってしまったがために、これどちらかというとカイムの方が食われた、といってもおかしくないんじゃないだろうかw
いや、このヒロイン陣、正直に申しますと子供の教育に悪いと思うんですが。ミリーシアお嬢と剣士レンカに関しては、不可抗力でカイムの毒を受けてしまって発情してしまったので、ほんと不可抗力、不可抗力なんですが……子供の教育には悪いよね、という本性が。特にレンカの方!
って、まだこの二人はマシ、マシなんですよ。一番やばいのは赤ん坊の頃から母付きのメイドとしてカイムの世話をしてきた獣人メイドのティーなんですよね。
母を喪ってから唯一の家族であった彼女だけれど……一番やばいのこいつですから。おま、おまえ、赤ん坊の頃から男としてカイムの事狙ってたって、完全にアウトですがな。一番子供の教育に悪いんですけどw だいたいティーさん、あなたカイムが本当ならまだ13歳って誰よりも知ってるくせに、一切躊躇もためらいもなく食いに行きましたからね。
ずっと領地にある村に押し込められていたカイムは、世慣れしていない世間知らずと言ってもよい境遇なわけで……薄々自分が早くも人生の墓場に脚をツッコミかけていることを察して薄ら寒い思いをしてるあたり、聡明ではあるんだろうけれど手遅れなんだろうなあ。13歳にして手遅れなんだろうなあ。人生、閉塞から脱して解放されていざ自由だ、という新たな人生のスタートを切ったはずなのですけれど、速攻でなんか逃れられないものにとっ捕まった感出しているあたり、ご愁傷さまですw