【この△ラブコメは幸せになる義務がある。4】  榛名千紘 /てつぶた 電撃文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
もしも「幸せ」に形があるなら──これがきっと、この三人の幸せの形。

「ありがとう、矢代。私の恋を……今日までずっと、応援してくれて」
再びピアノに向き合うことを決めた凛華のために、懸命に奔走する天馬。

「ありがとう、麗良。私の恋を……今日までずっと、応援してくれて」
最愛の親友である凛華のために、どこまでも天馬と共に尽力する麗良。

「私は……」
二人の想いを受けた凛華は、勇気と最大限の愛情とともに、あの日に失敗した『告白』を告げて──。
もしも幸せに形があるなら、その形はきっと──最も幸せなトライアングルラブコメは最高の結末へ!





凜華にとっては自分の中に生まれた願いが叶うかどうかの答え合わせ。
麗良にとっては自分の中に生まれた夢が実現するかもしれないという期待を膨らませ。
天馬にとっては、追いかけて追いかけて、見送るつもりだったそれに思わず手を伸ばし。
彼女達が振り返って、天馬の手を掴んでくれた。
彼女達にとっては、最後まで天馬は自分達の手を離さずに握っていてくれた、と思っていたかもしれないけれど。
この巻は、三人のそれぞれの心のなかにぼんやりと浮かんだ未来図が、果たして現実のものになるのかをそれぞれ手探りに追い求める巻だったように思う。
3巻までは、それぞれまだ自分の想いや芽生えてきた願いを直視出来ずに迷走を続けていた段階だったと思う。でもこの4巻では言葉にせずとも三人の気持ちはどこかで同じ方向を向いていて、はじめて三人がすれ違わず、三人が一緒ならどこまで行けるのか。どこまで成せるのか。どこまで前を向いて進んでいけるのか。
それを試そうというような、凜華の星藍プロムナードコンサートの参加だったように思う。
実際に、三人で共に支え合うってどんな感じなのか。概ね、天馬がせっせと凜華のお世話をしていて、麗良がちょっと強引なくらいに凜華の支援をして……って、だいたい凜華がお世話される側だよね。ついついいつもいつも凜華の事を考えて、あれこれと頭を悩ませてしまう二人。自由気ままに暴走するようで、なにかあったら二人のもとに忙しなく戻ってきてだだ甘えていく凜華。
自然に三人のあるべき形が固まっていく、完成していく。それは想像以上に、期待以上にしっくりくるもので、とてもバランスが取れていて、二人きりでは不安定になってしまうくらい、お互いがお互いを支え合う関係になっていて。
凜華も麗良も、それぞれきっとどんどんと確信を深めていっただろう。期待を膨らませていっただろう。これは、いけるんじゃないのか? 間違いないんじゃないだろうか。こんな大好きが、片方でも削り落とされてはたして、自分達は幸せになれるのだろうか、と。
実証はされた。実感も得た。淡い理想は、決して離してはならない掴むべき現実となった。それでも、それを口にするのは勇気がいっただろうけれど、最初にそれを求めて、それを実現するために前に踏み出したのが一番本心をあからさまにすることを苦手とする血族の当代である凜華だった、というのはなんとも感慨深いじゃないですか。そして象徴的でもあると思う。
なにげに、この三人の要って凜華だったと思うんですよね。天馬も、麗良もどこかで自分達を引っ張るのはいつも凜華だという思いがあったように思う。
にしても、凜華と麗良の二人から自分達の形の理想形を告げられて、ようやく最後に口を開くのが天馬らしいし、その上で二人への告白がこの男……めっちゃ語るんですよね。どれだけ溜め込んでたんだ、ってくらいに二人への思いの形を、その形がなされていく過程を、感情の動きを、二人のどこが好きでどこに惹かれて、その上でどうなりたいかを、もう思いの丈を全部詳らかに語るんだ、この男。
……いやー、ここまで告白で語り尽くす男はなかなかいないと思う。めっちゃ語るやん! 自己分析もしまくったんだろうなあ、という自己の内面の告白もしてるし。……めっちゃ語るやん!!
思わず聞き入ってしまったが、めっちゃ語るなあこいつ、と思わずほわほわとあてられながら思ってしまいましたがな。

それが三人が一番幸せになれると確信して実感して選んだ選択なら、それは祝福スべき結論なのでしょう。周りがごちゃごちゃ言う問題じゃないし、認めてくれるなら祝ってくれるなら、それはそれで嬉しい、でいいじゃないですか。三人一緒が三人にとっての幸せなら、良かったね、ってもんだ。

まあでも、でもですよ? 天馬くん。さすがに、堂々と嫁二人いる家庭環境で将来の仕事が教師志望はちょい職場環境的にハードル高くないですか!? 
大学入学と同時に三人で同棲って、こやつめ。やるべきことはヤってるみたいですしねえw
なってしまえばある意味、伝説の教師になれそうな気がしますけど、そもそもなれるのか!?