【転生王女と天才令嬢の魔法革命 7】  鴉 ぴえろ/きさらぎ ゆり 富士見ファンタジア文庫

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魔法革命のために――都市、建設しちゃいます!

アニスとユフィの魔法革命のためには、さらなる魔学の発展が必要だ。そのためアニスが新しい都市を建設することに!? ユフィのバックアップも万全です! アニメも大人気の王宮百合ファンタジーは新しいステージへ


魔学都市計画って、アニス発案じゃなかったのか!
それどころか魔法省の発案構想で、アニスは全然関与もしていなかったというのは意外も意外。
研究所とか学校じゃなくて、都市ですよ、都市。何もない土地を開拓して、街という言葉の印象からくるスケールを遥かに上回る「都市」というものを新たに造りだしてしまおうなんて、これ相当巨大なプロジェクトですものね。
こういうスケールのでかい話には、やっぱりそれに見合うカリスマとバイタリティを持つ牽引者が必要じゃないですか。それに見合うのは、魔学の先駆者であり何より主人公のアニスですよねえ、と無邪気に何も考えずに思い込んでいたのですが。

アニスさま、あなた王宮内にこじんまりとした研究室作るくらいのつもりだったのか。
いやー、考えてみるとさあ、アニスって魔学という全く新しい分野の学問を実用レベルにするまでに構築した、まさに先駆者、パイオニア、開拓者であるにも関わらず、その新しい知識を広め周知させる件については殆どなんにも出来てなかったんですよねえ。
少なくとも、ユフィというパートナーが現れるまでは個人で変なことしている、というレベルの周知しかされていなかったですし、ユフィがうまいことプレゼンしておまけに個人で使う便利な道具程度のものだったものを、アニス以外の人でも使える一般に普及させられるものにまでコンセプトを構築し直したのもユフィでしたし。
アニスって、徹底してワンオペ研究者型なんだよなあ。少なくともマネジメント力とかプロデュース力に関しては重要性などは認識しているかもしれないけれど、殆どセンスなさそう。
いや、マジで王様向いてなかったんだって、アニスさま。そもそも、他人と……個人個人で協力してという小規模ならともかく、大規模な人数を取りまとめて大きな研究プロジェクトを立ち上げて、とかそういうのも無理だったんじゃないかな。
ともすれば、全般的になにかすることに積極的ではなく受け身なんですよね、アニス。個人でチマチマと無茶やったり好き勝手とんでもない発明とかはどんどんやるくせに、周りを巻き込んでどんどんと大事にしてでっかいことを成し遂げる、というタイプのガンガンバリバリやってやる的なバイタリティについてはほんと全然無いんじゃないだろうか。
特に王様を継がなくちゃいけない、云々の話になった頃から無理に頑張ろうとはしていたものの、メンタル的には疲弊して、最初期のユフィをかっ攫ってきてやりたい放題みたいな活発さ、無鉄砲さ、積極性みたいなのはだいぶ大人しくなってしまった感がある。
ユフィが王様継いでくれることになって大団円になって以降も、どこか受け身な姿勢になっていたところは、あんまり変わってなかったんじゃないだろうか。プライベートでもユフィに完全に食われてますしw
そう考えると、このアニスがバーーンと国の行く末を動かすような魔学都市構想、魔学都市計画! なんてものを立ち上げて、よしやるぞーー!! みたいな気勢を上げるなんてのは有り得難い話だったのか。
とはいえ、魔学をプラットフォームにした都市構想なんて、具体的な内容はそれこそ魔学のパイオニアであり現状唯一に等しい専門家であるアニス以外に具体化なんて出来ないわけで、王族という立場もありますし、そりゃガッツリ責任者になってもらわんと困りますわなあ。
しかしまあ、相変わらず煮えきらないアニスさま。実際、上記したようにその手の仕事に適性ないんだろうなあ、というのは本人もわかってるだろうし、不安感もあるでしょう。自分への低評価もあるでしょう。何気に箱入り娘なので、実家である王宮出て見知らぬ土地で働くことへのビビリもあったみたいで。
新しいスケールのデカい計画を自分の手で育てて完成させちゃる、魔学の未来をつくりあげる! みたいなワクワク感をたぎらせてる余地が全然なさそうで、やっぱりアニスさまってわりとヘタレだよねえ、と改めて思ったり。
だが、責任感だけはやたらとあるし、そろそろユフィのパートナーとしてしっかりとした仕事も成し遂げないといけないし、という向きもありましたからな。責任者を引き受けて、部下となる騎士団の面々とともにおっかなびっくり都市建造、まあその前段階の開拓ですけれど、これを始めることに。
自分に何が出来るのか、について悩んでいるのは、助手で騎士見習いのガークくんやナヴルくんも同じわけで。というか、なんだかんだと実績をタワーにして積み上げているアニスと違って、まだ何者でもなく何も成し遂げられていないガークくんたちとでは、悩んでいるステージがまた違うと言えば違うのである。それでもナヴルくんは一本芯通して自分のやるべきことを見定めているだけに、未熟を悔やんでもブレはしないのですけれど、ガークくんなんかはまだまだアニス並みに迷ってらっしゃって。主従でうだうだやってるなあ、とw
今回に関しては、この若者二人の方がちょっと主人公っぽかったですね。
それでも、慣れないもの同士協力しあい、支え合い、責任者向いてないとジタバタしながらも大人で経験豊富なおじさん副団長などに指導してもらいながら、組織のトップとしての経験を積んでいくアニスさま。一旦物事が軌道に乗りはじめれば、基本は開拓も都市の開発もモノづくりの延長線上。ましてや魔学の発展のための基盤づくりとなれば、アニスも前のめりになっていくわけで。
放置プレイかまされたユフィがマーキングしにくるくらいには、アニスも没頭していた模様で。
アニスさん、基本単身赴任はしてる方が休日家に戻って家族サービスしてあげるものですよ。女王様にこさせてどうするんですか。ほんと、貴女そういうところですからね、アニス様。だからユフィに頭上がんないんですよっ。

しかし、しれっとアルくんの爵位あげてさらに馬車馬のように働かせようとしてるな、ユフィさん。徹底的に使い倒すつもりだぞ、この人たちw