【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 17】  手島史詞/COMTA HJ文庫

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シャックス&黒花が二人きりで任務遂行中!

聖剣を破壊し、そこに封印された天使を解放するべく調査を開始したザガン。さらには暗躍するマルコシアス一派や、魔族の出現など様々な難題を抱える中、ザガンは新たな一手を打つ。
それは、現存する最古の<魔王>フォルネウスとの交渉。
その交渉役としてシャックス&黒花が派遣されるが――

「ボス。今回の任務は、ちょいと難儀が過ぎるぜ……」

当然一癖も二癖もある〈魔王〉に新米カップルは頭を抱えることに!? 大人気ファンタジーラブコメ第17巻!

あらすじでは新米カップル呼ばわりされてるシャックスと黒花だけれど、作中のカップリングの中では一番進んでるんだよなあ。初々しいカップルが多い中で、この二人は間違いなく熱愛カップルですからねえ。
むしろ、今回の二人での任務は新婚旅行含みみたいなところあったみたいだし。
だいたいさー、恋人になるかならないかでモダモダしてたり、恋人になってもお互い恋愛慣れしていなくて際限なくイチャイチャはしていても進展ペースがやたらスローだったりするカップルが多い中で、一度シャックスに恋を自覚して以降は自分を偽らずにイケイケドンドンで攻めに攻めていた黒花は作中の女性陣の中でも屈指の攻め恋女子だったわけですよ。
黒花のことをあくまで庇護対象。それはそれは大事にしながらも親代わりのラーファエルに詰められてる事もあったけれど、妹扱いで異性として認識してくれないシャックスに対してそりゃもう押して押して攻めて攻めて、ようやく寄り切った過程を見ても、そのアグレッシブさは目を見張るものがありました。
黒花って活発どころか元々盲目の剣士という事もあり、どこか控えめで物静かなタイプの少女だっただけに、そういう子がグイグイ来るってなかなかそそられるものがあったものです。
でもシャックスはシャックスで女の子にグイグイ来られてワタワタと動揺するようなタイプでもなく、年上の大人の男性らしい包容力でしっかりと受け止めるやつだから、一気に進展したんですよね。
滅多に自分からグイグイくることもなく、黒花のアプローチを抱きとめて対応する受けタイプではあるものの、シャックスってネフテロスの恋人になったリチャードと双璧をなす作中男性陣の恋愛強者だと思うんですよね。あと、キメリエスもあれ真価を発揮したらやべえタイプだと思うけれど、彼は今のところ眠れる獅子に徹してるからなあ。
ともかく、カップルのお相手である女性に一杯一杯になってる男子が多い中で、シャックスは既に黒花の親代わりのラーファエルにも筋を通し、さらには今回黒花の実家筋にあたるリュカオーン王家にも挨拶に行ってるし、なんならちゃんと結婚するつもりであることも黒花に伝えてますし。
そりゃもう、新婚旅行同然となってても当然ですよ。シャックス、見た目草臥れたおっさんという感じだと思ってたら、魔王を継承して黒花の婚約者としても身なりをしっかりするようになったら、これ思いの外見てくれも良くなって……いや、けっこうイケメンじゃないですか? それも正統派というか、わりと主人公になりそうなタイプのイケメン。やっぱりそっち方面でもリチャードと双璧だよなあ。これで、今となっては黒花への独占欲みたいなものも出てきて、大人のどちらかというと受け身だった男がこの女は俺のもんだ、誰にも渡さねえ、と獣性を垣間見せてきたら、黒花ちゃんこれあかんわ、思いっきりノックアウトだわ。自分でも、攻めの方に重点を置きすぎて実は防御力皆無で受けに回るとめっちゃ弱い、と評してましたしねえ。

なんなら、今世間で大いに話題沸騰になっている禁断の魔術師と聖騎士のカップル、バルバトスとシャステルよりも進んでる、魔術師と教会関係者のカップルだもんなあ。まあ、こっちは黒花がリュカオーンの王家の関係者だったのに教会暗部の人間になってたことが発覚して、教会とリュカオーンの外交問題になってしまっているようで、そうそう表沙汰に出来ない状況だったみたいだけど。

と、前巻のあのバルバトスとシャステルの関係が全世界に生中継されてしまい、長年不倶戴天とされてきた魔術師と聖騎士の関係に一石を投じた……どころか、禁断のカップルとして世界的にも肯定的なブームとなってしまったアレ。関係者各位の思惑を超えて、なんか凄い話題になってしまっているようで、一般常識となっていた魔術師と聖騎士の対立が価値観ごと物凄い勢いで塗り替えられてしまっているようで。
愛で力が、愛で力が……世界標準になっていく! 特に若い女の子からキャーキャーと黄色い悲鳴があがるブームになってしまっているようで。
ゴメリお婆ちゃんの手腕が、凄まじすぎるw
ウェパルがこれを命じたザガンへの戦慄と恐怖を隠さず称賛したら、ザガンが命令したのは俺だけどやったのはゴメリだから。俺もやつが恐ろしい。と戦慄と恐怖を隠さずマジトーンで返してたシーンは爆笑してしまった。
あとで、現状の黒幕と言っていいマルコシアスまで、ガチで困り果ててたじゃないですか。思惑あって、魔術師と教会の対立を普遍的な常識になるまで進めていたようなのだけれど、今回の一件でこれがお釈迦になり……あらゆる事態を想定済みという感じで不敵に暗躍していたマルコが、これに関してはガチで、どうしよう、どうしたらいい? と途方に暮れた感じで仲間に縋っていたの、いや本気で困ってるじゃん! ゴメリお婆ちゃんが一番深刻に相手にダメージ与えてるやん!w
これはもうなんか笑ってしまった。
かつては、あのシアカーンですらガチでえ、なにこの人怖い、と怯えさせたゴメリお婆ちゃん、実は……と前置きしなくても、作中最強なんじゃないだろうか。誰も勝てんだろう、この婆ちゃん。唯一勝てるだろうキメくんは基本、お婆ちゃん最優先であんまりストッパー役になってないもんなあw

ってか、シャステルって一応実家暮らしなのか! いつも職場の教会に詰めてて家に帰らないから登場する機会がなかった、というあとがきの話には思わず苦笑してしまいましたけれど、シャステル級のドジっ子の上に性格はポワポワってシャステルママ、無敵じゃね? なんか、バルバトスの介護対象が増えてるんですけど。

急増していく魔族の顕現とマルコシアス陣営の暗躍に対抗するために、色々と画策しているザガン。その一環として聖剣に封じられた天使の開放について模索してるわけだけれど、今回のシャックスが与えられたフォルネウスとの交渉はその一つだったわけですね。
そこにマルコシアス一派のグラシャラボラスが仕掛けてくるのは自明の理だったのかもしれません。今のマルコシアス陣営でわりと使いやすく武器として震えるのってグラシャラボラスだけなんですよねえ。
アスモデウスは、ヤバい性質を持っているとはいえ、今はフォルという友人が出来てしまって世界の敵になりかねないものが変質してしまってるし。どうもこの子、救済ルート入ったっぽいんだよなあ。ザガンはじめ、みんながこの子の行く末に気を配りはじめている。
……ってか、なんかラーファエルにフラグ立てていきませんでした、アスモデウス!? え!? 遠い昔に恋を置いてきてかつての愛を胸に生きている執事長に、新たな春の可能性が!?
てっきり、アスモデウスは因縁の弟子ヴェパルの方となんかあると思ってたんですけれど、これは予想外だった。

あとは、新米聖騎士長として抜擢された三人の若者のうちのひとり、ミーカくん。いや、完全にモブだと思ってたんですけれど、まさかのフルフルとの重要なカップル要員に!? フルフル、人形の身体でありながら確かに心を持ち生きている、という今後の展開的にも鍵となるキャラだけに、そのお相手って結構重要な立場だと思うんですよね。さらに、今ブームとなっている魔術師と教会の人間のカップルの中でも、聖騎士長という重要な立場の人間としてシャステルに続く二人目のカップル誕生ですからね。共生派の看板としてもシャステルに続く人材になりそうじゃないですかー。
メンタルはまだまだヘタレな出世欲もない野心もない、地元で平和に穏やかに取り敢えず安定した収入のもとに暮らしたいというタイプの若者だけれど……うん、フルフルちゃんに惚れられ掘れちゃったらこれもう望みは叶わんだろうなあ。いや、聖剣に選ばれた時点でそれに関しては終わっちゃってたんですが。

他にもリゼットが魔族シェムハザと巡り合ってたり、ネフィが世界を滅ぼすという予言、或いは忠告に悩んだ末にザガンに相談したらなんでかイチャイチャしてたり、アルシエラママが初心なくせに流石は元人妻という経験豊富そうなところを見せてくれたり。
いやマジでカップル多いな!! さすがに登場人物と相関図を作って欲しい頃合いになってきた気がします。特に銀眼関係者は過去の人間が現在に現れてるのもあって、錯綜してるからなあ。