【祓い屋令嬢ニコラの困りごと 2】  伊井野いと /きのこ姫 DREノベルス

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「また面倒事を持ってきたんですか」
恋に怪異にてんてこ舞い。祓い屋令嬢ファンタジー第2弾。

<あらすじ>
「初めて喋った気がしないと思ったら、お前かよー……」
アロイス殿下の婚約者再選定候補に選ばれたり、幼馴染のジークハルトにまとわりつく怪異事に悩まされたりと、相変わらず人、人外問わず面倒事に巻き込まれるニコラ。そんな日々を送る中、彼女と同じく前世から転生してきた弟弟子との再会で、さらなるトラブルの予感が……?

「……ジークハルト様は、どうして私に求婚したんですか」
「ニコラがいない未来を想像出来ないことに、気付いたんだ」

そんな中ニコラとジークハルトのじれったい関係に変化が
――恋に怪異に厄介事だらけ。ドタバタ続きで送る祓い屋令嬢ファンタジー第2弾。

ニコラのこれ、とっくに恋を通り越して愛になってるってことですよねえ。
ジークへの熱々の熱量はないから恋はしていないはず、でも何十年と人生を共にして一緒に生きる姿は容易に想像できるからプロポーズも受け入れたけれど、自分の側がこんなに冷めてたらジークに対して失礼だし、可哀想だし、もっとジークに本気で恋する令嬢の方が相手としてはいいんじゃないだろうか。
などという事を今更の今更で悩みながらグダグダ言い出すニコラ嬢。この女、恋愛経験値が低すぎて笑えてきた。ひとりでなんか無茶苦茶言い出してるぞ。
ここでグイグイと押して行かずに、逆にいつもみたいにベタベタせずに一歩引いてニコラが頭冷やすのを待ちに出るジークが、ニコラへの理解度が極まってて流石というべきかそこまでいくとやっぱり気持ち悪いぞ、と思うべきか。
何だかんだ言ってるけれど、最終的には絶対に逃さないし離さないという断固とした思いと、今は迷走しているけれど結局ニコラは自分から絶対に離れていかないという確信と信頼があるって感じなんですよねえ。
そもそも、アイロス王子に吐露したニコラの不安ってか悩みってか愚痴って、内容聞いてるとこいつなに言ってんだ!? って話なんですよねえ。アイロス王子もこいつ何いってんだ?という反応でしたし。
それもうジークのこと家族だと思ってて、人生を共にするパートナーだと考え……いや思考する以前にそれが当たり前になってて、それはもう愛しています、と言ってるようなものなのに、本当に何を言ってるんだ?

一応、国の事情で婚約者が決まっていない適齢期の侯爵家令嬢はアイロス王子の新しい婚約者候補になってしまうので、ジークとの婚約成立が止められちゃってる状態なわけですけれど、こっちに関してはアイロス王子がジークとニコラのためにNTRする気は全然ないわけで、ジークも自分の手元からニコラを奪われるようなヘタを打つはずもなく、いざとなったらこの男平気で駆け落ちするので、今更ニコラがビビってヘタレてもまあ逃げ場はどこにもないし、実のところジークが他の女と結婚しても一生この幼馴染の霊障その他もろもろの面倒見るつもりだったニコラが本気で逃げるわけもないんですよねえ。

とはいえ、アイロスも新しい婚約者を決めなくてはいけないわけで、ニコラ以外となると二人しか該当する令嬢はいなかったのですが、この時期まで婚約者がいないというのはそれだけ問題を抱えているわけで……。
いやいやいや、だからといってその問題が実は中身が男だったので、というのは予想外ですよ。ってか、こいつが弟弟子かよーー!? 
あらすじを読んだ限りでは、普通にニコラと同じく生まれ変わってきた弟弟子と再会するのかと思ってたのですが、まさか女になってるとは想像もしとらんかったわ!!
え、もうこれ妹弟子じゃないの?
だいたい、こいつシャルロッテってこの世界の元になった乙女ゲームの主人公にあたる人物じゃないの!?
少なくないTS主人公が精神面まで男から女になってしまうこの業界にあって、シャルはあくまで人格は男のままなのねー。いやー、ちょっとは女性側に引っ張られてみなさいよ。女の子楽しいよ? まあ恋愛方面除いてけっこうこやつ女として生きるの楽しんでそうだけど。

ともあれ、シャルは霊媒師としてはニコラとほぼ同等の腕前を今でも持っているようなので、戦力的には彼、彼女?が味方になってくれるというのは大分助かるんですよね。
相変わらず引き寄せ体質のジークは頻繁を通り越して日刊? というくらいに面倒な霊障に付きまとアレていて、ニコラもその対処に大忙しなのに最近はアイロス王子も霊感に目覚めてしまったせいか巻き込まれることが多いので、手が足りないんじゃないかと思う場面が増えてましたからね。
前巻から自分の分身と言っていい式神を作ったり、ドッペルくんに働いて貰ったりと四苦八苦してましたけれど、いやまじで大変そうだったからなあ。
おまけに、ただジークに夢中になった霊がちょっかい掛けてくるだけならともかく……いや、それでも鏡の中に引っ張り込まれたりとか放っておくとすぐに死んでしまいそうなのですが。霊障同士がジークの奪い合いで争いになってて、肌身離れぬ呪いのアメジストくんが激戦の末に勝ち抜いて、輝きがくすむくらいヘトヘトになりながらもウィナーになってたの、ちょっと笑ってしまいましたが。
ただの石ころなのに、あそこまで激闘を感じさせる疲れ果てた佇まいになるの凄いよねw

とまあ、これくらいまでなら可愛いのだけれど、前回の蠱毒に引き続き殺意増し増しの悪意たっぷりの呪物が明確にこっち狙って飛んでくるからなあ。
おまけに今回のは飛び切り中のトビッキリにヤバいあの呪物「コトリバコ」である。いや、なんでそんなこっちの世界でも特級中の特級呪物が異世界にあるんだよ!?
と思ったら、ちゃんと持ち込んだ犯人がおりました。おいおいおいおい、もっと迂遠に嫌がらせみたいに悪意の種を仕込んでくるのかと思ったら、想像を遥かにこえて直接的に殺意高いじゃないですか、あの野郎!? 嫌がらせレベルじゃないですよ。完全に殺しに来てるじゃないですか。いや、ニコラたちなら対処するだろうと面白がってのことかもしれませんけれど、それにしてもコトリバコはアカンて!?
これだけ凄まじく胸糞悪い悪意が繰り返されるとなると、ニコラとジークも落ち着いて二人の恋愛模様進められないじゃないですか。これはちょっとどこかで決着つけないと。一生つきまとわれるぜ。
そういう意味でも、弟弟子シャルの登場はありがたかったのですが。
いやー、そうかー。アイロス王子の婚約者問題はそういう形でまとめるのかー……いや、これ相当に綱渡りじゃね!? 仮にも時期王族なのでプライベートも少ないだろうに。まあ本人たちが本気でやってのけるつもりみたいなので、頑張り遊ばせ。

……しかし、まさか弟弟子もニコラの前世の女性が殺された直後に、同じあの人に殺されていたって。これ言及されてないけれど、いきなり我が子に等しい弟子たちを殺されて喪ってしまった師匠が可哀想すぎない!? 一人だけ残されちゃったんでしょ? 次巻続いた場合今度は師匠の転生者が来たりしないだろうな。時間経過的に幼女になって、とかw