【白魔女さんとの辺境ぐらし 2 ~最強の魔女はのんびり暮らしたい~】  門司柿家/syow カドカワBOOKS

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トーリ、剣と鍋を担いでちょっとだけ冒険者に復帰!?

最強と名高い“白の魔女”が一目置く存在としてなぜか評判が上がってしまったトーリ。

もう一度冒険者に引き抜こうとする誘いを固辞しながら、ユーフェミアや使い魔たちの世話をして穏やかに過ごしていた。ものづくりに長ける新たな使い魔セニノマを早速手懐けたり、石窯を作ってもらって窯焼き料理をレパートリーに加えたり――。

そんなある日、かつての仲間たちが行方不明になったとの一報が届き、トーリはちょっとだけ冒険者に復帰することに!?

あれ? セニノマさん使い魔でしたっけ? キッチン増築のために来てもらった魔界側の職人の人じゃなかったでしたっけ。家(魔界)からの通いで工事のお仕事で来るものだから、ユーフェミアがいない時でもゲート通って来れるようにと、使い魔扱いになったのか。
でもこれ普通に見たらリフォームのために毎日作業しに来てくれる工務店の人だよねw
そして、毎日出迎えて食事まで用意したりとセニノマさんの相手をしつつ、彼女が作業してるときは別の所で家事しているトーリは完全に主夫である。

いや、マジで1巻時よりもトーリの主夫感が強くなってるんですよね。1巻のときはまだユーフェの家、魔窟状態でまずそれを住める状態にしなきゃ、という家政婦っぽい立ち位置でしたし。
使い魔のシノやスバル、シシリアたちも家に居着くようになるまではしばらく掛かって……は、居ないか。わりとご飯に即落ちしてたか。
ともあれ、まだ1巻では終盤の方になるまではトーリも家に馴染み切っていなくて、住み込みの家政夫感があって、我が家マイホームという雰囲気までは行っていなかったのだけれど。
この2巻ではもうすっかりと家のことは手の内に入れて、我が家って感じに馴染んでたんですよねえ。
だから、リフォームに関してもみんなの意見を聞きながらも、具体的なプランについてはトーリが自分のキッチンの使い勝手なんかも加味しつつ、セニノマさんと相談していましたし。ユーフェはお金だけ出してトーリのやりやすいようにやって、とどーんと構えて丸投げ状態w

今回はいつもブラブラと遊んでいるように見えた使い魔連中も、あれで魔界ではそれぞれ各種族でも重い立場だったりするので決して暇ではないんですよ。だから、ユーフェに使われるだけじゃなくて各自魔界でそれぞれにお仕事にいかなくてはいけない事も度々で。またユーフェもギルドからの依頼で日帰り出来なくて遠出する事なんかもあり。
わりとみんな、仕事で家空けるんですよねえ。
そんな彼女らのために、せっせとお弁当作って送り出すトーリくんがだから完全に主夫!
みんなが居ない間にせっせと掃除洗濯と家の中のこと片付けたり、遠方から魔法で通信もできるので、今日は帰れるのか?夕食居るの? 遅くなるなら何か作り置きしとく? などと電話で帰りの予定とか聞いてから夕食の支度はじめるの。もう働き者の主夫感が素晴らしいくらいピチピチと発揮されてるんですよねえ。

トーリのために、ユーフェとシシリアがかなり難易度高いはずの転移陣を設置してしまい、街までの買い物にスバル(フェニックス)の上に乗って数時間遠出しないといけない、という大変さが解消されたお陰で、近所のスーパーに買物行くよ、とばかりに頻繁に消耗品や食料品を買いに街をうろつくトーリの姿が見かけられるようになりました。
……主夫だよなあ。
当人も日々の家事や食事の用意など、作業をこなすというのではなくて、楽しんで工夫を考えてり献立に頭ひねったり新しいレシピ研究しようとしたり、と充実の日々を送ってますからねえ。楽しそうです。
急遽、仕事に行かなくてはならなくなった、という連絡を横で聞いていて、急いでちゃっちゃとお弁当作って、これ仕事先で食べてね、とユーフェにわたすトーリのあの手際の良さ。
ユーフェがもう好き。結婚して。と言うのもここまで来るとよくわかってしまうよなあw

実際、ユーフェからは真剣に好意を向けられて、結婚しよ、と言ってるのも冗談ではないのだけれど、トーリの側はまだまだそんな彼女の無邪気すぎるくらい真っ直ぐな好意を受け止めかねている状態。嬉しいくせに。
嬉しいんだけど、まだ状況に心が追いついていないって感じなんですよねえ。
そのわりには、せっせとユーフェとその使い魔どもの面倒、お世話を甲斐甲斐しいくらいにやってるのですが。こうやってあれこれ予定考えながら準備や支度を手伝って、色々と下支えしてあげることそのものがこの青年、好きだったんだろうなあ。
旧パーティーのときはメンバーの面々も色々と追い詰められていて、気持ちに余裕がなかったこともあり、悪循環だったんですよね。トーリも空気読めなかった所もあるし、自分がこういう事好きだと気付ける余裕もなく無我夢中だったのが、余計に精神削っちゃってたんでしょうね。
今はいい意味で夢中になって楽しんでいるから、ユーフェの好意の方にまで心がおっついてない、という具体に見えるわけだ。

とはいえ、そろそろちゃんと受け止めて応えてあげないとなあ、というくらいの落ち着いた状況にはなってきてるんですよね。
街の方も、旧パーティーの面々も統合して誕生した白金級クランとはまた別に、他の地域の白金級トップクランが幾つもこの街を新しい拠点とすべく移転してきて、にわかにざわついていたようなのですが、白の魔女はこういうコトには我関せず、ですからね。
とはいえ、他所から来た連中は新しい拠点でも頂点を目指して意欲的に野心を滾らせて新天地に来たわけですから、名実ともにここのトップ張ってる白の魔女にちょっかい掛けてくるのかなあ、とは想像していたのですけれど……。
いや、実際トップクランにはギルドの優遇措置があるので、本格的にクラン同士の競争が激化しつつありましたし、場合によっては衝突もあるんじゃないか、というくらいにはギスギスし出していたんですが。

まさか、紆余曲折の結果、なんだかんだでクラン同士仲良くなるとは思わんかったw
まさに同じ釜の飯を食った仲間、になったんですよね、ラストの展開。とりあえず腹減って死にそうになってるだろうから飯食わせてやらんと、と戦いははなから他のメンツにまかせて、自分は鍋担いでえっちらおっちら救援隊に加わったトーリのあれはファインプレイでした。
でも、もう冒険に出て外で野営したり料理作ったりするよりも、我が家で家事してる方がしっくりくるし楽しいや、というトーリの感慨には色々と納得してしまった。もう、完全に家の人なんですよねえ、トーリ。

しかし、ほんとに仲良くなったな、クランの面々。別のクラン同士でありながら、暇だからと女性だけで気軽に集まって女子会してたぞ、この人たち。
そんな彼女らの談笑の中にユーフェが入って、もじもじしながらみんなパンケーキの作り方知ってる? と聞いてるシーンはなんかほっこりしてしまった。いやー、スザンナ以外はちゃんと面識無くてここで紹介されたくらいなのに、すぐに仲良くなってこういう事聞けるくらい、ユーフェミアも打ち解けられるようになってるんですなあ。
前までは白の魔女としてムキムキ巨人の老婆に変身して、でないと街まで降りてこなかったのに。
とはいえ、白の魔女としての正体をバラしたわけではなく、街で買い物デートしている時に勘違いされたのを利用して、自分は白の魔女の孫! という風に周知した結果なのですけれど。
ちゃっかり、孫で今はトーリの婚約者、と勝手に広めてしまうあたり、外堀まで埋め始めたぞこの魔女w
まあでも、魔女の孫として街の人に知れ渡ってしまったために、トーリと堂々とデートできるようになったわけですし、そうでなくてもスザンナたちクランの女子たちと一緒に買物して歩いたり、なんて事もしてるんですよね。白の魔女自身だとバレると何かと面倒でしょうし、これはこれで上手いことやったよなあ。
それ以上に、恋人や友達と街で遊べるようになったユーフェのウキウキとした様子がひたすら可愛いです。
ほんとトーリは、いい加減この可愛い子に応えてあげなさいよー。
あんまり悠長にしていると、女性陣全員ユーフェ応援団として敵に回りそうだぞ、これw