【放課後の迷宮冒険者(ダンジョンダイバー) 3 日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます】  樋辻臥命/かれい GCN文庫

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異世界ド・メルタを訪れたクドーくん。今日は何をしようかなーなんて街をぶらぶらしていると、突如現れた師匠・ベアトリーゼに(また)攫われて迷宮へ向かうことに。
しかしそこはガンダキア迷宮でも誰も知らないという新ルートであり、しかも進んだ先には温泉があるらしくて……? 大人の階段、上っちゃう!?

樋辻臥命&かれいのコンビで贈る「ゆるふわ異世界冒険譚」、待望の第3巻が登場!




クドーくん、ほんとに普通に師匠に拉致られたのが最初の出会いだったのね。
それも異世界に来た当初も当初だったみたいで。今回はガッツリと師匠の容姿が明らかになっていますけれど、普段の師匠って周りを取り巻いている黒いバグというかノイズみたいなもので覆われて不鮮明な状態になっているだけに、よくぞまあ普通に付き合えるなあ、と思うところ。
むしろ、師匠がこれだけクドーくんに執着しているのも、彼が見た目モンスターと間違われても仕方ない怪しい人物に、何の気後れもなく付き合ってくれてるからなんだろうなあ、と。
あれ、実は相当にクドーくんに依存してるんじゃなかろうか。やたらとスパルタな魔法教育はその愛情の裏返し、みたいな。
彼に強くなってもらって、強いモンスターの核石を手に入れてもらって、それを使って今の自分の状態を少しずつでも解消する。まあ、クドーくんを利用しているとも言えるし、その為に彼を強くしようとしごいている、とも言えるのだけれど。あんまり利己的なふうにも見えないんですよねえ。
それだけ、クドーくんをイビっている姿が楽しそうなのだ。今の師匠って普通に会話する相手にも事欠いているだろうから、クドーくん相手にわちゃわちゃしているのそれ自体がベアトリーゼ師匠が甘えているように見えるんですよねえ。
いや、なんで甘えるのがイビることになるんだよ、とは思うんだけれどそれはもう師匠の性格なのでしょうからどうにもならんね。
とはいえ、ベアトリーゼが元の姿に戻るためには核石がもっと必要だと知ったクドーくんが、むしろやる気マシマシになって師匠のために頑張るよー、となったのを見て嬉しかった以上にグッと来たのはあれ間違いないだろうねえ。グッと、というよりもキュンと来たのかも知れないけれど。
そもそも、そうやって自分の弱みをクドーくんに打ち明けて、ポロッと弱音を吐いてしまうのだってよっぽど心開いてないと出来ないことだったでしょうし。
だから、その後の師匠のご褒美はあれ結構本気だったと思うんだがなあ。雰囲気に流されてはいかーーん、とクドーくんは踏ん張って我慢しちゃいましたけれど、あれはむしろ向こうが雰囲気作ってくれた気がするんですがねえ。ってか、温泉に誘った時点である程度は想定済みでしょう。
もったいないことしたねえ、クドーくん。まあ唯一無二のチャンスを逃した、というわけでもないでしょうし、むしろ師匠が元に戻れたら改めて捕食されてしまいそう。ってか師匠はクドーくんに仲が良くて一緒にダンジョン潜るような女の子が現れている事を知ってるんだろうか。

何気にスクレもエルドリッドもこの作品のヒロインって、クドーくんみたいなゲテモノに興味を示すようなやつ、自分しかいないだろう、みたいな根拠のない自信にあふれすぎている気がする。
いや、たしかにクドーくんはゲテモノの類だろうけどさ。その実力の高さはレベルの数値知ってりゃすぐにわかるし、数値に現れないプレイヤースキルの高さと来たら、今のトッププレイヤーたちが瞠目してチームに引っ張ろうとしているくらいですからねえ。
いや、ほんとに自分だけがわかってるんだ系のむやみな自信に溢れまくってる残念なところがありまくるよなあ、師匠もスクレもエルドリッドも。その分、やたらと素直じゃなかったりするわけだけれど。
今回なんぞ、スクレの「一緒にダンジョン潜ってやってもいいぞ」といういつものお誘いを、いたずら心でクドーくんが「あ、今回は一人で潜るよー」とお断りされた時のこのひねくれエルフのオロオロとした狼狽えっぷりは、一周回って素直だろ!? となるくらい可愛かったんですけどねえ。
そんなスクレとの、ダンジョン探索の際のトイレ事情のお話、はなかなかそこまでやるかっ!? というくらいクドーくんがやらかしにやらかしを重ねて、えらいことになったわけですけれど。
いや、クドーくん致命的な判断ミスとうっかりを連コンボしすぎである。詰将棋か、というくらい的確にチョンボしやがって。
ちなみに、あそこまでやらかしておいて、あとでぎこちなくなるくらいで済んでいるのはちょっとスクレってばかなり好感度振り切っちゃってないですか?
このエピソードの直後に、クドーくんてばスクレは置いておいてエルドリッドを地球に遊びに連れていこうとするあたり、微妙に鬼畜よなあw

さて、今回何気にスポット当たっていたのがライオン丸先輩。めっちゃ強くて人格も立派でクドーくんが先輩と慕うに相応しい大人物、というのはこれまでの話でもわかっていたのですけれど、いやいやいや、なんか思ってたよりもずっとスゲー人なんですけど。一人だけ出てる作品が違うんじゃ、というくらいめちゃくちゃ強いんですけど。比喩じゃなくて人類最強なのか! ガチ勇者じゃないか。それでいて人品も本当に優れていて雄大と言っていいくらい人間出来ていて頼もしくて、惚れてしまいそうw
そんなライオン丸先輩にかなり可愛がられているクドーくんが羨ましくなってくるんですが?

あとは、ポーション制作者としてのお話。というか、ポーション品評会ってこういう品質に纏わる大会を第三者も招いて大々的にやっているのを見ると、ギルド関係の運営ってかなり健全にやってるんだなあ、というのが伝わってくる。その一方で、ポーション関係の権益に権力と大商会が結びついて独占による業界そのものの停滞が起こり始めていて結構ヤバい状況だったんだなあ。
それを、たまたま思いつきで作ったハチミツ味のポーションで思いっきりぶち抜いてしまったクドーくん。
苦いものが種族的にどうしても口に出来なくて、たとえ死んでもポーション飲むことを拒否していた怪着族の人たちの甘いポーションの登場によるお祭り騒ぎが……いや、怪着族の人たち種族そのもののキャラクターが可愛いよね!!