【英雄と賢者の転生婚 4 ~かつての好敵手と婚約して最強夫婦になりました~】  藤木わしろ/へいろー HJ文庫

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最強夫婦VS未来の英雄――いざ、総力戦へ!!

遺跡の調査中に謎の集団に襲われた英雄レイドと賢者エルリア。
彼らが海上に召喚した魔獣を撃破した後、二人は襲撃者の正体や自分達の転生の謎を解き明かすべく、ある人物のもとを訪れる。
そこで聞かされた驚愕の事実を受け止めつつ、再び来るであろう大規模な襲撃に備えようとするレイド達だが……
「――レイド兄ちゃん、見つけたああああああああああッッ!!」
元気いっぱいなレイドの妹や東方大陸からの意外過ぎる客人など、頼もしい仲間が続々と水の都パルマーレへ集結することに!?


前世の実の父がフリフリのカワイイ服を好んで身に着けている幼女になっていた娘の心境を答えよ。
エルリアさん、ショック受けているようでわりとこれはこれでアリとか思ってなかっただろうか。
一応エリーゼ学院長はちゃんとエルフの女性であり、別に父親であるウォリスの人格を有しているのではなくてあくまで記憶を継承しているだけ。人格はエリーゼの方、らしいのだけれど。

ともあれ、前巻のラストでエリーゼ学院長が黒幕の一人であり、暗躍していたエルリアの前世の父ウォリス・カルドウェンである、とレイドが指摘した時は驚いたものです。
おかげで、これまで謎だった様々な過去からの因縁とかレイドの力の秘密とか全部ちゃんと勿体ぶらずに教えてくれたのは本当にありがたい。むやみに引っ張られても話がもたつくだけですもんね。
それでも、この物語の起点が千年前の英雄レイドと賢者エルリアの数十年にも渡るライバル関係ではなかった、あそこが発端ではなかった、というのはなかなか衝撃的な事実でした。
てか結構時間軸錯綜してるんですね。
賢者レイドが作り出した魔術の原型を未来においてエルリアが劇的に発展させたものの、それを悪用されてエルリアがブチ切れた挙げ句に魔王と化してしまい、長きにわたる破滅の時代が続いたあとに賢者の技術によって生み出された「英雄」という存在が幾世代にも渡ってエルリアに挑んでは敵わず。
最終的に対話をもって最後の英雄が自分の死と引き換えにエルリアを、現在から千年前の時代に転生させて英雄の力もレイドにやどり、んで何十年もライバルしながらイチャイチャする関係を作ってたんだけど、エルリアが謀殺されレイドが駆けつけてそこで英雄である彼も死んだ事で再び転生が、しかも一緒に転生することになり、現在に至る、と。
まあ運命っちゃ運命だわなあ。
同時に、レイドと同じ「英雄」の力を持った青年と彼が率いる兵士たち、という謎の存在。彼らのバックにいる黒幕の正体もわかったんですよね。
こういうのは相手が未知だからこそ打てる手が見えてこないもので。戦力としてレイドとエルリアが揃っている以上、相手さえ分かればあとはまあどうにでもなっちゃうんだよなあ。
単に力が強い能力が優れている、じゃなくてレイドには数十年に渡って戦場の最前線で戦い続けた将帥としての偉人レベルの能力があるわけですしね。
敵さん連中、戦闘経験も豊富だし覚悟こそ極まっていて死兵と言っても過言ではないくらいガンギマリなんだけれど、戦闘の対象は魔物ばかりで人間相手の戦争の経験については殆どない、というあたりちょっと相手が悪かったよなあ、というほか無い。
それでも、手段もルールも選ばずにとにかく被害を与える、痛撃を加えるみたいな戦い方されてきたら辛かったんだろうけれど。
少なくともこうして、戦場に出てきた連中はある意味被害者みたいなもんだったわけで。しかも、自分たちがこれだけつらい目に合ってきたんだからほかがどうなろうと構わんだろう、みたいな僻みと歪みで成り立ってるみたいな被害者じゃなくて、そういう犠牲を関係ない相手に押し付けるなんて実際は嫌で嫌でたまらない。その上で自分に対して覚悟を決めてしまっている、というタイプの敵さんだったんですよね。これはレイド好みの相手だわなあ、敵の「英雄」であるディアンくん。

さて、敵側との駆け引き云々はさておいても、むしろレイドとエルリアにとって緊張を強いられているのはお互いの関係の方かも知れない。まあちゃんと婚約者になれたわけですけれど、今度はレイドの家族との顔合わせ、なんてものが控えていたわけですしね。エルリアの方の家族とはレイドもガチンコで面突き合わせたわけですけれど。
女の子の方は女の子の方で、好きな男の子の家族、特に姑となるお義母さん相手は緊張するよなあ。人見知りなエルリアならなおさらに。
と、そういえばこれまでレイドの家族についてはあんまり言及されていなかったけれど、果たしてどんな家族なんだろう、と思ったら……なんか想像以上にほんわか大家族だったぞ!?
ってか、妹がうるさい! 常にボリューム全開でアクセルフルスロットルじゃないか。落ち着け、と言っても全然耳に届いていないやつ。
この娘一人だけならまだしも、母親の方がこの娘あってこの母親あり、みたいな妹の完全上位互換のうるささ。うるさい、押しが強い、うるさい、グイグイ押してくる、とにかくうるさい、という三拍子揃ったうるささ。なんかもう存在がうるさいぞ。
はたしてこの家族の日常風景ってどんなんだったんだろう。家の中がひたすら母と妹のまくしたてる声で埋め尽くされてそうなんだが。
この二人に比べれば落ち着いているように見える兄ちゃんも、対比したらそう見えるだけでなんか結構熱血漢っぽいし、勢い任せなところあるっぽいし、全体的にもう存在がうるさい家族だよなあw
とはいえ、そのうるささは鬱陶しいという方向じゃなく、ひたすらレイドへの愛情が込められているんですよね。
魔法が使えない、厳密にはレイドの能力が魔法と認定されなかった事で社会的に不遇な立場に立たされたレイドのために、兄ちゃんはわざわざ就職先の進路変えてレイドの能力を調べる方向に行ってるし、妹は妹で兄のために強くなるとやたらパワフルなバトルジャンキーになってるし、両親も色々としてくれてるんですよね。兄ちゃん、レイドが認められたことで男泣きしてくれてるし。めっちゃいい兄妹であり家族じゃないですか。
レイドがエルリアと再会する前からけっこうゆとりありそうに感じたのも単に性格的に器がデカく雄大だった、というだけじゃなくて家族に愛されて満ち足りた人生送っていていたからだったんですねえ。
兄ちゃん、アルマ先生と急遽職場が同じになってなんか意気投合してる感じで、フラグ立ってそうなんですよね。
妹のステラもなんか微妙にぽんこつファレグと縁が出来てて、こっちはまだフラグというには弱いだろうか。
むしろ、レイドママのカエラさんの方が、エルリアの家族との顔合わせでエルリアママのアリシアさんにぐいぐい迫ってて、アリシアさんがまっさきに落とされそうなんですがw
貴族、それも賢者の末裔であるカルドウェン家の当主であるアリシアさんに、構うこと無く速攻でアリシアちゃん呼ばわりですからね。距離の詰め方が半端ないw あの強キャラなアリシアさんが完全に圧倒されちゃってるじゃないですか。
あと、エルリアパパもむちゃくちゃ声が大きいうるさい人なので、家族同士の顔合わせという緊張感がどこにもなく、ひたすら場がうるさい、さわがしいw
まあこれ見たら文句なしに両家の仲は良いなんてもんじゃないくらい良好に結ばれそうですけれどw
もうレイドとエルリアの結婚に何の障害もありませんねえ。
あとは直接敵地に乗り込んで、遠くからグチグチ要らん事してきた相手をぶっ飛ばすだけでしょうか。