【時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん 7】  燦々SUN/ももこ 角川スニーカー文庫

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時を経て動き出す初恋――白熱の体育祭編!

大波乱の学園祭は、政近の奮闘 ※本人的には黒歴史!? によってアーリャさんへの大きな追い風となり幕を閉じた。
(もっと私を、私だけを見て。私だけのパートナーでいて) 募る想いを抱きながら、アーリャさんは政近と共に次なる行事・体育祭に向けて動き出す!
そんな中、とある出来事をきっかけに政近は初恋の彼女と接近して――
「アーリャちゃんの気持ちに向き合ってほしい。でも……」
不意に告げられた、マーシャの本当の気持ち。彼女の予想外の本音に政近の心は思わず揺れ動いて!?
大人気ロシアンJKとの青春ラブコメ、体育祭編スタート!

なんかこう自分にも踏ん切りをつける形で今まで封印していたピアノの演奏を以て自分の初恋にケリをつけた政近。
そんな演奏を聞き届け、妹のことを託して「さよなら」の言葉を残して幼き日から続く想いに決着をつけたマーシャさん。
切ない、なんて切ない初恋の終わりなんだろう。なんて感慨に耽ってたら。
マーシャさん、何事もなかったかのように……いや、何事はちゃんとあったんだろう。それをもって一区切り、初恋は終わったよ初恋はね? とばかりに、今度は幼い未成熟の初恋なんかじゃなくて大人の恋愛だー、とばかりにクルリと反転してスタスタと戻ってきたマーシャさんである。
わりとガチで面食らってる政近に、小さい頃のまーちゃんじゃない今のマリアを刻みつけて、妹の気持ちを受け止めてとは言ったけれど、最後には私を選んでくれるよね? とトドメまで刺しに来たんですけれど。
この姉、この姉凄いよ。なんだろう、ずっと引きずって糸が絡まったみたいになってた幼い頃から続く恋を本当の意味で精算しちゃったよ。それを終わりではなくリスタートへと繋げてしまうこの強かさ。意図してのものかはわからないけれど、これ完全に政近ってばまーちゃんじゃなくて、マリアのこと意識しちゃったんですけど。小さい頃の思い出は政近にとって大きな精神的な傷にも繋がっているので、まーちゃんとの事は淡くも痛みを伴う想いではあったと思うんだけれど、そういうマイナス要素は解消されちゃったんじゃないだろうか。思いっきり楔打ち込まれやがったぞ、こいつ。
そして、その動揺とアリサに対する罪悪感を、当のアリサに曖昧にぼかしたとはいえ話を聞いてもらって解消するという……何気にこう、政近くんってw
しかも、ピアノを弾いた件などでメンタル落ち込むパターンなのを有希に見透かされて、慰められる始末。って、この妹ってばガチで兄貴を慰めるための手段としてわざわざ一緒にお風呂を選ぶあたりやばいよなあ。ってか、わざわざ一緒のお風呂という選択肢を選ぶんだよ。
一応二人共、恋愛感情はなく兄妹愛の範疇なんだろうけれど、その範疇が相当にイカれているぞこれ絶対。ブラコンシスコンが二人共完全にやばい領域に入ってる。
綾乃は綾乃で、幼い頃の幼馴染エピソードがまた濃くて、今なお独特の距離感でこの兄妹に従っているわけで。政近の方もこれ普通の感覚がバグってるのか、綾乃との距離感おかしいんだよなあ。

という、周りのヒロイン格が濃度の濃すぎる恋やら愛やらをまとわりつかせている一方で、肝心のアーリャと来たら未だに「恋……恋ってなに?」という類のたわ言を呟いてるんですよね。そんな悠長に色恋にかまけている余裕なんてない、というのは今更言い訳でしょう。その程度の余裕も残さずにこれからの選挙戦戦っていけるのか、という鼎の軽重を問われる事になる。
何しろ、あの堅物な沙也加さんにすら恋の予兆が近づいているのですからね。まあこの人堅物というよりも不器用なだけだし、沙也加さん自身が恋に浮ついているわけではなくてバンドチームの毅が沙也加にべた惚れで、政近たちがそのお近づきになりたい毅の手伝いをグループで遊びに行くことで手伝ってあげる、という展開……こういう普通の友達イベントが出来るくらいに政近もアーリャも普通の友達付き合いが広がった、というべき所にも目を留めていくべきなんだろうけど。
ともあれ、わりとうまく行きそうな雰囲気もあるんですよね、沙也加✕毅カップル。恋愛に対する経験値が皆無に近い、という意味ではアーリャと対して変わらないんじゃないか、というこの二人ですけれど、沙也加のちょい天然入ってる無自覚さと毅の素朴な積極性がうまいこと絡んで、ちゃんと仲良くなっていっているのが微笑ましい。
でもこの二人を見ていると、余計にアーリャは何やってんだ、という気持ちになってしまうし、政近の方は色々と自身も周りも濃すぎるw
おまけに、政近って何だかんだと人脈広くて親しい女性多いことが昨今発覚しだしてきて、単に親しいどころじゃない打ち解けた関係の人もいるんですよねえ。スリット先輩はともかくとしても、エレナ先輩なんて有希や綾乃以外ではとんと見ない完全に警戒心解いた素の政近が出ちゃってるわけで。
ほんとにただの友達関係くらいの間柄なんですけれど、その間柄でこれだけ砕けた関係になっちゃってるのむちゃくちゃ相性良くないですか? 何気に凄まじいポンコツであり根は真面目で頑張りや、というあたり世話好きな側面のある政近の好み(恋愛的好みとは言ってない)どストライクですし。
いきなり現れたにしては強力すぎる伏兵なんだよなあ、このエレナ先輩。この人に関しては他のヒロインみたいな過去絡みの因縁もないですし、そういう意味ではアーリャと同じくフラットなところから始まっている関係でもあるわけで。
ほんとアーリャは自分の内側でグダグダやってる場合ではないと思う。ほんとそろそろ自分の気持ちにくらいは答え出した方がいいんじゃないだろうか。

とかなんとかやってるうちに、すぐに始まる体育祭。この学校、ほんとイベント事が大仰というか盛大というか。イベントばっかりやってるように見えてくるな。
ここで有希の母である優美とアーリャが遭遇したのが、アーリャにとってのきっかけになればいいんだけれど。
……ってか優美さん、文化祭も来てたしマメに顔出してるんだよなあ。

あと、コスプレ競争の場面でコスプレしたアーリャやマーシャさんという挿絵が複数枚に投下されるの、大変良く「わかって」いらっしゃると存じます。
高校の出し物でミニスカポリス網タイツつきは攻めすぎなんじゃないだろうか。あとナースとか、へそ出しセーラー服とか。

お見事。