【ゲームで不遇職を極めた少年、異世界では魔術師適性MAXだと歓迎されて英雄生活を自由に満喫する/スペルキャスターLv100 2】  あわむら赤光/ ミチハス GA文庫

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この異世界、やっぱゲームより超おもしれー!!
神ゲー以上の体験が待つ、本物の『魔法世界』へ!
憧れの異世界を自由に満喫する、MMORPGライクファンタジー第2弾!

「そうだ。〈帝都〉、行こう」
九郎は女騎士さんの依頼で、今度は〈帝国圏〉へと冒険することに!
〈魔術師〉が不遇職だったゲームでは、ずっとぼっちプレイヤーだった九郎にとって、女騎士さんはいわば初めてできた冒険仲間。そのお願いを断る理由はなかった。
何より魔術の聖地にして、陰謀渦巻く〈帝都ガイデス〉は、ゲーム時代に最も親しんだゆかりの場所。
セイラも連れて気分はまさに長期旅行!? そして着いた〈帝都〉で――
「ゲームで調べ尽くしたと思ってたのに、まだこんな発見があるとは!」
神ゲー以上の体験に満ちたMMORPGライクファンタジー第2弾!!




女騎士さん、このお茶目さんな所かわいいですなあ。
まだまだ主人公の九郎くんの事を男扱いしていない、年下の可愛い弟分という目線だからこその弄りっぷりなんだろうけれど、仮にも天下無双の大魔術師である九郎、その実力を誰よりも認めて敬意を抱きながらも、それはそれとしてからかい倒す女騎士さん。
そりゃあね、九郎の反応がまたかわいいから気持ちはわかるんですよ。褒めて誉めて褒め殺せば面白いくらいにクネクネと照れてくれるし、実力を鼻にかけることもなく子供っぽさ全開で無邪気に懐いてきてくれる。それでいて無神経なバカガキと違って礼儀は正しいしいっちょ前に気遣いしてくれるし、でも明るく元気で目を離すと途端にはしゃぎながら走って言ってしまいそうなガキンチョっぷりで。
ついついお姉ちゃん気分になって弄り倒しつつ可愛がり倒してしまうのも無理ないんですよねえ。
つまるところ、九郎くんのリアクションが良すぎるのが悪い。
これに関してはメイドのセイラさんも同意してくださると思われる。何しろ暇さえあれば慇懃無礼に九郎のことからかい倒してますもんねえ。本来セイラさんって神職ですし性格的にも真面目な方の女性だと思うんですけれど、この反応がトビッキリに良い男の子を前にすると、悪戯心が擽られてしまうのもまた乙女の境地。
セイラさんの方はまだ年も近いことですし、好意たっぷりの弄り方なのですが女騎士さんの方は本気でまだ異性としては見てなかったんだなあ、九郎くんの事。
まだ若い身空で6つも年齢に差があったらなかなか男とは見られんかあ。
とはいえ、いざという時に本当に頼もしい、どんなピンチでもその無邪気さを失わず必死の中にも喜を失わない九郎の姿に、グラッグラッと来てしまうのもそれはそれで必然なのかもしれない。
それでいて、いざ敵の手から助けてくれたら、いつもの隙だらけのからかうとはにかんで照れるいつもの姿に戻ってくれるわけで。このギャップですよ。
帝国での非公式とはいえお見合い相手がいい年して幼稚すぎる男だったので、同じ子供っぽさでも九郎くんとはまた全然違ったのも、これはグラグラ来ちゃいますわねえ。

さても今度は女騎士さんの依頼を受けて、異国の地「帝国」へ。とはいえゲーム内では何度も訪れているところなので、こういう所は知識チートの使い所ですよねえ……と、思ったらゲーム内では描写されていなかった所もチラホラで、そうしたゲームと現実との差異を埋めるために嬉々として九郎くんが飛び回り走り回っては楽しそうにしているのが、なんとも微笑ましい。
しかしこれ、ゲームの監修を全部女神様がやっていただけに、九郎の帝国での事で様々に知っている内容というのもメルティア様が全部ゲーム要素に盛り込んだもの、と考えるとメルティアガイドブックを読み込んで来ましたー、みたいな感じなのか、なんか面白いなあ。
それでいて、現実そのものをそのままゲームに持ち込んでも、ゲームとしては冗長になったり無駄な要素になったりプレイの邪魔になってしまうものは、ちゃんと取捨選択して切り落としているあたり、ちゃんとメルティアさま、面白いゲームを作るつもりがあったんだなあ、というのが伝わってきてこれも面白い。ゲームの製作を担当した人とけっこうガチで喧々諤々やりあったんだろうか、と想像してしまうとね。あと、実際にゲーム製作した人、女神様相手でもハイハイと安請け合いして全部受け入れてしまうのではなく、ちゃんとダメなものはダメ、これだとゲームとして破綻するとか面白くなくなる、とキッパリと主張して女神様の意見押しのけたりしてたんだろうか。そういうのも想像してしまうとなんか面白いねえ。

ラストはついに最終目標である魔王との、これは魔王の強さを実感するための準備戦みたいなものだっただろうか。魔王は倒されるたびに耐性を獲得し、新しく誕生した魔王は新しく開発された究極魔法をもってしか倒せない、という流れはかなり厳しいものがあるよなあ、と話を聞いていただけでも伝わってきていたけれど、先々代の魔王のかけらだけでこれだけ強いとなると、ちょっとどころじゃなく大変そうだ。
とはいえ、九郎くんてば苦戦すれば苦戦するほど燃え上がるし、どれだけ長時間かけての耐久戦削りあいでも嬉々として付き合えるあたりゲーム廃人の鑑だよなあ。そして何より、ここが現実である以上いくら女神謹製の傷つきにくい痛みを感じにくい素体でも、傷つき苦痛を味わう羽目になる。それでも怯まず、むしろ情熱を滾らせるあたり本物も本物のゲーマー野郎じゃないですか。

これまでガチの敵でしかなかった吸血鬼リリサともフラグがたち、これでメイン三ヒロインが揃った感じかなあ。いや、まだリリサは全然堕ちてないんだけど……でも、グラッと来ちゃってるよね、あれ。