【前世魔術師団長だった私、「貴女を愛することはない」と言った夫が、かつての部下 ２】 三日月さんかく／しんいし智歩 GAノベル
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オーレリア夫人、最強の魔王とかす？？
【豊穣の宝玉】を巡る、隣国トルスマン皇国とのトラブルに巻き込まれたオーレリア。
色仕掛け、アルコールハラスメント、危険な魔道具など様々な攻撃にどう対処する？？
「持つべきものは、爆破魔術に寛容な旦那様だね！」
私ことオーレリアはギルからのやり直し求婚を受け入れ、真の夫婦になりました！
だけど、隣国大神殿からの使節団に王城で応対するため、すれ違いの毎日です――。
「ごめんね、クラウス君。私の買い物に付き合わせちゃって」
王城で過ごすうち、使節団の美少年クラウス君と一緒にいることが多くなっちゃった。
ギルの言動が何だか変なんだけど、これ以上こじらせないか心配だなぁ。
「どうにか持ち堪えるから、早くギルを呼んできて!!」
そんななか、使節団の陰謀に巻き込まれ、魔力制御できなくなった！
私お得意の爆破魔術が暴走したら、辺り一面が焦土に……。
「私、世界最強の爆破魔術師になっちゃったみたい」
このままじゃ、祖国を亡ぼす魔王になっちゃう!?
頼れる旦那様ギルよ、私の暴走を早く止めてー!!
オーレリアさん、一応あなた１６歳で旦那さんのギル３２歳とは１６歳差のダブルスコアの幼妻のはずなんだが、これもう完全に姉さん女房だな。
それ以前に、最高の旦那様だよ、と言いつつもギルのことを３２歳児扱いだ。児童扱いだよ。まああれじゃあなあ。メンタル子供扱いされても仕方ないよなあ。いや、良い歳下大人が奥さんの裸みただけでパニックですよ、狼狽えまくりですよ。これ、ギルが性的な接触をしようとするたびに意識吹っ飛んでいるようじゃあ、宝玉クリュスタルムが二人の邪魔しなくても二人が結ばれる機会は随分と先になっていたんじゃないだろうか。
自分の旦那が３２歳の段階でようやく大人への階段を登り始めたのを温かく上から目線で見守る１６歳の幼妻である。そのくせわりとせっかちなので、あんまりギルの方がちんたらとしていると、いい加減こっちから押し倒すか、と真顔で検討しているあたりこのお嫁さん精神が男前すぎるんですけどｗ
ほんと前巻でギルと生まれ変わって再会した時から全然動じないし慌てないよね、このお嬢さん。マイペースというかドシンと腰が据わっているというか。感情の方はむしろ豊かで喜怒哀楽激しい方なんですけどね。こういうの大丈夫とか益荒男とでも言うのだろうか。前世も今生も一貫して女性のはずなんだが。
少なくとも、ギルに対しては非常に保護者庇護者という意識が恋人、夫婦になった今でも相当に強いように思う。彼への愛情は間違いなく小さな弟分のものから異性のものへと確かに変化はしているのだけれど、彼を見守りその成長を慈しみながら愛でるというスタンスは揺るぎないものがあるんですよね。
爆破魔術をポンポン使ったり、というあたり自由にさせてくれるギルへの信頼や甘えなんかも感じるは感じるのですけれど、それ以上にこの人ギルのこと甘やかしまくってるんだよなあ。
結婚生活を始めると、どうしたって齟齬というのは出てくるものです。これはギルが幼少の頃から面倒を見てきたオーレリアと彼の間にさえ生じるもので、何気にファッションセンスとかオーレリアの趣味とギルの趣味って全然違ってたりするんですよね。しかし、オーレリアは当然のようにこういうのあんまり好きじゃないんだけどなあ、と思いながらもギルがその手のタイプの衣装を自分に着せたがっている、好みの衣装を着ているオーレリアをめでたいと思っていることを承知して、受け入れてるんだよなあ。
仕方ない、と諦めてギルの喜ぶ格好を受け入れてる。許容している。
ここ、大事なのは我慢して彼に合わせているのとは少し違っていて、ギルに合わせているのは確かなんだけれど、それは我慢じゃなくて底抜けの愛情ゆえにイヤイヤでもなく、喜びを感じてるのは間違いないんですよね。
こういうところ、愛情が薄れてきたらと言わずとも落ち着いてきても、嫌なことを強いられるってストレスを感じるようになってしまいそうにも思うのだけれど、そして将来の夫婦に生じる亀裂、なんて想像がわいてくるもんなんだけれど、ことそのへんの普通の感性をオーレリアがどうもかけらも持っていなさそうなので、ひたすら許容深度が深いというか大概のことはニコニコと鷹揚に受け入れて溜め込むこともなく流しちゃいそうなんですよね。
かわいいギルのためなら趣味じゃない服でもどんどん着ちゃうよー、ってなもんなんでしょうし、将来に渡ってこの女性はほんと気にもしないんだろうけれど。それでも、オーレリアはこういう服とかアクセサリーとか自分の趣味じゃないんだよね、というのはちゃんと伝えておいた方がいいとは思うなあ。ギルだって、自分の趣味や喜び以外にオーレリアが自分と同じようなファッションが好きで、喜んでくれると思っているからこそグイグイと勧めてくるわけで、本当は嫌なんだよと伝えたら絶対に慌ててやえてくれると思うんですよね。そういう本音はやっぱり夫婦である以上は伝え合う方がいいとは思うんだよなあ。ギルが一方的に守られるだけの保護対象だった頃ならともかくとして、今は対等な夫婦なんですからね。
とはいえこれ、オーレリアからするとギルが無邪気に喜んでくれることこそが嬉しいわけですから、いらん事いって自分の好みを押し付けてこなくなる、というのはそれはそれでうれしからず、というものなのかもしれない。これはこれで乙女心のひとつではあるんだよなあ。
ギルってもう半歩くらい妻を完全管理したがる鬱陶しい夫の片鱗を見せているのだけれど、オーレリアってばそれを完全に承知した上でいいよいいよ構わんょ、と受容しちゃってるもんなあ。自分の位置を常にギルに示す位置把握の魔法が仕込まれたアクセサリーを、そうと知りながら身につけていたり。ギルの危険な領域にある執着を、激重感情を、よしよしと頭撫でるみたいに受け止めてるんですよねえ。
包容力ありすぎだろう、この嫁さん。包容力というよりも最初からどっか歯止めが壊れてるフシもあるのだけど。アルコールに対してのリミッターもぶっ壊れてるみたいだけど。
いやでも、やっぱり我慢はしてますよね。愛とは耐え忍ぶことだ！みたいなことも言ってますし。
ギルの話まったく理解できないし共感もできないしすぐに飽きちゃうけれど、愛してるから耐え切れるし我慢できる、とそれ愛がなかったらどうなるの！？ というくらいなんか性格的な相性が悪いよね、この二人。いや、オーレリアからギルに対してだけかもしれないけど。
マジで大丈夫なんだろうか。ちょっとでも愛情が薄れてしまったらその途端オーレリアの忍耐が持たなくなりそうなんだが。やっぱり本音で話し合ったほうがいいと思うんだがなあ。ギルの方はもうだいたい率直に話しているとは思うんだけど。いや、こっそりGPS的な魔法仕込んだアクセサリーをオーレリアに身に着けさせていたり、と結構コソコソやってるか。
一抹の不安を覚えつつも、甘える３２歳児といい年したおっさんメガネを溺愛して甘やかしまくる奥さんのドタバタラブコメディ、全然勢い衰えずひたすら楽しいで突き進みましたね。
いや面白かった。なにやら夫婦がイチャイチャしようとしているうちに外ではギルの新婚休暇を脅かし復帰後も定時に返してくれなさそうな忙しさをさらにブーストしそうなトラブルが起こりつつあるみたいだし、今度は夫婦の共同作業となるのでしょうか。いずれにしてもまだ続きそうで楽しみですわー。
それ以前に、最高の旦那様だよ、と言いつつもギルのことを３２歳児扱いだ。児童扱いだよ。まああれじゃあなあ。メンタル子供扱いされても仕方ないよなあ。いや、良い歳下大人が奥さんの裸みただけでパニックですよ、狼狽えまくりですよ。これ、ギルが性的な接触をしようとするたびに意識吹っ飛んでいるようじゃあ、宝玉クリュスタルムが二人の邪魔しなくても二人が結ばれる機会は随分と先になっていたんじゃないだろうか。
自分の旦那が３２歳の段階でようやく大人への階段を登り始めたのを温かく上から目線で見守る１６歳の幼妻である。そのくせわりとせっかちなので、あんまりギルの方がちんたらとしていると、いい加減こっちから押し倒すか、と真顔で検討しているあたりこのお嫁さん精神が男前すぎるんですけどｗ
ほんと前巻でギルと生まれ変わって再会した時から全然動じないし慌てないよね、このお嬢さん。マイペースというかドシンと腰が据わっているというか。感情の方はむしろ豊かで喜怒哀楽激しい方なんですけどね。こういうの大丈夫とか益荒男とでも言うのだろうか。前世も今生も一貫して女性のはずなんだが。
少なくとも、ギルに対しては非常に保護者庇護者という意識が恋人、夫婦になった今でも相当に強いように思う。彼への愛情は間違いなく小さな弟分のものから異性のものへと確かに変化はしているのだけれど、彼を見守りその成長を慈しみながら愛でるというスタンスは揺るぎないものがあるんですよね。
爆破魔術をポンポン使ったり、というあたり自由にさせてくれるギルへの信頼や甘えなんかも感じるは感じるのですけれど、それ以上にこの人ギルのこと甘やかしまくってるんだよなあ。
結婚生活を始めると、どうしたって齟齬というのは出てくるものです。これはギルが幼少の頃から面倒を見てきたオーレリアと彼の間にさえ生じるもので、何気にファッションセンスとかオーレリアの趣味とギルの趣味って全然違ってたりするんですよね。しかし、オーレリアは当然のようにこういうのあんまり好きじゃないんだけどなあ、と思いながらもギルがその手のタイプの衣装を自分に着せたがっている、好みの衣装を着ているオーレリアをめでたいと思っていることを承知して、受け入れてるんだよなあ。
仕方ない、と諦めてギルの喜ぶ格好を受け入れてる。許容している。
ここ、大事なのは我慢して彼に合わせているのとは少し違っていて、ギルに合わせているのは確かなんだけれど、それは我慢じゃなくて底抜けの愛情ゆえにイヤイヤでもなく、喜びを感じてるのは間違いないんですよね。
こういうところ、愛情が薄れてきたらと言わずとも落ち着いてきても、嫌なことを強いられるってストレスを感じるようになってしまいそうにも思うのだけれど、そして将来の夫婦に生じる亀裂、なんて想像がわいてくるもんなんだけれど、ことそのへんの普通の感性をオーレリアがどうもかけらも持っていなさそうなので、ひたすら許容深度が深いというか大概のことはニコニコと鷹揚に受け入れて溜め込むこともなく流しちゃいそうなんですよね。
かわいいギルのためなら趣味じゃない服でもどんどん着ちゃうよー、ってなもんなんでしょうし、将来に渡ってこの女性はほんと気にもしないんだろうけれど。それでも、オーレリアはこういう服とかアクセサリーとか自分の趣味じゃないんだよね、というのはちゃんと伝えておいた方がいいとは思うなあ。ギルだって、自分の趣味や喜び以外にオーレリアが自分と同じようなファッションが好きで、喜んでくれると思っているからこそグイグイと勧めてくるわけで、本当は嫌なんだよと伝えたら絶対に慌ててやえてくれると思うんですよね。そういう本音はやっぱり夫婦である以上は伝え合う方がいいとは思うんだよなあ。ギルが一方的に守られるだけの保護対象だった頃ならともかくとして、今は対等な夫婦なんですからね。
とはいえこれ、オーレリアからするとギルが無邪気に喜んでくれることこそが嬉しいわけですから、いらん事いって自分の好みを押し付けてこなくなる、というのはそれはそれでうれしからず、というものなのかもしれない。これはこれで乙女心のひとつではあるんだよなあ。
ギルってもう半歩くらい妻を完全管理したがる鬱陶しい夫の片鱗を見せているのだけれど、オーレリアってばそれを完全に承知した上でいいよいいよ構わんょ、と受容しちゃってるもんなあ。自分の位置を常にギルに示す位置把握の魔法が仕込まれたアクセサリーを、そうと知りながら身につけていたり。ギルの危険な領域にある執着を、激重感情を、よしよしと頭撫でるみたいに受け止めてるんですよねえ。
包容力ありすぎだろう、この嫁さん。包容力というよりも最初からどっか歯止めが壊れてるフシもあるのだけど。アルコールに対してのリミッターもぶっ壊れてるみたいだけど。
いやでも、やっぱり我慢はしてますよね。愛とは耐え忍ぶことだ！みたいなことも言ってますし。
ギルの話まったく理解できないし共感もできないしすぐに飽きちゃうけれど、愛してるから耐え切れるし我慢できる、とそれ愛がなかったらどうなるの！？ というくらいなんか性格的な相性が悪いよね、この二人。いや、オーレリアからギルに対してだけかもしれないけど。
マジで大丈夫なんだろうか。ちょっとでも愛情が薄れてしまったらその途端オーレリアの忍耐が持たなくなりそうなんだが。やっぱり本音で話し合ったほうがいいと思うんだがなあ。ギルの方はもうだいたい率直に話しているとは思うんだけど。いや、こっそりGPS的な魔法仕込んだアクセサリーをオーレリアに身に着けさせていたり、と結構コソコソやってるか。
一抹の不安を覚えつつも、甘える３２歳児といい年したおっさんメガネを溺愛して甘やかしまくる奥さんのドタバタラブコメディ、全然勢い衰えずひたすら楽しいで突き進みましたね。
いや面白かった。なにやら夫婦がイチャイチャしようとしているうちに外ではギルの新婚休暇を脅かし復帰後も定時に返してくれなさそうな忙しさをさらにブーストしそうなトラブルが起こりつつあるみたいだし、今度は夫婦の共同作業となるのでしょうか。いずれにしてもまだ続きそうで楽しみですわー。
