【男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと 3 百合の間に挟まる男として転生してしまいました】  端桜 了/hai MF文庫J

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絶対に百合にはなり得ない、新感覚の学園バトル&ラブコメ第3弾!

男子禁制のゲーム世界に、破滅確定の「百合の間に挟まる男」として転生してしまった俺、ヒイロ。豪華客船における合宿の最中、魔人アルスハリヤと共に爆死したはずの俺だったが、気づけばアルスハリヤと一体化して蘇っていた。決して相容れない仇敵(絶対百合壊すウーマン)が常に近くにいるなんて、百合好きの俺はどうしたらいいんだよ……。そんな絶望を抱いていた俺は、学園の寮長ミュールが、天才魔法士である実姉クリスから理不尽に蔑まれる場面に出くわしてしまう。徹底的に人を見下し、傷つけることさえ躊躇しない“天才”に――姉妹百合の尊さを教えてやる!

この主人公、全裸でM字開脚してアヘ顔ダブルピースしていなんしゃるんですがw
2巻のラストで魔人アルスハリヤを道連れに自爆特攻して果てた主人公ヒイロ。そう、果てた、死んじゃったとしか思えない勢いで終わっちゃったんで、或いは2巻で打ち切りなら主人公自爆で終了という凄まじい結末になるところだったのですが、なんとか幸いにして生きていた。生きてはいたのですけれど、全身ろくに動かせない状態で全身介護状態。そこを謎の三人娘から甲斐甲斐しく介護されるのですが、ただ身の回りのお世話をされるだけでなんでこんなに面白いの!? というくらいのギャグのキレである。
ヒイロって単体でも勝手に大騒ぎして七転八倒して奇声をあげながら転がりまわる姿も面白いんだけれど、彼の奇行に合わせて同じく奇行を行うヒロインキャラとユニゾンすると、際限なくわけわからないレベルでギャグが面白くなるんですよねえ。
今まではそういうキャラってアステルミ師匠とスノウくらいだったんですけれど、ここに来て脇を固める神聖百合帝国(ヒイロ建国:皇帝即位)の面々が全員色んな方向にぶっ飛んだキャラなもんで、もうヒイロと掛け合いしているだけで面白い。笑いすぎてお腹痛くなるほど面白い。
チャリで来た! にはしばらく笑い過ぎで痙攣してしまったくらい。自分、どうもこういうタイプのネタはクリティカルに刺さるみたい。
にしても、2巻までと比べても3巻のネタとギャグの切れ味は段違いにあがってて、テンションも天井届きっぱなしだったんじゃないだろうか。ヒイロの失踪・死亡前提の行方不明にブチ切れたメインヒロイン三人がそれぞれ暴走してしまっているのを、復活したヒイロが止めたり助けたり攫ったりと怒涛の流れの三連コンボでクリアしていく、マジで怒涛だったな。畳み掛けるこの3連戦、全部面白すぎたんですけれど、止めが最高だったんですよね。あのヒイロの断末魔の血を吐くような魂を引き裂かれるような絶叫は芸術点満点じゃなかったですか? 百合殺しの面目躍如、魔人アルスハリヤの真骨頂でしたよ。あそこまで見事なちゃぶ台がえしは早々見たこと無いですよ。ヒイロの完璧な引っ掛かりっぷりも合わせて。ってか、何だかんだとアルスハリヤの言う通りに動いてしまうヒイロくんのチョロさを笑えばいいのか、アルスハリヤの口八丁の見事さを称えればいいのか。
いずれにしても、百合絶対主義者と百合絶対破壊ウーマンという不倶戴天の敵同士であったこの二人が、ついに比翼の鳥となるこの展開。いや、方向性真逆なんだけれど、こと相性ピッタリという意味ではヒイロともっとも相性イイのって絶対アルスハリヤなんですよね。だって、ヒイロって言動も存在自体もそのものが百合破壊存在なんだもんw 本人がどれほど百合を愛しても、百合に命を捧げても、百合の方がぱっくり割れて彼を挟み込んでくる。その勢いを、アルスハリヤという存在が加わったことでより巧妙に芸術的にヒイロの好感度があがりまくる文化的事業ですよ。
ヒイロがどれほど好感度をさげようとジタバタしても、無駄無駄無駄無駄w
それに、ヒイロはどれほど女性陣の好感度を下げようとしても、女性陣ヒロインたちがほんとうの意味で心傷つくことだけは絶対にしませんからね。これほどの百合絶対主義者でありながら、しかし彼はヒロインたちの心だけは百合よりも優先する。彼女らの幸福を、幸せを、何よりも大事にするから、場合によっては百合を血涙を流しながらも後回しにする。それが、より彼の好感度をあげまくってしまうのが、なんともはや。
いや、この男マジのガチでカッコいいので、ヒロインたちが傾倒してしまうのも無理ないんですよ。一方で無駄な抵抗をじたばたとアホ丸出しでやりたおしているヒイロの姿がまた面白すぎてねえ。そんなアホな姿をさらけ出すからこそ、余計に彼がモテてしまう姿が奇妙なほどに痛快で爽快で愉快で、いっそ「ざまぁ!」と思えて喝采してしまう不思議。
また、ヒロインたちのヒイロの扱い方がまた異常にキレキレな面白さなんですよね。そしてその上で異様に可愛い。ギャグであると同時に濃厚なラブのエッセンスが味わい深くて、白目剥いて果てているヒイロとヒロインたちの様子ですら甘酸っぱくキュンキュンしてしまうんですよなあ。

にしても最高だったのが、冒頭からのスノウとの再会ですよ。死んだと思っていたヒイロとの再会、という場面において本巻もっとも最高だったのがスノウで、その次のやたら湿度高かったのが緋墨なんですよね。個人的にはこの二人は、ゲームのメインヒロインでもある表の正ヒロインである月檻、ラピス、レイに対して、ゲーム上では存在が確認できない、或いはモブとしてすぐに死んでしまうキャラクターながら、本編においてはヒイロにとってもガチの真ヒロインっぽいムーブなんですよね。
スノウなんか特に、今完全にヒイロのプライベート空間に寄り添ってますし。現状、狭いアパートに二人で同棲中ですよ、どう見ても。神田川の若夫婦ですよ? この子、メイドにして婚約者にして幼馴染というどれだけ属性詰まってるんだ、という娘ですからね。そのうえで、ヒイロと再会した時の建前やらメイドとしての立場とか全部ふっとばしての素の顔でのガン泣きしながら怒ってくる姿はもう眼福以外のなにものでもありませんでした。もう好きの熱量がやばいんですよ、この娘は。
まあ、まずもって嫁である。奥さんである。妻である。家内である。スノウに関してはヒイロも百合を押し付けようとしてないもんなあ、無自覚かもしれないけど。
そして緋墨の方はというと、アルスハリヤ派を率いることになってしまったヒイロにとっての参謀であり宰相であり、神聖百合帝国内での生活を寄り添ってサポートする正妻であり、とこっちはこっちで異様に心的距離感が近い。
神聖百合帝国の眷属娘三人と人外娘三人、この6人のキャラ濃すぎてちょっと笑ってしまう、ちょっとどころじゃなく笑えてしまうすげえキャラがいきなり揃ってしまったのだけれど、ラブ濃度という意味では緋墨のあの濃さと湿度は尋常じゃありませんわ。
キャラのはっちゃけ具合では、リィナと、あとやっぱり二郎系のわーちゃんが最高レベルにやばいですけどw

さて、冒頭のヒイロ生還編と、神聖百合帝国建国編だけでもめちゃくちゃ密度濃い上にテンションもアップテンポでえらい勢いだったのに、今回のそもそものメインのお話は表紙絵で並んでいるミュールとクリスの姉妹のお話。いや、彼女らアイズベルト家のお話なんですなあ。
ウェブ版ではほとんどフォローされていなかった姉クリスと母ソフィアについて相当に加筆されていて、末の妹ミュールが虐げられるまでの経緯が描かれていたおかげで、元の展開よりもだいぶ彼女らの印象は改善されたんじゃないだろうか。元の話だと、ほんとミュールの家庭環境ヒドイとしか思えないクリスとソフィアの仕打ちでしたからね。
まあそこからのちゃぶ台がえしもすごかったんですが。ってか、むしろ特にクリスとの話はここからですからね。
ヒイロの血が飛び散り肉が飛散し骨が砕ける体を張った、決意と覚悟のバトル・アクションが燃えすぎるんですが。ガチバトルになったらなったで、この主人公ってば仇敵たるアルスハリヤと息合いすぎなんだよなあ。彼女と一心同体になったことで、無二の相棒とのコンビでの息が合い決死の覚悟にガソリンを注いで燃え上がらせるようなテンションの加速度が凄いことになってるんですよね。

しかし、第三の真ヒロインであるところのクリスの見せ場は、マジでここからなので。そしてシリーズでも最も盛り上がる三寮戦はここからなので、続きみたい読みたいよぉぅ、とテンション高いままラストまで走りきったあとの余韻、というには熱すぎる予熱にほえほえしております。
くわぁぁ、面白かった。ギャグもコメディもラブもアクションバトルもなんもかんもが振り切って面白かった。最高潮でありました。

もう、好き!