前回11月後半分の記事です。

さて、ついに今年も最後の12月のはじまりですよ。年末だー、年末だー。


【血の繋がらない私たちが家族になるたった一つの方法】 雲雀湯(角川スニーカー文庫)

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でも結ばれる(結婚できる)のは1人だけ

離婚していた両親の復縁で7年ぶりに再会した義理の妹の英梨花。
気の置けない男友達みたいな幼馴染の美桜。

葛城翔太はそんな2人と一緒に、一つ屋根の下で暮らすことになった。

「……兄妹ってこんな感じなのかな」
「兄妹なら、そうする?」

かつて家族のことで寂しい思いをした者同士の3人暮らしは、
他人のはずなのに家族以上に心地よい。

しかし共に進学した高校での恋愛トラブルを避けるため、
美桜と翔太が偽のカップルを演じることになったことから、
お互いが不意に“異性”を意識してしまい――!?

血の繋がらない3人の男女が家族になる方法を模索して、
家族以上の気持ちに揺れ動く同居ラブコメディ。
【転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件】の新シリーズは家族に焦がれ家族以上に仲良くなった家族同然の三人が本当の家族になるまでのお話、て感じですか。煽りで、でも結ばれるのは一人だけ、と言っちゃってるのは不穏ではありますけど。
それはそれとして、あらすじだけだと何で昔から妹だった妹が義理なの? とか、幼馴染もなんで一つ屋根の下で暮らすことになってんの!? と、かなり状況が不明なんですよね。最初の段階で相当に絡まった人間関係を、男女としての意識が生じることでさらに混迷するのを、深い家族としての情愛が煮詰め沸き立たせるって感じになるのかなあ。いずれにしても、これは濃密な家族モノでラブストーリーになりそう。



【オリヴィア嬢は愛されると死ぬ 〜旦那様、ちょっとこっち見すぎですわ〜】 紺染幸(SQEXノベル)

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「勝手に目がそっち(オリヴィア)に行ってしまうんだ。なんて摩訶不思議な現象だ」
「恋っていうんですよ、それ」
呪われた屋敷で過ごす楽しく優しく--少し寂しい愛の物語
父を亡くし破産した大商家の長女であるオリヴィア=アシェルは、残された家族のために命をなげうつ覚悟で娼館の扉を叩こうとしていたところ、身なりのいい紳士に声をかけられた。「どうせならば我が家の主人のために死んでくれませんか」と。
先々代オールステット夫人が残した“主人が愛した女は死ぬ”呪い--そんな呪われた屋敷にオリヴィアは身を寄せる。この屋敷の主人クラース=オールステットに愛され、死ぬために。その報酬である金貨100枚を家族に残すために。
ところが、オリヴィアの前に現れた主人クラースは……なんか思っていたよりも面白い人だった。オリヴィアはクラースに“愛される”ように、クラースはオリヴィアを”愛さない”ように、二人の愛の駆け引きが始まる。
ひたすらシリアスなお話なのかと思ったら、あらすじの「オリヴィアの前に現れた主人クラースは……なんか思っていたよりも面白い人だった。」というなんかフワッとした表現がちょっとツボに嵌ってしまった。そうか、面白い人なのか。
作者の紺染幸は【おでん屋春子婆さんの偏屈異世界珍道中】【化物嬢ソフィのサロン】を書いた作家さんで、この両作品がまたじんわりと胸を暖かく震わせてくれる傑作だったんですよ。それだけに、本作も相当に期待してしまっているのです。


【ソードアート・オンライン オルタナティブ ミステリ・ラビリンス 迷宮館の殺人】 紺野天龍/川原 礫(電撃文庫)

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ミステリの名手・紺野天龍が描く、「もう一つの《デスゲーム》」。

クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する。VR世界にプレイヤーを閉じ込められ、数多の被害者を生んだ『SAO事件』。
そこには、迷宮入りとなった「連続殺人事件」が存在していた――。
《アルヴヘイム・オンライン》の世界で探偵事務所を開いていた少女スピカと助手の俺は、とある手記を偶然入手する。それはSAOの難解なダンジョンに閉じ込められた後に起きたという、おぞましき凶行の記録。未解決の殺人事件の真相を調査しようと意気込むミステリマニアのスピカとともに、事件現場になったという新生アインクラッド二十層《ひだまりの森》の片隅にたたずむ《迷宮館》を訪れ、推理を始めるが……。
謎が紐解かれたとき、あなたの認識は覆される。SAO×本格ミステリ!
ここに来て新しくSAOのスピンオフ作品が送り出されてくるとは思わなかった。しかもミステリ。本格ミステリである。最近またじわりじわりとラノベ界隈でミステリ熱が高まりつつあるような気配があるけれど、そういう流れなんだろうか。にしても、このSAO界隈ってけっこうVR世界内に探偵事務所が乱立してるんだろうか。クローバーズ・リグレットでもクレーヴェルが探偵事務所開いてたもんなあ。まあ暮井さんの探偵業は副業みたいなもんで、リアルではセキュリティ関係のベンチャーの社長でしたし、内容も本格ミステリのような謎解きとはちょっと方向性違いましたからね。VR世界の本格ミステリというジャンルはなかなか面白そう。


【双子探偵ムツキの先回り】 ひたき(電撃文庫)

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探偵なんて、もういらない。

探偵あるところに事件あり。一世を風靡した名探偵・睦月紫月。その華麗なる探偵一族『睦月家』は、ある時から殺人事件を呼び寄せる“死神”と忌み嫌われ――そして表社会から消えた。
それから数十年。睦月を名乗る双子、青士と赤音は今日も死体の前に立ち尽くす。
「すでに証拠は撮ってある。こんなこともあろうかとな」
「んじゃ、いつものようにサクッと解決しちゃおっか。この名探偵赤音ちゃんが!」
超天才&超心配性の兄・青士と、能天気な妹・赤音。二人は行く先々で事件が起きてしまうご先祖様の《体質》を受け継いでいたのだ!
殺人事件? ご安心を。それならば事前に準備をしよう。カメラ、盗聴器なんでもござれ。反論する奴には証拠を突きつけろ。それは掟破りの《先廻り探偵》の誕生で――!?
これも探偵ものだ。ほんとに増えてるのかしら、このジャンル。
それはそれとしてこの作品のあらすじを見て、一言どうしても言いたくなったんだ。
それだけ先回りして証拠集めの準備できるのなら、そもそも事件が起こるのを止めろよ!
当然、事件が起こるのは避けられないんだろうけれど、それでも言いたくなるじゃないですか、これw


【サイレント・ウィッチ -another- 結界の魔術師の成り上がり〈上〉】 依空 まつり(カドカワBOOKS)

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モニカの同期で性格破綻者、〈結界の魔術師〉の原点を描く書き下ろし!

僅か一週間で教本に載る魔術を全て覚えた天才少年ルイスは、魔術師養成機関の特待生として迎え入れられることに。
だが、貧しい寒村で育ったルイスの性格は粗野で乱暴。貴族だらけの魔術学校では問題児扱いで、魔法戦で他の生徒を圧倒的実力差でぶちのめし、悪童として恐れられる始末。そんな中でも、尊敬すべき師や頼れる友人達と出会い――。
モニカと同期の七賢人ルイス、その青春時代の伝説的悪行の数々を描く、物騒すぎる『サイレント・ウィッチ』前日譚!
まさかのスピンオフ第一弾の主人公は若き日の結界魔術師、あの作中屈指の鬼畜、ルイス師である。よりにもよってこいつかよ! と、思ったけれど何気にこの人既婚者で、奥さんわりといい人そうな上にあの鬼畜が奥さん相手にはラブラブなんですよね。あの性格破綻者が何をどうして女性にまともな愛情を持ててるのだろう、と不思議だったので、その馴れ初めは非常に気になる所。もしかしてラブコメなのか!?


【落第騎士の英雄譚 19】 海空りく(GA文庫)

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最終章クライマックス!
超人気学園ソードアクション、堂々完結!!

「では『母体』から不要なステラ・ヴァーミリオンの人格を削除する」
『完全な人類』を生み出すための母体として、《大教授》カール・アイランズに拉致されたステラ。彼女を救うべく、一輝と仲間たちはアイランズが待ち受けるラボを急襲する。
しかし、なみいる強敵を斬り払って囚われのステラのもとにたどり着いた一輝たちを待っていたのは、残酷な結末だった。
《落第騎士》一輝と《紅蓮の皇女》ステラ。剣で惹かれ合った2人、その運命の行方は――!?
「――僕の最弱を以て、君の最愛を取り戻す!!」
最終章クライマックス! 超人気学園ソードアクション、堂々完結!!
これも長らく次回が最終巻となってから音沙汰なくなっていたシリーズ。ようやくようやく完結巻が登場ですよ。前回がどんな話だったのかかなり記憶が遠ざかってるのですが。18巻が2020年ですから3年近くになるんですねえ。なにはともあれ、希代の剣戟アクションのフィナーレでありますよ。


【オルクセン王国史 1 野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか】 樽見京一郎(サーガフォレスト)

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「銃と魔法」の時代。オーク族を筆頭に多数の魔種族を擁する連合国家オルクセンと、美しいエルフたちの国エルフィンド。歴史的対立を深める両国家の国境で、オークの王グスタフと、故国を追われたダークエルフ氏族長ディネルースは、運命の邂逅を遂げた……。平和なエルフの国を、野蛮なオークが焼き尽くす――そんな「異世界ファンタジーあるある」の常識を覆した異世界戦記がここに誕生!

ふおおおー、ついについに【オルクセン王国史】が待望の書籍化でありますよ。これまで幾つもの本格ファンタジー戦記というものを読んできましたけれど、はっきり言って本作こそが最強の戦記小説であり戦争小説であり近代戦を描いた、兵站戦を描いた作品でありました。近代の戦争を扱った戦争ものの中でもこれほど重厚でダイナミックな内容を、これほどのエンタメ性を備えながら描ききった作品を他に知りません。ウェブ版はもう夢中になって読み耽りました。あまりの面白さに睡眠時間消し飛びましたからね。是非是非に書籍化して欲しかった作品ですから、もうこれは嬉しい。
しかもイラストがまさかのTHORES柴本先生。まじで真逆ですよ。逆にコミカライズを担当するのが野上武志先生、とこれはさもあらんとしか言いようがなく。もうこの人しか居ないだろうって人を起用してきたなあ。ただこの作品情報の量も質も凄まじいことになるので、コミカライズは本当に至難となるでしょうし大変だぞお。