【やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます 2】  MIZUNA/ Ruki TOブックス

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断罪回避を目指す転生少年リッドは、病気の母の特効薬の素材がある隣国レナルーテを目指す。その矢先、父ライナーが王女との政略結婚を取り付けてきた。  これ幸いと即会いに行くが──向こうには悪役モブを忌み嫌う派閥ができていて?早速襲い掛かる陰湿な小細工の数々。当然疲弊するかと思いきや、世界をまたにかける悪童にそんな小細工は通じない。壊れた装備を渡されようが、暗殺の憂き目に遭おうが、無論全てお見通し! 桜舞う天守閣を舞台に、怒りの剣舞が咲き乱れ、小賢しい悪党全て一刀両断!それでも大切な母と妹の命を脅かしてくるが……? 「この政略結婚、譲りませんよ?」“型破りな悪役神童”が怒髪天を突く、ハートフル家族再創造計画第2弾!

レナルーテってリッドたちの領地である辺境領のまさに隣なんでしょ? 作中にある地図を見ても、地続きの普通の隣の土地なんですよね。峻厳な山脈や前人未到の森林に人の行き来を閉ざされている、という訳でもない。にも関わらず、これ文化圏が全然違うだろう、という和風の風俗風習を持つ国なんですよね、ダークエルフの国レナルーテって。
現在は最近あったレナルーテが密かにマグノリア帝国の属国となるきっかけとなった事件のお陰で、マグノリアの文化が流入して和洋折衷みたいな文化になってる、という話なんだけれど、これまでは全く文化交流みたいなのなかったんだろうか。ここまで隣接した国で文化的な影響がこれほど断絶しているというのも珍しいくらいで、どういう設定なんでしょうかね。

さて、1巻で街角で迷子になっていたダークエルフの少女を助けた事がありましたけれど、偶然なのか……これ本当に偶然なんですね、図られたことではなくて。その彼女、レナルーテの王女だったファラと国同士の密約もあってこのたび婚約者となることに。
と、そう簡単には行かずに挨拶に向かったレナルーテでひと悶着に巻き込まれるのですけれど。もっと、実は既にファラと出会っていた、という点を突き詰めて彼女との交流をメインにレナルーテでの話を進めていくのかと思ったら、わりと後半までファラとリッドが直接対面する話にならなかったですね。
そこに至るまでに、レナルーテでの国内政治、実権を握ろうと派閥を形成して好き勝手する王妃の外戚のおっさんが、ファラと皇族ではなく辺境伯の息子に過ぎない格落ちのリッドとの婚姻に反対して邪魔してくる、というお話に。
ファラの婚約者候補であるリッドを貶めることで、こんなやつは王女の婚約者にふさわしくない、という空気に持っていこうとするおっさんノリスでありますけれど……ちょっと待って欲しい。
この物語の主人公であるリッドって、まだ6歳なんですよね。彼がいわば天才少年であることはバルディア領では周知の事実だからまだいいとしても、何も知らん他国の人が6歳の幼児相手に礼儀作法に基づいた公式の場での挨拶を共用したり、決闘させたり、魔法の演舞をやらせようとしたり。って、幾ら何でも大人気なさすぎないですか? 6歳の子供ですよ? まだ幼児ですよ? 迷子になったら泣いちゃう年齢ですよ? そんな子供を虐めて、それで国のメンツが保てると本気で思ってるんだろうか。絵面的にも最悪じゃないですか。6歳ですよ? 6歳の子供を木刀でひっぱたいて泣かすとか、普通の感性ならバツが悪くなって罪悪感半端ないですよ。
リッドが大人びすぎていて、試練を課されることに違和感がないのかもしれませんけれど。何も知らない他国の人間がやることとしては品性があまりにも下劣すぎるよなあ。このおっさん、品性下劣なんだけれど、それで支持を受けるんだろうか。
そもそも、他国の要人相手に失礼だと思わんのだろうか、このおっさん。対等の同盟国相手でも外交儀礼的に万死に値する行為だぞ。帝国側としては舐められすぎていて、これ対抗措置取らないとそれこそメンツが立たない事態だ。まあこれがまかり通ると思っている時点で、おっさんダメダメなんだけれど。
でも、おっさんと政治的に対立する立場にあるファラの父である国王陛下からしても、こんなんを配下に許して同盟国……実態は従属しているので主筋に当たる国の大貴族の父子をこういう扱いして大丈夫だと思ってるのか? と、危惧していたらどうやら事前にちゃんとライナーパパと相談した上で、ライナーたちの来訪を引き金にして、国内の不穏分子を粛清する謀略を仕掛けてたんですね。ちょっと安心した。
ライナーパパも、本来はそこまで踏み込むつもりなかったのかもしれないけれど、リッドが想定を超えてはちゃめちゃやりはじめたので、当初は簡単に爪を見せるなよ、と頭抱えていたもののいい加減開き直ったのか、少なくともレイナス王子を矯正できた時点でこれはもう貸しは貸せるだけ積み上げてしまえ、となったんですかね? 武闘派で知られるライナーパパですけれど、辺境伯を任せられるということはそれだけ食わせ者としての資質もないといけないんだよなあ、というのを改めて知った次第。
巻末の過去編を見ると、父や妻のナナリーの義父も謀殺されてかなり厳しい綱渡りを敷いられてきた過去があるだけに、脳筋じゃやってられなかったんでしょうね。それでも、妻ナナリーが不治の病にかかって余命幾ばくもなし、となった時はもう捨て鉢になっちゃって色々と放棄しちゃってたんでしょうけれど。
本当にしんどいときに、身一つで飛び込んできてくれた奥さんだったんですから、そりゃ彼女の死は心の支えを無くすようなものだったんだろうなあ。幸いにしてリッドの前世の覚醒もあって、大黒柱が失われることは避けられたわけですけれど。

そんな両親ほど劇的じゃないですけれど、リッドとファラの顔合わせは微笑ましくも睦まじいものになって、なんともほかほかした気分に。いやでも、ファラも6歳というには大人びすぎてるし。これ倍の12歳くらいでも全然おかしくなかったんじゃないだろうか。6歳は幼すぎるよ。
6歳の幼児相手に本気になる天才剣士アスナ、とかやっぱり絵面が酷いw
このアスナさん、ファラの側近でありつつ剣士としてリッドにぞっこんなってるんだけれど、将来的にどういうポディションになるんだ? 相手はとりあえず6歳なんですけど? そういう意味では商会のクリスも6歳児にご執心だし、こっちはほぼギルティ?
幼馴染からリッドの仲介もあって恋人となり、順調な交際を進めている騎士ルーベンスとディアナがこうしてみると凄く健全に見えるぞw

あと、巻末で1巻に引き続いて独自の物語を繰り広げているスライムとシャドウクーガー、これはいったいどこへ行こうとしてるんだろう。単に異種族同士で親友となったコンビの話かと思ったら、なんか番にまで進展しちゃったんですけど!? 凄い、異種族間恋愛にしても普通は片割れは人間なのに、これガチで種族違う魔物同士のラブじゃないですかー。