
【落ちこぼれ神刀使い、剣聖幼馴染とともに最強に至る】 妹尾尻尾/鍋島テツヒロ Mノベルス
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生まれつき魔力が非常に少なかったヴァンは憧れの存在であり、最強の称号でもある「双聖騎士」を目指してただ一心に剣を磨いていた。
そんな中、莫大な魔力を持った少女ルミナと出会い、小さいながらも二人は「双聖騎士」を目指して修行を繰り返していた。
しかし、ある日ルミナの魔力を狙った魔族がヴァンたちを襲う事件が発生する。
刀の付喪神シロの手助けもあり、事件はひとまずの解決を図るも、ルミナの王都への移送が決まった。
時が経ち、王都にて人界無双の麗しき剣聖とまで称されるようになったルミナを追って、ヴァンはルミナの妹のクロエとともに王国で行われる騎士入団試験を受けることに……
二人の最強が遥か高みを目指す本格剣戟ファンタジー開幕!
うわぁ、この主人公のヴァンくん、すごくイイ子だ。めちゃめちゃいい子だ!!
こういう主人公ってほんと好き。ストライクに好きですわ。
素直で大らか。すぐに人の良いところを見つけて、そこに注視して人を見るので人当たりが凄く良いんですよ。
だからか、悪意や蔑みをぶつけられても全然気にしないの。これは人の悪意に鈍感だったり自己評価が低いからってわけじゃないんですよね。むしろ人の気持ちには敏感だし、自分の力量に関しては客観的である種の自信みたいなものがあるんじゃないだろうか。だから、魔力がわずかしかない事も単なる事実でしかなく、コンプレックスとして抱えていないし、そこをチクチクとイジられても気にしないんですよね。
大らかで鷹揚な気質がそういう刺々しい感情や意識をまるっと包み込んで和ませてしまう。相手とすれば肩透かしなんですよ。不思議と相手はバカにされたみたいな勝手に煽られたような気持ちにはならないし、ヴァンくん剣術の方で正しく隔絶した実力を示してもいるんで、見くびられることもない。
真っ直ぐで一本気な性格は気持ちがいいし、一度信じると決めたら大木のようにゆるぎがない。相手を見下すような傲慢な気質の人間でも彼に対しては対等の相手として認めてしまうような信頼感があり、心に暗い影を抱えてしまいヴァンくんのような人間を眩しく遠い人間だと思ってしまうような人でも、人懐っこく心寄せてきてくれて全幅の信頼を寄せてくるヴァンくん、無い勇気を振り絞って彼の信頼に応えたくなってしまう。
これだけ隔絶した力量を持った人間にも関わらず、ヴァンくんは周りに凄く期待を寄せてくれるんですよ。こんな熱い快男児に心から信頼されたらさ、誰だって嬉しくなっちゃうし、その期待になんとしても応えたくなってしまう。
そもそも、幼馴染のルミナと二人で並び立つ双聖騎士になろう、と夢を抱いて頑張る男の子なだけに、一人突出して置いてけぼりにして突き抜けてしまうタイプの主人公じゃないんですよね。
あれだけ意味不明なくらい強いのに、この子は周りを巻き込んで一緒にもっと強くなっていくタイプなのだ。
相方となるルミナからして、最もそんなヴァンくんの影響を受けてる娘だしねえ。彼女に関しては、常にヴァンよりも先に進んでいなくてはいけない、という制約を受けてしまったのでかなり必死こく事になってしまっているのですけれど、へこたれずに頂上に立ち続けている偉い娘なのである。
これだけお互いを無二の存在として意識している幼馴染関係なのですから、これはもうほぼルミナとヴァンくん二人で完結する話なのかな、と思ってたら意外や意外。ルミナの妹のクロエが予想外に大きな存在感を示してるんですよね。
ルミナが先行して中央に行ってしまった分、後発のヴァンくんにはクロエが一緒に行動しているのですけれど、この娘がヴァンくんの相棒として滅茶苦茶頑張るんですよ。明らかな天才であるヴァンくんやルミナと違って、クロエは自他ともに秀才として位置づけられているのだけれどヴァンくんのためにその秀才の枠を打ち壊す勢いで限界突破して根性見せるのである。空に輝く星であるヴァンやルミナと同じ領域に、彼らを空の孤独な星にしないように彼らにとっての星になるべく、血反吐を吐いてその果てに辿り着くのだ。
作中、1番カッコよかったのこの娘だったんじゃないだろうか。
ヴァンくんが絶大な信頼を持って背中任せているのは、このクロエだし。何ならこの妹分のこと、ある意味ルミナよりも大切にしている節もありますし。何気に割って入る余地のなさそうなヴァンくんとルミナと同じステージに割って入ってるんですよねえ。
そして、同じチームのメンバーのもう一人が男の子というのがこれ結構珍しいんじゃないだろうか。普通安牌に女の子入れちゃいますもんね。このメンバーのアレックスがまた陰気で自分に自信が持てないネガティブな気質で、優秀な兄にコンプレックスを抱きその兄から自分の在り方を全否定されていて、まあ精神的にけっこうメタメタなわけですよ。そんな彼にとって、自分と似て魔力ほとんど無いにも関わらず、前衛として剣士として無類の力を発揮し、また性格的にも明るく真っ直ぐで光そのものなヴァンくんというのは、眩しすぎる存在で複雑な想いを抱えてしまっているわけだ。
ここで、眩しく妬ましく想いながらも、それ以上のマイナスな感情を向けずむしろ羨望を強くしているあたり、このアレックスの優しい性格の良さがうかがえるんだけれど。ヴァンくんもまあ、この陰気な青年の良いところばっかり見つけるわけですよ。斥候としてのずば抜けた実力、逃げグセがあるという性格もここぞというときには絶対に引かない芯の強さを彼の中に見出しているし。いやそういう良かった探しをしなくても、そういうの関係なしにアレックスに対して真っ直ぐな信頼を寄せてくるんですよね。そして、引っ張るんじゃなくてヴァンくんの方から懐くようにグイグイ絡んでくる。
ほかほかと暖かくてキラキラと輝いているヴァンくんの光は、彼のためにと皆に勇気を振り絞らせる。
騎士団の入団試験で、ヴァンくんを見下し蔑み喧嘩をうってきたバカルディ三兄弟も、まあヴァンくんの料理に餌付けされた、という過程もありましたけれど、お互い死地で支え合う信頼で結ばれた戦友同士になってましたし。
ヴァンくん達ほどの隔絶した実力の持ち主たちですら死を覚悟せざるを得ないような死地がクライマックスで待っていましたけれど、この周りを巻き込んで燃え上がる展開は盛り上がったなあ。
まあ下が頑張っているわりに、上が信じられないくらいクソな状況でそのあおりを食うはめになったのですけれど。単純に上が無能というわけじゃなくて、権力機構が老害によって機能不全起こしているあたりがリアリティあってげんなりしてしまった。船頭多くして船山に登る、の典型的悪例だわなあ、これ。
現状、ヴァンくんやルミナ含めて、この機能不全起こしている指揮系統にテコ入れとか刷新をもたらせる政治に首突っ込めるような人材が登場人物の中にいないので、次回以降改善の期待が持てないんだけれど、そっち側に手を出せる王族とかの新キャラとか登場するんだろうか。























































































































































































































































































































































































































































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