ああ……凄いレースやった。もうブルブル震えるようなレースやった。敵わんなあ、たまらんなあ。

1着 ドウデュース。

武豊、復活の勝利。怪我で秋にこの馬に乗れず、しかしこのおドウに乗るために50を超える年齢にも関わらず、驚異的な回復力で帰ってきた男。この日曜日、武さんが乗ったのはこの一鞍のみである。
こんなんもう、劇的すぎるやろう。イクイノックスが去ったあと、そこで最強を証明したのはイクイノックスに勝ったこの牡である。あのイクイを倒した馬が、易易と負けてたまるかよ。
お前がいなくなっても俺がいる。それを名実ともに証明してみせた、最強の走りでありました。そして、人馬一体最高のコンビってのはこういうのを言うんだよ。松島オーナーも、なんかもうたまんないでしょうね、これ。
レースの方はまさかの後方から。しかも後方2番手あたりで序盤進めましたよね。これは意図的だったんでしょう、武さん前行かす様子も見えませんでしたし。このレースにおけるドウデュースにとっての最適解がそこだと見込んだのか。後方でじっくりとおドウの走る気を落ち着かせつつパワーを溜めて、ってこの塩梅の見極めはまさに相棒たる武豊にしか出来ないコンビプレイ。
リリーフした戸崎さんがあかん、ってわけじゃないんですけどね。むしろ、天皇賞秋、ジャパンカップと難しい馬であるドウデュースをすごく丁寧に乗りはったと思うんですよね。武豊は十全ドウデュースの力を引き出せる相棒でしょうけれど、その十全に足るパワーを損なわずに充填したままバトンタッチした戸崎さんには頭さがります。
白眉はやはり3コーナーから馬なりで上がっていくシーンでしょう。この時点で手応えがもう化け物だった。このドウデュースがダービーだけに一発屋じゃない本物の怪物級だと思い知らせてくれた京都記念のすさまじい勝ち方を彷彿とさせる馬なりで位置をグイグイとあげていくあの走りは、痺れたなあ。
そして最後のスターズオンアースとの叩きあい、ゴール寸前で粘るタイトルホルダーをきっちり躱してゴール板を突き抜けたシーンは、もう今年もこれ伝説の有馬記念でしょう。最高じゃないですか、なんだこれ、もうなんだこれ!?


ふぁあああ

あと、青嶋アナのゴール前の実況はもうこれ最高でしょ。


2着スターズオンアース。
だからこの馬もルメールも怪物か!? 魔の8枠絶望の16番を引きながら、ついに馬券圏内に叩き込んできましたよ、この一頭と一人と来たら。
スタートがまた素晴らしいのなんの。あのロケットスタートが大外枠ながらあの絶望領域を突破する最大要因だったんじゃないでしょうか。あれでほんと大外のロスを最低限に減らせたと思う。抽選会であの枠順引いちゃってからずっとルメさんこのスタートに賭けることを考えてたんだろうなあ。このスタートをクリアすることが、スターズにとっての勝ち負けになる条件だとルメール覚悟据えたんでしょう。
対照的にこの大外枠の不利を思いっきり踏んでしまったのが15番のスルーセブンシーズ。スタートから後方に置いていかれ馬群の一番外側を回らされ、しかも前に他馬を置けない状態になり馬が落ち着かずにもうかかりっぱなしになってしまいました。ドリジャ産駒のアウトなところがもろに出てしまった感じ。目一杯の仕上げもメンタルのキレキレ具合に繋がっちゃったんでしょうか。馬群の中で脚をためる展開になっていれば違ったんでしょうか。いずれにしても、持ち得る力を発揮できずに沈んでしまったレースとなりました。
対してスターズはもうルメさんマジックですよ。それに応えるスターズの実力も半端ない。
惜しむらくは、本当に惜しむらくは3コーナーでスターズうちによれちゃったんですよ。柵に激突して急減速してしまった。ここから再加速して再び2番手に出るんだけれど、このロスが本当に大きかった。まじでこの分だけドウデュースに遅れを取ったって感じなんですよね。まさに同じこの時に馬なりで位置あげていったドウデュースと対称的な展開になってしまった。
まじでこれなかったら勝ってた可能性十分あります。惜しい。もうめちゃくちゃ惜しい。
ともあれ、本調子で走った時のスターズオンアースはやっぱり怪物です。リバティにだって負けないよ!

そして3着。3着にタイトルホルダーですよ。感動した、もう感動した、頑張った、よく走った。引退レースに相応しい激走でした。横山和生ジョッキーのカッコよかったというコメントが全部代弁してくれてますよ。めちゃくちゃ格好良かったよ、タイトルホルダー!! ラップ見たら、和兄さんまあ完璧なタイムですよ。タイトルホルダーに求められる最適の走りをしてみせた。
惜しむらくは、全盛期からはやはり衰えが見られたことか。スタート、全盛期ならもっとスルスルと抜けて先頭に立って、もっと勢いの余裕稼げていたんじゃないかな。そして最後の直線、かつての無尽蔵のスタミナをもってすればもう一声残せたと思えてしまう、願ってしまう。
それでも、このラップで引きずり回して皆の切れ味叩き潰してくれましたからね。往時の殲滅戦を彷彿とさせる、後ろを引きずり回す圧巻の走りの一欠けを最後にもう一度見せてくれたことが嬉しい、本当に頑張った、カッコよかった。そして、ジャスティンパレスに最後の最後まで前を譲らなかった意地。
エースの引き際、見せてもらいましたよ。


4着にジャスティンパレス。
スタートで行き足が伸びず最後方からの競馬になってしまいました。元々後ろから行く馬ですけれど、タイホにこのペースこの展開にされるとやはり苦しい。それでも、4着にまで伸びてくるのはこの馬の強さと思っていいでしょう。ドウデュースにこそイクイの後継の称号を持っていかれてしまいましたが、来年もう一度まっこうからドウデュースと世代最強、現役最強を競うがよい。

5着シャフリヤール。
完璧ピークに持っていった香港に出られず、この海外からの緊急輸送という体調整えるのが難しい状況で、まじで掲示板外さなかったな、シャフリヤール。これは万全だった香港で走ってたら絶対勝ってたよ、と考えちゃうよね。そして、どんな状況でも常にベストを尽くし、常に結果を残してきたシャフリヤール、まさに偉大なる馬でした。これで彼も引退ですよ。いやああんたもすげえダービー馬だったよ……あれ? 引退じゃないの!? 現役続行なの!? どっちなの!?

6着タスティエーラ
3歳の牡馬たちはまだまだこのメンツの中に入ると1段力不足……なんかないってばよ!! 最後の直線、内に切り込んできたジャスティンパレスと内にいたスルーセブンシーズとの間に挟まれて思いっきり進路潰され急ブレーキ進路変更。そっからもっかいギア入れ直して再加速して猛追したの、根性ありますし実際強かったと思いますよ。あそこパレスに一歩負けずに身体ねじ込めていたらパレスと同じ勢いでゴールまで伸びてたくらいありそうでしたよ。プラス18キロ分一瞬の瞬発力が必要だったんだろうか、この場合。いやでも、こんなもんじゃないってレースはしたと思う。来年、この馬の本気を是非見てみたい。

7着ウインマリリン
しれっとこのメンツの中で7着に入っちゃってるマリリン、まじ名牝すぎませんか!? いやもうまじでタイホに追いつけ、おドウとスターズに負けるな、とばかりに追随してギアあげてぶっ飛んでくる集団の中にしっかり混ざってるんですから。最後までみっともないレースはしない、最後まできっちりと走り切る22戦して半数を超える12戦をG1で走った最前線の散らぬ花のような強い女性でありました。これからは繁殖にまわりスクリーンヒーローの、グラスワンダーの、ダイナアクトレスの血を母系で繋いでいってください。


8着ソールオリエンス
案の定、最内枠1番で苦しみ馬群で揉まれ、前を塞がれ行くに行けないまったく競馬できないレースとなってしまいました。行こう行こうと馬はしてるんですけどね。やっぱり川田ジョッキーはこういう展開だとこうなっちゃうよなあ。

ハーパーはまだまだこれから。上澄みの同世代と比べるとどうしても格が違ってるけど、ここから成長して追いつけるかしら。
ライラックもちょっとまだ力不足でしたね。後方から前に行けなかった。
ディープボンドは良いところ無しでしたねえ。こういうレースの場合は前で前でで競馬してほしかったけれど、そういう位置取りがほんと出来なくなってきている。馬にかつてのみなぎるような覇気ややる気がだいぶなくなっちゃってる感じなんだよなあ。


いや、改めて振り返ってももう素晴らしいレースでした。一年を締めくくるレースに相応しいドラマが満載で、勝った馬も負けた馬も総じて「強い!!」と思わせてくれる感じさせてくれるレースなんて早々ありませんよ。
個人的にはタイトルホルダー推しだったんで、もうタイホタイホで感動しっぱなしの有馬記念でした。
菊花賞のあの幻惑の逃げで脳をやられ、天皇賞(春)の殲滅戦で脳を焼かれ、以来ずっとタイトルホルダー推しだった身としては、この最後のレースはたまらんものがありました。
ようやった、本当に格好良かった。もう泣くわー!!
これからは種牡馬として、早世した父ドゥラメンテの後継種牡馬として、イクイに負けない産駒の活躍を期待させてください。タイホの子供かーー、今から想像しただけであがりますわ。