【やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます ３】 MIZUNA／ Ruki TOブックス
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隣国の陰謀を破ったリッドは、ついに母の病の特効薬素材「ルーテ草」がある魔の森に辿り着く。早速薬師に会いに行くが──“反バルディア派”の圧力で入手不可能の事態に陥っていた。
だが、ゲーム世界を知り尽くす悪役モブはほくそ笑む。圧政が、奴隷ドワーフや魔物の禁止販売にまで及ぶ弱みにけ付け込み、犯罪行為を告発することに。魔力封印された猫に、幼いドワーフ、最弱スライム。彼らを解放し、いざ嫌われ悪役チームで外道を切り裂く！
「もふもふを舐めてもらっては困ります」
猫の巨大モフ化に、燃え盛る魔刀鍛冶！”型破りな腹黒神童”のハートフル家族再創造ファンジター第３弾！
レナルーテの暗部を司っているザックさん、挿絵がこの巻ではじめて付いたんですけれどちょっと悪人顔すぎませんか？！ ちょうど拷問するシーンだったので余計に邪悪さがにじみ出てしまっていたのかもしれませんけれど。
拷問といっても【姫様、拷問の時間です】みたいな拷問じゃなくて、一般的拷問ですからね！
もう邪妖精か悪魔かという顔なんですよねえ。見ただけで子供泣きそうな顔してるぞ。
とはいえこの人はリッドの婚約者となるファラの祖父みたいな立場の人であり、一応国は違えどリッドの事を気に入って見込んでくれている人なので味方サイドのはずなんですが。油断はできないにしろ。
前回でレナルーテ王国の主だったがん細胞となっていた外戚は排除できたので、リッドとファラの婚約を脅かす者はもういないのである。あとはもう帰るだけなのかと思ってたのだけれど、そう言えば母親の魔力枯渇病を完治させるために必要な薬草を見つける、という目的もあったんだったか。
それを求めてこっそりとファラたちと城下町にお忍びで降りて探索するうちに、悪代官を誅する暴れん坊将軍みたいなことをするはめに。普通になんか時代劇のノリでしたなあ。リッドは暴れん坊将軍どころか女装メイドになってましたけれど。
ただ、父上に断りもせずに勝手にこっそりと城下町に抜け出てしまっていたために、あとでめちゃくちゃ怒られることに。一応反省はしているつもりのリッドなんだけれど、どうも結果さえ良かったらいいじゃない、という思想の軛から抜け出せてない感じがあるんだよなあ。ライナー父様としては、彼の筋を通さない横紙破りを良しとする考え方は貴族としても責任ある立場となった時にも大きな瑕疵になりかねないと危惧してるんだろうけれど、いまいち伝え方が甘いんだよなあ。ディアナの処分にしても、あれは処分になってない配置転換か場合によっては昇格と言って良いものでしたし。
リッドのやりすぎに関しても、それを問題視するなら事前にちゃんとどこまでやっても大丈夫なのかをもっと詳細まで詰めて話し合っておくべきなんですよね。リッドの事を何もわかっていない子供じゃなくて、聡明で見識も深い年不相応の相手として認めているなら、尚更に。
まあこの父子に関しては話し合いが足りないということはなく、ライナー父上もリッドを子供扱いせずに色々とちゃんと話している方だと思うんですけどね。むしろ、リッドの方が勝手しすぎなのは間違いない。
全然話ができていないのは、ファラとエルティア母の方ですね。こちらは母親の方が愛情故に一方的に無理を強いすぎ、という典型的独善暴走型である。未来のファラのため、と純粋に子供のためを思ってのこと。自分の見栄や思想のために子供を出汁にしている、というタイプではないのだけれど、徹底してファラを突き放し愛情を見せない、というのは未来のファラの事を思いすぎてそこに至るまでに娘を壊しかねない愚行なんですよね。ファラ、まだまともにちゃんと情緒も正しく育ってますけれど、ここまで両親からの愛情を感じえない環境で育ったら、もっと人格ぶっ壊れてても全然不思議じゃないんですよね。異国の過酷な環境で孤独に耐えられるように、そもそも親にも国にも情を持たないように育てよう、ってそれはもう怪物の育成法みたいなもんですよ。ヴォルデモート卿みたいなのが出来ますよ。
いやまじでファラはよくこんな環境でまともに育ったよなあ。
あと、なんでレイシス王子にメイド女装したリッドが一目惚れされたとき、ちゃんと正体明かさなかったんだろう。いや、異国の貴族の嫡男が、それも妹の婚約者になろうとしている人物が女装なんかしてたのをレイシスに知られたら色々と問題だ、というのはわかるんだけれど、現在を誤魔化したところで後々余計に拗れるだけなのに。特にちゃんとした方策考えずになあなあでなかったことにしようとしているの、泥縄すぎて完全に選択ミスってるんだよなあ。正式にそのリッドが扮装したメイドのことレイシスから問い合わせきたら、そんな人居ませんで済むはずないじゃないｗ
色々とリッドって場当たり的というか、あとのこと考えないで行き当たりばったりで対処してしまう事が多いんじゃないか、という例が幾つも散見される巻でもありました。
１，２巻と巻末のオマケで話が進行していたシャドウクーガーとスライムの異色の魔物夫婦も、わりとサクッと合流することに。いやこれ、ちょっと簡単にこっちに懐いちゃってちょっと拍子抜けなくらいだったんですけれど。なんでこんなに懐いたんだ？と不思議なくらい唐突だったしなあ。
ともあれ、これでファラとリッドの婚約者同士以外にも、ディアナとルーベンスという幼馴染騎士カップルにクーガーとスライムの魔物カップルと公式カップリングが二組も誕生して、どうやら他にも主人公以外にもカップリングが成立していくみたいなので、そちらはちょっと楽しみかな。
ファラの護衛のアスナも、なんかルーベンスに興味持ってるみたいだったのでまさかディアナとの三角関係になるの？とちと期待していたのですけれど、そういう危ない橋は渡らなさそう。なんかネルスあたりとイベントあるんだろうか。
