【エロマンガ先生 11.妹たちのパジャマパーティ】  伏見 つかさ/かんざき ひろ 電撃文庫

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紗霧たちのコイバナが炸裂!? ひみつのパジャマパーティ開催!

エルフの猛アプローチによって、マサムネは紗霧と喧嘩をしてしまう。
悩める兄妹は、それぞれ親しい人たちに恋愛相談を始めるのだが……。
智恵やめぐみ、鈴音と恋バナをすることになったマサムネは、カラオケボックスの個室に連れ込まれて……。
一方紗霧が、恋愛相談の相手として選んだのは、とある妹好きのオタク美少女で……。乗せられた紗霧は、『新妻妹』へと進化する。
和泉家で催されたパジャマパーティに集ったのは、紗霧、ムラマサ、めぐみ、アルミ、京香。
「私の」「あたしの」「オレ様の」
「好きな人は――――」
女の子だけの恋バナで、彼女たちの秘められた想い人が明らかになる――!




積んでたシリーズも偶には崩していかないとキャンペーン、その1。
調べてみたら10巻を読んだのは4年半前だったよっ! 嘘だ、前に読んだのこの間だよ? この間ってどれくらいまえかっていうと、半年くらい前だよっ!?
しかし、事実は19年の9月読了である。
最近ではこういうのってフリーレン現象というらしいですね。うん、言われてみたら、確かにこれフリーレンと同じ反応だわ。そうか、そうだったのか。これが、長命種の感覚ッ! そして、中年くらいの年齢でそれを味わえる人類種のお手軽さよっ!
葬送のフリーレン読んだりアニメ見たりしたときは、これからはフリーレンの方に共感しよう。

さて内容の方はと言うと、狭霧とマサムネが正式にお付き合いすることになったんですよね? ……でしたよね? 相思相愛を確かめあったのは間違いないはず。
ついこの間のことでも覚えてないので、最近も大昔も変わらないんだよ、うん。
前回はムラマサ先生の学校の文化祭にお邪魔して、小説家のムラマサ先生ではなく学生の花ちゃんとしての普段のこれまで見たことのない彼女の魅力を拝見しよう、というお話だったんでしたよね。
そして、今回は相思相愛になった狭霧とマサムネのお互いへの恋情の深さ、想いの一途さを改めて確認しよう、とでも言うような女子会での恋バナイベントでありました。
ひたすら惚気け合うお話でもありました。
そして思いっきり蹴っ飛ばされて這いつくばることになる名誉負けヒロインな智恵ちゃん。
なんかこの娘は一番真っ向から狭霧とマサムネの交際だか婚約を受け止めて、キャプテン翼の石崎くんのごとく盛大にふっとばされて、聖闘士星矢の車田落ちのごとく顔面から地面に激突するかのようなダメージの受け方をしてくれていて、まさに負けヒロインの鑑みたいな娘である。
エルフとかムラマサ先生は基本頭おかしいので、現実が通用しないだけにコメディ調にちゃんと負けヒロインやってくれる智恵ちゃんはほんと貴重な逸材でありましたよ。
狭霧の同級生のめぐみは結局、舞台下からあがってこないポディションでしたからねえ。いや、それをいうと智恵ちゃんも舞台の袖で騒いでいるばかりだったんですけれど。

今回、女子連中を狭霧が集めてパジャマパーティー女子会を行い、みんなの恋バナを収集してマサムネのネタ集めに利用するよ、というのは建前でこれ狭霧の勝利宣言、とまでは言わないけれど、自分のマサムネへの想いをみんなにちゃんと知ってほしい、知らしめたいという発表の場であった、とも言えるんじゃないでしょうか。
いわば、惚気けてやるぜーっ! の場である。
まあなんだかんだ、表沙汰に出来ない想いでもありましたからね。仮にも義理でも兄妹だったわけですから。そして、お互い同士でも遠慮があり、本心を言えない同士の壁があり、ずっと耐えてきたわけですから。
そういう壁やら枷がなくなり、隠しておかなくてはならない必然性もなくなり、お互い相思相愛だとわかって何の遠慮もなく本心を叫べるようになった。想いの発露を思いとどまらくてもよくなった。
狭霧もマサムネも、この巻では火山の噴火のごとく、繕わない衒わない本心本音そのままの相手への好きな人への想いを、どんな形でどんなふうにその恋を育んできたのかを。そして出来上がった今の愛情の形を、余すこと無く吐き出していくのである。
惚気も惚気けの砂糖大量噴出だ。
そして、そこから見えてくるのはマサムネという男の一心不乱の一途さである。どれだけ彼が狭霧という少女を長年想い続けてきたか、という積年の想いの深さ重さ高さ輝きの強さだ。鉄壁なんてもんじゃない、本気で一切ブレずぐらつかず揺るぎなく、狭霧だけを思ってるんですよね、こいつ。
どれだけ堅い装甲なんだ。城壁なんだ、と思わせられる難攻不落さ。
逆に言うと、ここまで直線に堅牢さをこれでもかこれでもかと補強しないと抗し得ないくらい、エルフ先生のアプローチは強いも強い、強すぎるんですよね。
このままだと、マサムネの防御は一蹴されかねない、一瞬で陥落しかねない、という不安が作者先生側にもあったんじゃないだろうか、と思ってしまうくらいのこの巻における狭霧とマサムネカップルのラブラブ時空創世記だったんですよね。
そして、それだけしてなお、エルフ先生必敗の光景は見えてこない。むしろ、この巻まで狭霧勝てるの? とすら思えていたから、だいぶ挽回したとすら言えるんだけれど、ここまでしてもまだ勝ち確定を確信できないエルフ先生の恋愛モンスターっぷりですよ。
パジャマパーティーに肝心のエルフ先生が病欠、というのもラスボスの彼女のチャージという理由もあるんでしょう。
さあ、この三人の関係の決着はいかなるゴールを迎えるのか。いや、シリーズだいぶ前に完結してるから、もう決着してるんですけどね。でも自分はまだ知らないのでセーフ。

しかし、今回ガールズの恋バナということで京香叔母さんの兄へのガチ恋失恋話が具体的に聞けてしまうのかとちょっと期待したんだけれど、抽象的な感じで終わってしまったなあ。いや、ガチでされると生々しいことになりかねないんだが。いや、生々しくすら慣れなかったんでしたっけw



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