【毎晩ちゅーしてデレる吸血鬼のお姫様】  岩柄 イズカ/かにビーム GA文庫

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「あなたの血がもっと美味しくなるように私がお世話してあげるのです!」
吸血鬼なのに血が苦手なお姫様は、なぜか僕の血で酔いデレる!?

「ねえ、しろー……ちゅーしていいですか?」
普通の青春を送るため上京してきた紅月史郎は学校の帰り道、吸血鬼のテトラと出会う。
人間離れした美しさとスタイルを持つ彼女だが、実は吸血鬼なのに血が苦手だという。
史郎は新鮮な血でないと飲めないというテトラの空腹を満たすため血を差し出す。「そこまで言うなら味見してあげなくもないのですよ?」と言いながらひと口飲むと次第に表情がとろけだし――?
「しろーの、もっと欲しいです……」
なぜか史郎の血と相性が良すぎて依存してしまいテトラの好意がだだ漏れに!?
毎晩ちゅーをせがむ吸血鬼のお姫様とのデレ甘ラブコメ!!

このテトラさん、ちょっと叡智すぎないですかね!?
いや、色気たっぷりとかやたらとセクシーとかそういうタイプじゃないんですよ。むしろ男を苦手としている分、そういう性的な雰囲気は忌避しているきらいすらある方で。
それに胸はかなりの大きさみたいですけれど、どちらかというと幼い感じすらある少女なので、色気や艶は似合わない無垢で幼気な感じの娘なのである。
にも関わらず、とにかくふとした発言や仕草がやたらと叡智なんですけど。本人無自覚で、意図したものではない天然無垢さゆえに、余計に叡智なんですけど!?
作者さん、そのへんかなり意図的に書いていたらしい事はあとがきで触れているので、その塩梅がやばいですよ、天才かっ!?
なんというナチュラルボーン叡智吸血少女でありますか。

シチュエーションとしては小難しい世界観や登場人物の背景などは敢えて置いておいて、とかくテトラと史郎という年頃の男女のボーイ・ミーツ・ガールから二人がトントン拍子で仲良くなり、好意が乗算されていき両思いでイチャイチャが加速していく、イチャラブ一点突破のお話なんですよね。
要点をひたすら集約して収束レーザー砲にでもしたような威力でありました。
そもそも、速攻で史郎くんを自宅に住まわせて一緒に暮らすというメイドさん付きですけど、同棲ですからね、同棲。展開に躊躇がないw
一方で、史郎の方はほぼ一目惚れだったのに対して、人間嫌い男嫌いだったテトラの方はまだ史郎に対して警戒している(つもりだけどほどこの段階でデレている)状態で、名目的には史郎をペット兼献血相手という建前で受け入れたわけですけれど、実は幼馴染だったというお約束の発覚はトドメとしても、それ以前にすでに多段式ロケットのようにガンガンデレが進んでましたからねえ。
このへんのひたすら糖度がマシていく両思い同士のデレデレっぷりがまた最高でありました。
一応ペットとかテトラは言ってますけれど、よっぽどテトラのほうがペットっぽいんですよ。構ってニャンコのごとく、史郎にベッタリで年頃の男の子に対してその距離感は致死量ですよ?と言いたくなるくらいペタペタと暇さえあればひっついて、なんというスキンシップ過多。
しかも、当人テトラは特に意図して誘惑しているとかではなく、本当に無自覚なものだからこれがまた叡智叡智。実際は無垢で初心な側面の強い娘だから、そういう娘が無自覚に誘ってんだろ?と言わんばかりのスキンシップ、密接な距離感詰めてくるの、ほんとやばいです。凶器です。
そのうえで、だだ甘ばかりじゃなくて、テトラさん基本ツンと澄ましていて良家のお嬢様らしく居丈高でもあり、甘えながらも偉そうに振る舞って……こういう所もネコっぽくてまた可愛さ限界突破しているのですけれど。
そして段々デレが本格化してくると、無自覚無防備に自覚的なものまで生じてくるんですよね。
人間社会に無知だったが故に誤解でラブホテルに史郎を連れ込んでしまった一回目は事故だったと主張出来るでしょうけれど、ラブホテルがどういう施設なのかというのを知ってしまったあとで二回目もう一度ラブホテルに史郎といっしょに入ってしまったのは、これもうどう言い訳しても事故とは主張できないでしょう。そういう目的ではなかったにしろ、ちゃんとそういう施設だと理解したうえで史郎と二人で利用したというのは、史郎を信頼もしていたでしょうし別に期待をしていたわけでもないんでしょうけれど……可能性を許したという意味合いもあるわけですしねえ。
……許しちゃう所が叡智なんですよ、この天然叡智少女は。
とどめに、吸血すると建前や倫理が全部吹っ飛んで、素直になっちゃいますからね。なっちゃうと、やたらと叡智になってしまうのはもう本性が叡智、叡智なんですよ。なんてハシタナイw
まあこのあと理性が戻ってしまったあとに悶絶するテトラがまた大変お労しくもお可愛いので、従者のメルさんがついつい主人をいじってしまうのも大変よくわかります。
ああもう、可愛いなあ。ひたすらテトラが可愛くてちょっと叡智で初々しくて甘酸っぱいのを堪能させていただくお話でした。もうご馳走様でした、と表現する他無いですよねw