【変人のサラダボウル 6】  平坂読/カントク ガガガ文庫

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ますます予測不能の群像喜劇、第六弾!

サラが芸能界にスカウトされ、惣助はサラと一緒に東京の事務所へ見学に行くことになった。
親子での初めての旅行や夏休みの様々なイベントを通して、さらに絆を深めていく二人。

そんな惣助を想う女たちも、それぞれの思惑で動き出すのだった。
一方、ヤクザと半グレ組織とカルト教団を一手に束ね、岐阜の裏社会の帝王となってしまったリヴィアは、当然ながら警察からマークされる羽目になる。

平穏な日常を取り戻すため、リヴィアは組織の健全化を図るのだが……。
ついにあの人物の正体も明かされる、予測不能の群像喜劇第6弾!


いやーー、これもうなんですかね、アホみたいに面白いんですけど!?
こんなアホみたいな面白さの作品、早々ないですよ? そりゃめちゃくちゃおもしろい作品傑作名作は数ありますけれど、こんなアホみたいな面白さのベクトルをした作品ってあまりにもオンリーワンじゃありません!?

というわけで、ぶっ飛んだ小学生からぶっ飛びまくった中学生へとクラスチェンジして、相変わらず自由闊達に過ごすサラですけれど、これ毎度言っていますがサラの方の日常生活も明らかにおかしいレベルで逸脱しているんですけれど、リヴィアの方の波乱万丈の人生のほうが訳わからんレベルの波乱万丈さすぎて、サラの方がとても平穏で平和で落ち着いた生活を送っているように見えてしまう不思議。
まあついにはリヴィアさん、ヤクザと半グレとカルト教団を統一してしまったわけですしね。ヤクザの組長で半グレのリーダーでカルト教団の教祖って、どんだけ重ね着してるんですか。おまけにバンドマンにホストに若手ベンチャー社長にもなるわけで。なんだこいつ?
現実社会でこんな組織統一しちゃったら、ヤバいなんてもんじゃないですよ。そりゃ公安だってマークしますわな。とはいえ、その成立過程を調べれば調べるほど、そして統一された組織の動向を伺えば伺うほど意味わからんとなりますから、そりゃマトモな官僚組織なら取り扱いにコマリますよねえ、これ。公安のスリーパーにはさすがに驚きましたけれど。

さても、どう言い逃れしても岐阜のアンダーグラウンドの覇者にして天下を統一してしまったリヴィアさん。これ本人自他ともに認める神輿にも関わらず、ちゃんと末端まで統制が効いてるのが凄いですよね。訓令が行き届いている。どの組織も要にして貫目となる人物が完全にリヴィアをもり立てようと尊重しているからこそ成立している奇跡ですよね、これ。
リヴィア当人は自分の立場も特に認識もせずに相変わらずブラブラと自由にぶらつき、酒を飲みギャンブルに溺れ、手当たり次第周りの女性に手を出して……ってクズの三要素完全にコンプリートしてるじゃないですか、こいつ。おまえ、女だからってやりたい放題にもほどがあるぞ。ってかバンドメンバー全員にも手を出したのか、このクズ女w
一応、おひさまの下を歩けないような犯罪結社にはならないように、統一組織の健全化……ちゃんとした会社にして全員社員として更生も目的としてやってるんだから、治安の健全化にも貢献しているしいい事をしているはずなんだけれど、リヴィア本人が善人でありつつ本質的にクズだからなあw
金に困ってないくせにギャンブルに溺れてるのって完全にダメなやつじゃん。金の使い方も、まるで金の価値を認識していないような泡銭の使い方だし。これで金銭に執着もないんだよなあ。ホームレス生活で金のない生活は十分味わっているはずなんだけれど、この女別に金がなくても普通に生きていける、ホームレス生活をまったく苦にしないあたり、本当にたちが悪いw

ラストには遂に政治家を関わることになってしまいましたけれど、こいつ本当にどこに向かってってるんだ?
あと、あの政治家の人即決でリヴィアの会社の警備部を雇う判断をしちゃってますけれど、前身が思いっきり反社すぎてそれ身体検査で引っかかるやつじゃないですか? 危ないぞw

サラの方は文化祭の出し物を見た芸能プロダクションから芸能界へのスカウトが来た、というお話。これ、向こうさんの意気込みからしてもかなり本気も本気で、子役や一時期だけのアイドルなんかじゃなく、向こう何十年と看板になるスターとして育てたいという本気の想いが伝わってくるスカウトだったんですよね。
とはいえ、サラは別にそこまで芸能人に憧れやら夢を抱いているわけではなく、惣助もサラの思うようにやらせたいという父親としての気持ちだけ。決して前向きではなかったものの、興味がないわけではないという微妙なライン。こういうスタンスはむしろリアリティがありますよね。
ともあれ、面白そうならとりあえずやってみるのがサラなので、東京であった同じプロダクションのアイドル候補の娘とも意気投合し……ってサラってほんとコミュお化けだよなあ。ポッと出のまだ本気かどうかもわからない中途半端な見学者なんて、本気も本気で必死にやってる向こうさんからしてもなんだよっ、って感じでしょうに、すぐに向こうの本音と本性を引き出したうえで滅茶苦茶仲良くなっちゃってるんですから。
岐阜から週末だけレッスンに通う形で、本当に芸能界に関わることになるとは……これはちょっと予想外。これって本格的に始めるとなったらどうしたって本拠を東京に移さなきゃならないだろうし、惣助は地元から動かないだろうし、どうなるんだろう。
その惣助の方の身辺はというと、今のところブレンダと春花が微妙な距離感を縮めようとして縮められてない感じで。惣助の方も意識しはじめてはいるものの、なんとも決定打にかけるって感じですよね。
そうこうしているうちに、これ友奈は通い妻みたいにして家にあがって家事するのが当たり前みたいな空気感を作り出すことに成功し始めてて……あれ?これガチで友奈が一番懐に入ってきてない?
おまけに、高校生になった段階でバイトで惣助の事務所で働くことになりましたし。うらぶれた中年の探偵に、女子高生の助手って古来からの定番のカップリングですよ?
友奈、マジで距離の詰め方が着実かつ堅実かつ狡猾かつアグレッシブで、マジで侮れないポディションにつけてるんですけど。