【望まぬ不死の冒険者 13】 丘野優/ じゃいあん オーバーラップノベルス

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骨人(スケルトン)に占拠された村を救うため、新たな剣で討伐を続ける不死者・レント。
村の安全を確保したものの、骨人の発生原因を探るべく、森の中へ立ち入ることに。
自然洞窟を発見し奥へ進んでいくレントだったが、魔術師や兵士を模した骨人だけでなく、不自然なほどに強い骨騎士(スケルトン・ナイト)と会敵し――!?
討伐を終えて帰ろうとした矢先、レントはその場所で小さな杯を手に入れる。
マルトに帰還すると、クロープから呼び出しを受け《三叉の銛》に向かうレント。
そこでクロープから、鉱山都市ウェルフィアで開催される鍛冶大会に出場するため、銀級昇格試験で赴く際に同行して欲しいとの依頼を受ける。
その目的は、同時期に鍛冶を始めた人物との因縁に決着をつけるためで――。
強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。
死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第13弾――!

えらいツワモノ感出してるおっちゃんが表紙にどーんとおるのう、と思ってよく見たら、これ鍛冶師のクロープさんか。
書籍だけだと挿絵でこの人のこと見られたのそう機会はなかっただけに、誰かわからなかったかもしれない。アニメの方でこの鍛冶師の人だいぶ見たからなあ、それでわかりましたよ。けっこうこの人鍛冶師キャラには珍しい細マッチョなんですよね。
ちなみにクロープさんのお話は導入だけで中身は全然進んでないので、ここでこの人を表紙に使ってしまうの勿体なくない? とは思ったものの、今回他に全面に出していい人いなかったなあ。

とまあ、そんな感じで今回もレントの方はあっち行ったりこっち行ったりで全然落ち着かないというか、一処に留まって一つの話を進めてくれない感じでありました。つまみ食いでぽんぽん違う話をちょっとずつ進めていく感じになってるんですよね。
よくRPGゲームなんかでメインストーリーとは別にギルドなんかで依頼のクエストが複数発注されていて、それを出る端から摘んでいって全体を同時にちょっとずつ進めていく、みたいな感じ?
これだと、ちょっと進んだ話がそこで一旦待機状態になって据え置かれちゃうんですよね。
クロープさんからの依頼も、まあとある街にレントが銀級昇格試験のために行く予定なんですけど、そこで鍛冶師の大会があって参加したいので、一緒に連れて行って欲しい、という内容だったんですけれど、受諾はしたもののまだ行かないから、と行くときになったら声かけるよ、みたいな話になって一旦置かれちゃったんですよね。
クロープさんがどうして今のこの街にいるのか。彼の若かりし頃の鍛冶師としての過去回想から今に至るまでの挫折とリスタートまでの語りをしっかりやっておいて、じゃあ後回しね、というのは結構ツラい。
このダンジョンの街に学生たちの集団が来訪している、という話もあれどうなったんだろう。なんか後回しにされている話が多すぎて、よくわからなくなったり忘れちゃってる件が溜まってきている気がする。
肝心のレントはというと、時間があるからと受けた安い依頼で、スケルトンの群れに襲われていた村を救出することになったのですけれど、そこで何やら自動的に魔物が発生するシステムが密かに組まれていたみたいで。レントはそれが意図的に仕掛けられたものかまでは判断できていないものの、起動キーとなる杯をゲット。幕間でこれが悪意を持って仕掛けられたもの、仕掛けた相手の密談みたいなのが出ているので、ナニカ黒幕らしき人物だか組織だかが動いているらしい事は物語的には明らかになったんですよね。
そういう意味では脇道にそれたクエストじゃなくて、ちゃんとメインストーリーが進んでいるのはわかるんですが。
あと、ちゃっかり依頼をこなすだけではなく、村に対して稼ぐ手段を提示してギルドの方にも依頼完了の報告と同時にそれの根回しをしてあげるあたり、こいつやっぱりギルド職員が天職なんじゃね?と思わなくもない。
後半で違う街、港町の方に出向いたときも、自分に絡んできたくすぶってる冒険者たちに、親切にも冒険者としてしっかりと稼げる方法を仕込んでやるつもりみたいですし。これレント、ほぼ無意識に、とは言わないけれど、当たり前みたいに性格ネジ曲がってどうしようもない人格じゃなかったら面倒見るよ、となってるあたり相当である。自分がホームにしている街じゃなくて、ちょっと出張で来ただけの街なのに。

とまあ、銀級試験を受けに行く、という話が持ち上がっているにも関わらず、見つけた杯をロレーヌに調べてもらったら、その実験を含めて研究に動物や魔物を使うために従魔術を覚えたいという話になり。
故郷の師匠の一人である爺さんがリンドブルム使役してたよね、あの人凄腕の従魔術師でもあるよね、という話になって間を置かない帰郷と相成り……って、このへん、故郷の人たちに各地に繋がるワープゲートの使い方を教えてもらったことから、遠い土地に出向くことに対して異様にフットワークが軽くなってしまってるなあ。
と、故郷に帰ってみたら肝心の爺さんは別の国の港街の海ダンジョンに潜っててしばらく戻ってこないからこっちから会いに行くことになり、それでレントがさらに港町まで転移して、そこで自分も有名な海ダンジョンに潜ることになる、ついでに獣人種の差別を知り、同時に獣人の魔道具屋さんと知り合って、自分に突っかかってきた三人の落ちこぼれ冒険者どもを捕まえて指導することになり、とまあどんどんと話が流れていく流れていく。
話自体は全部つながっているのはわかるし、一つ一つのクエストも面白いんだけれど、それにしても話が片付かずにとっ散らかりすぎじゃないかな、と思わないでもない。
魔物を産み出す杯を仕込んだ連中も鍛冶師大会の方に絡んでくるみたいだし、間が空くと彼らの存在忘れちゃいそう。
あと故郷のロレーヌと一緒に帰るたびに、お嫁さん連れて帰ってきた扱いになってて、ロレーヌも毎回まんざらでなさそうなのがニヨニヨさせられる。眷属であるエーデルも、なんか普通にロレーヌのことレントの番だと思ってそうだしなあ。