3歳 オープン (国際)牝(指定) 馬齢 阪神競馬場1,600メートル(芝・右 外)

今日は快晴、暖かいというかちょっと暑さすら感じる気温でした。例年、どうしても先に咲いちゃって散っちゃっている桜もちょうど満開。実際は八分咲きくらいだったんじゃあないかな、と思うんですけれど、いつもの年よりもいっぱい咲いていたのは確かです。

メンバーもなかなか出揃いました。

阪神ジュヴェナイルフィリーズで2歳牝馬チャンピオンの座を勝ち取ったアスコリピチェーノ。
その2着だった牝馬の国枝厩舎の最新兵器ステレンボッシュ。
クイーンCで良血達を蹴散らして権利を獲った此方も良血。グレナティアガーズの妹クイーンズウォーク。
2歳牝馬の出世レース・アルテミスSを勝ってここに直接挑んできたチェルヴィニア。あのオークス2着だったチェッキーノの娘です。
2歳時には世代筆頭格と謳われたコラソンビート。
祖母にあのスイープトウショウを持ち、チューリップ賞で祖母譲りの豪脚を披露した魔女姫スウィープフィート。
そのスウィープフィートをエルフィンSにて更に切れる足でねじ伏せてみせた、世代最強の末脚を持つライトバック。

他にもフェアリーSを勝ったイフェイオン。
フィールズレビューにてコラソンビートの追撃を振り切ったエトヴプレ。
高速ラップを逃げながら最後までスピードを落とさず、チューリップ賞で2着に粘ったセキトバイースト。
それ以外の馬たちも、それぞれに結構自分だけの武器、特徴を持っていてなかなかに侮れないメンツが揃いました。

賞金が届かず出られなかった面々も、ボンドガールは昨日のニュージーランドトロフィーで2着に入り、NHKマイルカップへの権利を獲得。
タガノエルピーダも今日の9レース忘れな草賞を完勝してオークスへのはずみをつけました。
レガレイラは皐月賞へと参戦。
サフィラやアルセナール、ガルサブランカという兄姉に偉大な名馬がいる超良血たちもこのまま燻っちゃいないでしょう。


こうしてみると、粒は揃ってるんだよなあ。後々になって見ると、なかなか強い世代と言われるかもしれません。


さて、馬場の方ですけれど今日の芝レースの傾向を見ると……真ん中から外からの強襲がよく伸びていたような印象。つまり、外が伸びる!
桜花賞は外回り芝1600。内回りと違ってカーブがわりとゆったりとした曲線を描いている上に、直線距離が長い。馬場だけ見たら、外からぶん回しても足さえ切れれば伸びる届く!
とはいえ、これも展開・ペース次第。
タイムを見ると前半も後半も34秒台。全体的に早くて緩んでない。勝ち時計1:32.2も優秀。これは前に行った馬は苦しいか。
それでも番手ながら5着に入ったエトヴプレ。上りも34.2とかなり速さを維持しているし、この馬フィールズでもそうだったけど、息いれる余裕なくても失速しないの凄くない? マイルでも十分いけるだろうけど、短距離だとほんとに止まらなさそう。

って、まずは勝った馬だろう。
勝ったのはステレンボッシュ。マジックマンことモレイラ騎手の手綱さばきの妙であり、堂々たる真っ向からのライバル撃破。真ん中突き抜けて、阪神JFでは届かなかったアスコリピチェーノを逆に従えての桜戴冠。これは強かった。なにしろ所属厩舎が牝馬の国枝の異名をとる国枝先生ですからね。牝馬クラシックの取り方を知っている人ですし、エピファ産駒で母父ルーラーシップとなればむしろ距離が伸びてこそ、な所もあるでしょうからオークスへの期待も高まるというもの。牝馬三冠唯一の挑戦権を持つ馬として、これは期待出来得る逸材ですよ。

2着には上記したように阪神JFの結果逆転でアスコリピチェーノ。同じ舞台同じ距離で勝ち負けがひっくり返ってしまいました。とはいえ、あれ四コーナーで内に居たステレンボッシュにタックルくらって外に弾き飛ばされちゃったんですよね。そこから体勢立て直してステレンに食らいついていったものの、躱しきれずに2着。むしろ、あそこからよく食らいついていったな、という印象。
ってか向正面から3コーナーに入ったところで、ピチェの内にステレン・モレイラがピタリとつけてるんですよね。北村くん、外が伸びるこのときの傾向を考えても外からまくれる位置につけた事自体は間違ってないと思うんだけれど、それ以上にモレイラのマークの付け方がこれやばかったんじゃないだろうか。あれ、北村くんとしたらチェルヴィニアの後ろに蓋をして自分だけ抜けられたら最高だったんだろうけれど、その寸前にモレイラがステレンをピチェより前に出して身体をねじ込み、同時にピチェを外に弾き飛ばす反動で自分たちはワンアクションで直線まっすぐ行く向きに体勢を整え、逆にピチェ・北村は外にぽーんと弾かれてワンテンポギアいれるのが遅れてしまった。
この一瞬の攻防が命運をわけたようにも見える。まあこの一瞬に持っていくまでの体勢をモレイラがピチェの内側につけるところらへんで整えてたとも言えるのかもしれないけれど。
むしろ、ここから二馬身半かくらい離されたのに、諦めずにじわじわと詰め寄ってきたピチェの根性は素晴らしかった。なんだかんだと他馬抜き去っての2着ですからね。
阪神JFからの直接対決といい、これは輝かしいライバル関係になりそうじゃないですか。
それに、この二頭って名前の由来から面白いんですよ。ステレンボッシュは南アフリカの都市の名前。アスコリピチェーノはイタリアの都市の名前、と二頭とも街の名前なんですよね。都市の看板背負った者同士のバチバチ火花飛び散るライバル関係、いいじゃないですかー。
まあ勝手に名前つけられただけで全然本物の都市の方は関係ないんですが。ないよね?

3着にはライトバック。最後方からぶっ飛んできましたよ! 32.8とあがり最速を記録。いくら今日外が伸びてたとはいえ、またとんでもない豪脚でした。直線入ったときまだ最後方でしたもんね。
鞍上の坂井くん、このときジリジリと下がってきていたマスクドオールウィンを利用して、ライトバックと競りながら上がってこようとしていた武・スウィープフィートに蓋したんですよ。うまいこと進路を塞いでみせた。これがスウィープフィートにとっては痛かった。
すぐさま内に進路をとって加速が急減速になるのを避けたのはさすがの武さんでしたけれど、馬場が良く前が空いたルートはライトバックにとられ、スウィープフィートの前には馬群。馬群を切り裂いていかなくてはならなくなった。
ここで武さん、魔女姫の脚を信じて一瞬耐える。そして自分の外側に蓋をしていた8枠の二頭が落ちたのを見計らって外に出し、もう一度ライトバックに食らいついていったのであります。
正直ここでもうライトバックはトップスピードに乗っててちょっとこれに追いつくのは不可能だったのですけれど、追い出してからの加速度はそのライトバックを上回っていましたからね。残り100メートルのキレは凄まじかった。
スウィープフィートは血統的にも本番はオークスの方だろうという意見も多かったのですけれど、確かにこれ距離が伸びたらちょっととんでもないことになりそう。
短い路線に行きそうな5着エトヴプレ含め、掲示板に乗った5頭ともこれは先々にゾクゾクしたものを感じさせてくれる競馬を見せてくれたと思います。


人気馬を見ると、3番人気のクイーンズウォークは8着。1枠2番が今日の馬場や展開だと厳しかったか。距離もマイルはあまり本意ではなかったみたいで、前走クイーンCもなんか川田が勝ったあとのコメントで1600を使いたかったわけじゃないみたいなこと言ってましたしねえ。なんか今日はいつもの川田騎手のガツガツしてる雰囲気が見えなかったので、内枠入った時点でうまく行けばでよし、そこまでなんとしてでも勝つ気はなかったんじゃなかろうか。本番はオークスということかしら。
1400が一番得意だったグレナティアガーズの妹なのに、父がキズナというだけでこれだけガラッと傾向変わるのねえ、面白い。

4番人気のチェルヴィニアは終始ピリッとせず、13着。剛腕ムルザバエフの手腕を持ってしても、気持ち入ってない馬は動かせなかったか。さすがにちょっとレース間隔が空きすぎて馬が本番モードじゃなかったのでしょうか。

コラソンビートはスタートして先頭集団に位置したところでさらに行きたがって鞍上の横山武史くんと派手に喧嘩しているのを見た時点で、ああとお察しでありました。これは気性面で短距離路線か。マイルですら、となると少々厳しいなあ。


まだまだ馴染みがなかった世代でしたけれど、桜花賞を通じて一気に個々の個性に理解と認識が追いついてきた感じで、楽しめそうな世代になってきた。まあこれはだいたい毎年桜花賞くらいが馬の実像わかってくるタイミングなんですけどね。
そして、ここからまたどんどんと馬の印象も変わってくる。さあ、今年もクラシックはじまったぞ!




あと、今年はスタートの際にドローンからの撮影による映像がありましたね。あの構図はいいなあ、そそるなあ。