【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 18】  手島史詞/COMTA HJ文庫

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ザガンとネフィ、遂に挙式!?

迫りくる数々の危機や問題に対抗すべく行動を起こすザガン。そこに突如現れたのは、ザガンの旧知の仲にして敵の首魁でもある、マルコシアスその人だった。
「現〈魔王〉を招集する。お前にも、そこに来てほしい」
果ての地で開かれる、現〈魔王〉が勢揃いする集会。出向くことを決意したザガンは、せっかくの機会だからと仲間たちと共に道中で観光三昧!? 更にはバルバロスがザガンとネフィのために何やら企んでいるようで――。大人気ファンタジーラブコメ第18巻!


バルバロスとシャスティルの魔術師と聖騎士の禁断の恋として、世間のさらし者になったのはあれザガンのせいというよりもほぼほぼゴメリお婆ちゃんのせいだった気もするんですけれど、まあ聖騎士と魔術師が不倶戴天の敵という世界の価値観を変革するためにザガンが仕掛けをしたのは間違いないので、二人がザガンを恨むのも仕方ないのか。
そんなこんなで、今度は自分たちがザガンにやり返してやるーーっ、とまあ二人で仲良く密かに企むバルシャスなのであった。仲いいな、ほんと。息ぴったりじゃないかw
それはそれとしてさあ、やり返すなんて言うもんだから何をするのかと思ったら、これですか。寄りにも寄ってこれですか(表紙で察せ)。
自分たちのイチャコラが世間に曝露されたから、今度はお前たちのイチャコラを世界にさらしてやらあ、って発想が完全に恋愛脳なんですけど、このカップル。
それにあーたたち、自覚があるのかないのかわからないんですけどさあ、やってる事それ完全にあれですよ。
仲人?
昨今はもう珍しくなったのかもしれませんけれど、結婚を取り持つ大切な役割を担った人たち。この仲人ってのがまた、夫婦になる二人を取り持つことから此方も新たに結婚するカップルに負けないくらい関係良好の御夫婦にお願いするものなんですよね。
そう、結婚するカップルより先に夫婦! 夫婦になってないといけないわけで。これもう先にカップルとなった自分たちが取り持ってやるぜーって叫んでるようなもんじゃないですか、バルバロスとシャスティルさんよw
全然自分たちでわかってなさそうではありますけど。

しかし結構急ぎというか、一足飛びに一気に結婚式に行っちゃいましたね。イチャイチャは十分以上にしていたけれど、まだまだ恋人として出来ていないことがいっぱいあった気がするので、恋人課程を修了してないうちに行く所まで押し上げられてしまった感がちょっとあります。
というのも、だいたい一番最初の方に恋人になったはずのザガンとネフィをとっとと追い越して、後発のカップルたちの方が着実に関係進展しちゃいはじめちゃったんですよね。
特に黒花とシャックスに至っては実家に結婚のご挨拶を兼ねた婚前旅行までやってる始末。いや、これはこれでザガンからの依頼で他の魔王にコンタクトをとるため、という任務があったんですけれど、なんかもうそっちがついでみたいになってたし。
そしてさらに物凄い勢いで成熟した大人同士の男女の恋愛という雰囲気を作り出してしまっているのが、ネフテロスとリチャードのカップルで。リチャードに至ってはザガンが同じ男として一目置くほどの男っぷり。これぞイケメン。顔もイケメンなら心もイケメン、言動すべてがスマートで紳士的で格好良いというパーフェクト。これに対してネフテロスの甘え方がまた素直クールの極みを極めていて、間違いなく作中のカップルの中でも随一の成熟した大人の恋人同士ですよ。
この二組に関してはもうザガンが頭を下げて教えを請うレベルですからね。そうでなくても、ザガンとネフィの関係を追い越していきそうなカップルは束になりそうなくらいになってきましたし、ここでザガンたちもちょっと一気に結婚くらいしないと埋没しかねない部分はあったんじゃないでしょうか。
イチャコラカップルとしては、バルバロスとシャスティルが大暴れしていますし。
せっかく作った指輪を渡すタイミングを逃して数ヶ月もモダモダとやっているようではほんといけませんよ。
ほんと、この巻だけ見ても本作のカップルの男どもってみんな甲斐性有り余ってるくらいアリすぎですからね。あのフルカスですら、記憶もまだ全然戻っていないにも関わらず、恋する女の子の抱える不安に対してあの男振りですよ。自分も不安を抱えているだろうに、好きな女の子に勇気をみせた。いや、あれはマジで見直したわフルカス。リリスもこれはグッと来たよ、かっこよかったもの。

さてもそんな風にいい男っぷりを見せる連中が多い中で、なんか一人で可哀想なことになっているのが、本来ならすべてのキャスティングボートを握っているはずの最長老マルコシアスである。
いっちょカマしてやるべえ、とばかりにザガン陣営のもとにたった一人で乗り込んできて、ザガンとの再会を寿ぎつつ、宣戦布告で心的優位を握ろうとしたのに。
ネフィの事で取込み中のザガンには正座させられた挙げ句に外で待たされるわ、城に入ったら入ったでザガン一家のはちゃめちゃっぷりにイイように振る舞わされ、オモチャにされて散々な目にあった挙げ句にまたぞろゴメリお婆ちゃんに怖い目に合わされ、トドメに千年ぶりに逢った旧友にお前の妹と付き合うことになったから、と爆弾発言を投げかけられた挙げ句に惚気けられまくられ、これは実質NTR宣言?を食らって精神的にボロボロになって帰っていくという、これはもう可哀想としか言いようがないくらい可哀想だったんですけどw
もう少しこう……加減というものをですねえw

確かこの人、一連の出来事の黒幕のはずなんだけれど。元凶ではないんだけれど、間違いなく暗躍しているザガンの敵対勢力の長のはずなんだけれど。なんでラスボス候補が作中一番可哀想なんだろうね!
まあザガン陣営に加わろうとして、先んじてマルコシアス陣営に暗殺されてしまった封牢のアケロンくんが一番今回可哀想だったんですが。慎重居士であることがこれまで最弱の魔王候補であるのに生き延びてきた所以だったんだろうけれど、最後の最後にその慎重さが裏目に出てしまったか。ザガン陣営に勧誘された時に一旦返事を保留せずにすぐに即答してしまっていれば、その末路は違っていたんだろうなあ。

そしてそのお師匠である魔王フェネクス。これはまたなんというか……今まででぶっちぎりで「残念!」なやつだな! いや、今まで何気にザガンの愛妾として侍ろうなんてするやつ居なかっただけに、そういう態度で迫ってくるフェネクスはいっそ新鮮ですらあった。まあ速攻で振られた上に、ネフィが久々の最恐魔王モードになってえらいことになってしまっていましたが。でも、独占欲あらわにするネフィはやっぱり怖いけど可愛い、コワカワ!
そして、ザガンファミリーってほんと家族枠全部埋まってるんですね。妹枠も娘枠も母枠もお婆ちゃん枠もみんな埋まっとるw アインというお父ちゃんもいるわけだし、なんならフルカスあれ弟枠と言っても良さそうな所まで来ているし。お姉ちゃんもいれば、浮浪児時代だけど兄貴分であるマルクもいたわけで。本気で家族がぜんぶ揃ってるんだよなあ。
……そう言えばマルクって、ザガンの母であるアルシエラの兄にあたる人でもあるので、血縁的には伯父になるわけか。そう考えると最初から内々の話でもあるんだよなあ、これ。