【田中家、転生する。6】 猪口/kaworu ドラゴンノベルス

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カレー作りに帝国侵略!? いざ、間違いだらけの課外授業へ!

偽港(フアナ)の出現に衝撃を受けるも、家族の絆を再認識し団結した田中家一同は、他領で行われる魔物学の課外授業に参加する。
当然着いて来るコーメイさんに、何故かいる叔父さん(アーバン)&国王様。
魔物だらけの森での狩りや、キャンプの定番カレー作りなど、皆での課外授業を満喫する一家。
だが、その裏では帝国による王国侵略が進んでおり、国王&一家不在の王都に帝国の魔の手が迫っていた――。
今度こそ大ピンチな転生一家の異世界奮闘記、第六弾!


どうにもフアナの魅了が効いてる人と効いていない人が別れているのは、エマがせっせと配っていた小物類などがお守りになってたのか。ああいう配って回るのっておばちゃん気質に入るんでしょうかね。
ともあれ、どうしてフアナがエマの前世である港の姿をしているのか、については結局詳しいことがわからないまま、フアナをリーダーとした帝国陣営の魔法使いたちによる王国への攻撃が始まってしまうのだった……という、今回はあれですね、人類史上初の人間同士の戦争の勃発、帝国侵攻編ですね。

と、いう風に書くとシリアス一直線に思えるし、実際帝国側は真剣に深刻に、実際に手を下す魔法使いたちは罪悪感に耐えながら戦争をはじめようというのに、王国の連中ときたら……。いや、決して王国の人たちも能天気に構えているわけじゃなく、王妃様をはじめとした中枢の真面目な人達は真面目に対応しようとしているし、実際にその有能力を発揮しまくって事前に帝国の洗脳による浸透にほぼ独力で気づいている。帝国に留学していた皇太子が記憶した際に真っ先に母である王妃さまが違和感に気づいて動き出している、という素晴らしい対応をしているわけで。
能天気なのは王様、陛下! あんただよ!
いやー、この人も無能じゃないはずだしカリスマもあって大した王様のはずなんだけれど、わりとやらかしますよね、このイケオジ。今回、陛下がひょいひょいと魔物討伐実習にフットワーク軽すぎな勢いで参加してしまったがために、えらいことになってしまったわけですから。
国際情勢が緊迫化していることに王妃さま含めて気づいていなかったのは、いかんともしがたいところですけれど、絹の件を含めて予兆はいくらでもあったわけですからねえ。
まあそれだけ帝国側の動きというのは、あまりにも在りえないことばかりだっただけに同情の余地は多分にあるのですが。そもそもこの世界の歴史上、人間同士の戦争が行われたことがないってんですから、そりゃ発想として帝国が侵略してくるなんて考えが思いつかんのだろうなあ。

そんな中で、一番縦横無尽の働きを見せていたのはこれ、間違いなくヨシュアでしょう。
帝国から派遣された船団が密かに砲撃準備を行っていることに気づき、ローズ様を通じて直接王妃様にこの情報を伝達。というか、通常なら時間のかかる距離にも関わらず連絡経路を整備して即座の情報伝達ができるようにしていたり、帝国の侵攻にかこつけて王国側で不足していた魔法使いをゲットできる逆にこれはチャンスだぜー、とヒャッハーしてたり。
田中一家の非常識さばかりが喧伝されていますけれど、なにげにこの商人の青年ヨシュアも大概おかしいですよ? そもそも、彼とその父がいなかったらスチュワート一族は経済破綻して没落していたでしょうし。一番元をたどると救国で一番功績があるのってヨシュアなんじゃないの? と思えてくる。
まあ、肝心のエマへの懸想はまったく報われそうな気配はないのだけれど。

しかし、ヨシュアに限らず、田中一家周りって一家以外も大概おかしいですよね。というか、田中一家以外のスチュワート一族の面々もそれぞれ個別に登場しだしているんですけれど、叔父のアーバンのみならず、各分家の当主夫妻たちからしてみんなヤバい人たちじゃないですか。天然な田中一家と比べてもバケモノ揃いじゃないですか。
それが経済破綻で一族全体没落しかかっていた、というのはこれ国の辺境政策どうかしているとしか思えない。実際、破綻して家がなくなってる辺境を守る家がどんどん出てきていたわけですし。スチュワート家が破綻してなくなっていたら、もれなく結界が壊れる前に魔物の侵入で王国滅びてたでしょうし、なにげに瀬戸際が続いてたんじゃなかろうか、これ。いまさらだけれど。

そして、帝国の不穏な動きに早々と気付いた王妃様が息子が洗脳を受けていると確信し、重臣たちにあまりにも異常すぎるその事実を納得させた根拠となったのが……ローズ様のおっぱい。
まさに救国の魔乳。……うん、なにこれ?
いやまじでそんなに凄いの、ローズ様のお胸? それを独り占めしている陛下って……。おまえローズ様に一目惚れしたって、顔じゃなくて胸じゃなかろうな、おい。