親父殿も観たがったのもあって、アマプラで配信開始と同時に見ました。昨日だよ。
率直に言って、思ってたより100倍面白かった! え? なにこれこんな面白いの!?
なんでかアメリカで異様に人気出ているというニュースに、それはまた大げさな話だろう。日本の特撮がどないウケるのよ、話膨らませてない? とすら思ってたんだが。
いや、いやいやいや、これは面白いわ、すごいわ、パーフェクツだわ。

以下ネタバレありなので収納



















そもそもこのゴジラ。これ、発表当時は戦後すぐって時代的にどうなの? という反応だったんですよね、自分。
CMでもようやく復興をはじめたところであった日本がなすすべなく蹂躙される、みたいな感じの言い回しでしたし、戦力もろくに残っていなくて自衛隊すら発足していない日本がゴジラ相手になにか出来るとも思えず、なんか陰気な話になりそうだな、という印象を持ったわけです。
それに特撮的にもシンゴジやモンスターバースの方で新世代のゴジラ映画の迫力を見せられていただけに、果たして期待できる水準のものが出来るんだろうか、と。
まあそんな印象だったのです。
映画館行く気は評判がどうあれなかったのですが。というか、最近ちょっと映画館に映画見に行く気力がなくて。そもそも家でも映画に1時間半以上の時間を費やして見るのしんどいなあ、と思うようになってきてるんで、アマプラも全然映画見れてないし。
先月【DUNE デューン 砂の惑星】を見たんですけれど、どうも集中して見られなかったもんなあ。面白くないとか退屈ってわけじゃないんだけれど、時間長かったなあ、と。この時間あったら他にあれこれできたんじゃないか、とか思っちゃって。
そういえばなんでアメリカのSF映画にしてもファンタジー映画にしてもほぼほぼ「予言」が必須なんだろう。スピリチュアルすぎてなんだかなあ、と思ってしまった。

話が横道にそれた。このゴジラ −1.0はその点最初から最後まで全然飽きずに没頭して見ることができた。満足、ひたすら満足。
最初に島の基地にゴジラ出てきたときは、ジュラシック・パークはじまったのかと思いましたよ。今回のゴジラ、このサイズなの!? 一軒家くらいじゃない!? 過去最小サイズだよ!! とびっくりしたんですが、初代ゴジラのリスペクトらしくちゃんと核実験による巨大化をたどってるんですね。
あとで出てきた時はちゃんとデカくなってて、安心するやらホントにデカくてビビるやら。
それでも近年のゴジラの全長と比べるとだいぶサイズ小さくなっているはずではあるんですが。

確かに時代は戦後すぐで日本に軍隊らしいものはもう何も残っていない。肝心のアメリカ駐留軍はソ連との関係の緊迫化で動けないという話で全然出てこない……マッカーサーがそういう我慢するタイプじゃなさそうなんだが、こればっかりはアメリカ軍出張るとそれがメインになってしまいますしね。
宣伝では蹂躙されるばかり、と言わんばかりの日本人でしたけれど、むしろたとえ戦力が残っていなくても明日を生きるために抗う人々の物語だったんだよなあ。無い戦力をかき集め、知恵を絞って作戦を考える。戦争が終わってもいまだ戦争に囚われる人々の苦しみを、それぞれが乗り越える人間ドラマがものすごく濃厚に描かれていて、そりゃもう引き込まれましたともさ。

高雄ぉぉっ!

重巡高雄最後の戦い。わりと初っ端に最大戦力ぶつけてくる展開には燃えることこの上なかったんですが。

高雄ぉぉっ!

あかん、船体食い千切られながらゼロ距離でぶっ放して直撃させる20.3センチ連想砲。もはや絶対に助からない中でそれでも食らわせる意地の一発。残念ながらその最後の一撃は効果を残せなかったのですが、このシーンはあれですよ【征途】(著:佐藤大輔)の沖縄決戦での【武蔵】の最期を思い出してしまって、震えました。
それだけに、絶望感がすごかったんだよなあ。この時点で日本は残されていた最大戦力を失ってしまったのですから。
長門はクロスロード作戦で沈んじゃってるんだよぉ。

最後の決戦で使われる駆逐艦が雪風と響、というのは艦これを嗜んだ身としてはやはりグッとくるものがありますなあ。

主人公敷島の物語は、なんか最後の最後まで来るものがありました。誰もが戦火で家族を失うなかで、血の繋がりもなにもない中で寄り添い合いいつしか家族となっていた関係。
映画【この世界の片隅に】でも自分の子でも何でもない母を原爆で失って一人で彷徨っている子供と行き合い、何となく連れて帰ってそのまま家族になっていくシーンがエンディングで描かれていましたけれど、この多くを喪いすぎていったあとで身を寄せ合って生きていく、というのがもうグッとくるものがあるんですよ。
だから、なおさらそんな僅かな希望、明日に繋げていく想いみたいなものを圧倒的に踏みにじっていくゴジラの存在の恐ろしさですよ、今回の映画の肝は。
ただでさえ、自分の臆病さ故に多くの味方を死なせてしまい、さらには新たに家族になろうとした人まで奪われて、この絶望感が凄まじく。
だからこそ、敷島のあの自分の戦争を終わらせる、という意味が。決着をつけるというのが特攻だと信じて疑わなかった。
だから、あのラストの展開はなんかすごく感激してしまったんです。なんかさ、最近のハリウッド映画だとむしろそうした自己犠牲を賛美とまでは言わないけれど、積極的に描かれている事が多いように思うので、【ゴジラ キング・オブ・モンスターズ】の芹沢博士もそんな感じでしたしね。
だから、このかつて特攻を行った側と行われた側である日米の対比はちょっと興味深いものがあります。

しかしあれ、震電を補修改造した橘さんってとんでもないよな。辺鄙な守備隊の整備隊で働いているような腕前じゃないんじゃないの? 震電をマトモに飛ばせるようにしただけでもすごいのに、あの装置組み込むのって。まだあれって世界的にも一般的ではなかったはず。ドイツやイギリスで開発
装備はされてたみたいだけれど。
震電は機体後部にプロペラがついているタイプの航空機なので、普通に生身で操縦性から飛び降りる当時の形式ではプロペラに切り刻まれてまず助からないんですよね。なので、なんかプロペラを火薬で吹き飛ばしてから脱出するという方式が取られる予定だったとかなんとか。
橘さんが準備した装置というのは、独自に開発したのかドイツから持ち込まれていたのか。いずれにしても、わざわざ敷島が探し出して震電の事をお願いしたのもよくわかる腕前でありました。

あと、さすがにあれで生きてた典子はゴジラ並の再生力を持ってたとしか思えんw
あの吹き飛ぶ直前のシーン見ても、とんでもない量と大きさの瓦礫が押し寄せてきてるんですよね。原型残らんて、あれ。
でもハッピーエンドだから良し。これはもうそこまでやってしまって良い、ハッピーエンドだ。

ともあれ、これは本当に面白かった。一度は見てもらって損はないかと。


……あとであれこれと調べてみたら、典子さんなんかゴジラの背びれみたいな痣ができてるの? こっちにも不穏要素残ってるのか。