3歳 オープン (国際)牡・牝(指定) 馬齢 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

ルメールやっちゃったなあ、最近は珍しい。やはり怪我明けしばらく休んだあとの初週という勘の鈍りみたいなものがあったのかもしれない。

ルメール騎乗のアスコリピチェーノ。残り400メートルのハロン棒を通過するあたりで、うちにボンドガール、キャプテンシーと並んだその外側にぽっかりとスペース空いたところを突いたものの、ちょうど内側に寄れてきたマスクオールウィンに挟まれてボンドガールとキャプテンシーが大きく不利を受けることに。アスコリピチェーノ自身も躓いて大きくブレーキかかるはめになってしまったわけです。
アスコリピチェーノがすごいのはここから再度ギア入れ直して再加速。ものの違う脚でロジリオンを躱して2着に入ったところでしょう。
スムーズに行けば勝ったジャンタルマンタルにまったく引けは取らなかったと思います。マイルは近い将来この2頭。2023年の2歳王者と2歳女王の2頭のライバル関係に収束していくんじゃないでしょうか。

件の不利の件ですけれど、正面からのパトロール映像と横からの本映像を並べてみると、ルメールが空いたスペースに突っ込んだ瞬間は、狭いどころか1頭半か2頭分くらいは間空いてたんですよね。パトロール映像だとさらに後ろに居たイフェイオンがすっぽり全体見えてさらにもう半頭分くらい間隙間が見えるのでその広さがよく分かる。
ところが突っ込んだ瞬間にマスクオールウィンが寄ってきた。むしろこれ、スペース広かったからルメールも瞬間の判断でまだ行ける、と思ったんでしょうね。うちのキャプテンシーも若干内側に入ってスペース十分ありましたから。所がマスクオールウィンがもう本当に苦しかったのか、さらに内側によってくる。この段階で既にアスコリピチェーノはその素晴らしい反応速度から上半身くらい間突っ込んじゃってたので完全に挟まれ内側まで押し出される感じになってしまった。これがアスコリがまっすぐにスペース突っ込んでたならマスクを押し止める事もできたんだろうけれど、マスクの後ろにつけていてそこからスペースに滑り込もうとしたので、同じ方向に向けて動いたものだからマスクを押せずに内側を押してしまうことになった。
まあタイミングが悪かった、としか言いようがない。ただ普段のルメールならスペースに入ろうとしたその直後にマスクが寄ってきてタイミングが重なったときに、まだ大丈夫と判断したかどうかですね。
まじでこれ1秒あるかないかの猶予。もしマスクがちょっと内にブレただけだったら十分間抜けれるだけのスペースが残っている段階。アスコリが素晴らしい反応速度で一瞬でスピードに乗っている状態。これで、手綱思いっきり引いて仕切り直しできるかどうか、ってところだ。ぶっちゃけ、あそこで引いたとてあれだけ瞬時に前に出ていたアスコリが止まれたか。すでに苦しくなっていてたマスクやキャプテンシーが下がりだしていたのを思うと、かなり難しいものがあったんじゃなかろうか。
既に馬体が重なりかけていたのを思うと、あそこで無理に引いたとて場合によっては内によってくるマスクの後ろ足とアスコリの前がぶつかる可能性も考えられるし。
まあでも、普段のルメールならこういう状況にならないようにもすこし慎重に立ち回ったんじゃなかろうか、と思うくらいにはルメールの腕前は信用している。

ジャンタルは皐月賞から中2週はさすがにキツいと思ったんだがなあ。
逃げ馬のユキノロイヤルがいけなかったのが色々とレース展開に波及した感があります。
終始暴れまわっていたシュトラウスはまあともかくとして、他の馬たちも多かれ少なかれ掛かっていて若さが露呈していた中で、川田の手綱で安定して外枠から思う通りのルートを通って、アスコリをばっちり塞いで良いところを走らせず、レースの主導権を握って好きな時にムチ入れて十全力を発揮してゴール、とまあ騎手の技術と馬の操縦性がピタリとはまり込んで、今の段階で持てる力を全部発揮できるレースができた、というのがこの馬の強さでしょう。才能があってもそれを発揮できない馬がどれだけいることか。シュトラウスとか……いやこれ、シュトラウスこれレースマトモに走れるのか? もうわやくちゃじゃん

3着のロジリオン、5着のイフェイオンはポディション取りの勝利。4着のゴンバデカーブースはホープフルを出走回避して半年以上ぶりのレースにも関わらず、ここまで走れたのは正直驚いた。なんか調教段階でも本番仕様まで馬が仕上がってないふうな評価が散見されてたのに。才能だけでここまで走れたと思えば、これ、身体ができていたら相当のレベルで走れるようになるんじゃなかろうか。秋以降期待。
6着から14着まではほぼ一団となって突っ込んできていて、ここらへんはほとんど現段階での力量差は感じられない。不利受けたディスペランツァやスタートで体勢整わずに大きく出遅れてしまったアルセナールは後悔あるレースになってしまったかもしれませんが。
案外だったのが勝ったジャンタルと同じ新種牡馬の父を持つノーブルロジャー。こんなもんじゃないと思うんだがなあ。

ともあれ、今回は初の朝日杯と阪神ジュベナイルフィリーズという2歳の頂点を獲った牡馬牝馬が3歳の時点で激突するという史上初のレースとなり、他にも多岐にわたる路線を駆け抜けてきた多士済済が揃った豪華なNHKマイルカップとなって、大変おもしろかった。クラシックレースとはまた別路線ですけれど、本格的にもう一つの路線として花開いてきた感がありますなあ。