4歳以上 オープン (国際)牝(指定) 定量 東京競馬場1,600メートル(芝・左)

津村ぁぁぁ!! うわあああ、どえらいレースになったぞーーっ。
津村騎手、テンハッピーローズで21年目にして初のG1制覇。おめでとう、おめでとう!! 津村騎手今年初手で金杯勝ったこともあり、例年と比べても良く乗れてるなあとは感じていたんですけれど、いやあまさかここで勝つとは。
15頭中14番人気ですよ。テンハッピーローズもこれが重賞初制覇。もう同世代のソダシやソングラインをはじめとした並み居る名馬たちがみんな引退してしまった中で、それでも21世代は勝ちを譲らん、とばかりにこのヴィクトリアマイルを勝ってしまいました。
フロック勝ちというには、ちょっと残り200を切ってからの豪脚がすごすぎた。道中折り合って凄く順調に走れたのもあるし、直線にいいところに出す流れもスムーズでしたけれど、これは強い勝ち方だったよなあ。
エピファネイア産駒として東京マイルは厳しいんじゃないか、という向きもあったし、この娘もエピファネイアの癇の強さを継いでる感じで荒ぶるタイプだったのですけれど。
今回はコンクシェルが引っ張ってレースが流れました。序盤から流れが緩まず高速展開。前が潰れるけれども、後ろも追走でついていけずに消耗戦の体になってたのかな、これ。
そんな中であれだけ突き抜けたテンハッピーローズは、これまで1400〜1600の距離でやってましたけれど、スタミナも十分あったってことですかね。最後まで切れる脚があったと。
しかし、母父タニノギムレットで今日の10レースがウォッカカップというのはうまいこと出来てるなあ。


今回のヴィクトリアマイルは、G1馬が ナミュールとスタニングローズの2頭だけ。
人気はそのナミュールと、リバティアイランドのライバルとしてそろそろG1タイトルを奪取したかったマスクトディーヴァの2頭に集中していました。
ナミュールは才能の高さは見せつつも体質の弱さもあって育成も慎重に、レース選択も間をあけないといけないという制約があったのが、去年の秋から本格化。厳しく調教してもレース間隔が詰まっても体重が落ちなくなり、完全に仕上がったんですよね。G1馬としての風格は現役でも屈指となっています。
しかし今回はドバイで激戦を繰り広げたその海外帰り。レース間隔も詰まっていて、体重はさすが落ちていなかったのだけれど、体調としては完璧とまではいかないんじゃないか、と見られていました。
そこでマスクトディーバです。前走阪神牝馬Sは完勝。リバティと激戦を繰り広げた3歳の頃からさらに成長を見せていました。充実期です。さらに鞍上には名手モレイラ。不安があるとすれば東京競馬場の高速レースに適正があるかどうか、というところでした。
ともあれ、この2頭が中心で2倍台で拮抗。直前までナミュールが一番人気だったのですが、レース前に逆転しています。
3番人気は阪神牝馬Sで2着だったウンブライル。まだ重賞勝ちもないのですが、G1や混合戦でも2着を連発。マイルにおいては実力では引けを取らないと見られていました。
鞍上は川田騎手。ただなぜかこのヴィクトリアマイルは苦手のようで、今まで連対すらなし。
4番人気はルメール騎乗のフィアスプライド。前走中山牝馬Sでは1番人気ながらも不覚を取って9着と不本意な結果だったのですが、そこは度外視で人気が集まっていました。トビの大きい馬でもあり東京が合う馬、というのもあったのでしょう。調教も抜群の出来でそれも人気の要因だったかな。
5番人気にスタニングローズ。ナミュールとわずか2頭だけのG1馬でしたが近走は成績良くなかったのですけれど、ここにきて馬が走る気になってきたのか調教もかなり良かったみたいで、仕上がってきたみたいで元々の実力はある馬ですから5番人気まであがってきていましたね。


レースは、スタート直前にゲート内でどの馬かがかなり暴れたみたいで、全頭入ってからちょっと間があったんですよね。そのせいかわかりませんけれど、スタートでナミュールが大きく出遅れ。後方からの競馬になってしまいました。元々後ろからの馬ですけれど、意図して下げるのとスタートで出負けするのとでは違いが出てしまいます。さらに外にピタリと横山典さんのモリアーナがつけて蓋をしてしまったので、このままだと直線で外に出せない位置に。押し上げていくと脚を使ってしまうので武豊騎手としては難しいところだったでしょう。とどめに、展開とラップが厳しいものとなり、実質この出遅れでナミュールは終了でありました。これで出来が万全ならまだ切り込む余地があったかもしれませんが。
前半800メートルで45秒台でしたからかなり早かったです。
マスクトディーバはこの流れについて行ききれず苦しかったですね。肝心の場面でいつものガッツリとくる手応えが弱かった。にも関わらず、内の狭い所をついてくるモレイラ騎手の手綱さばきもあって3着まであがってくるところは、騎手の腕もありますけれどその実力に偽りはなし。今後も主役の一頭となっていくでしょう。
そのマスクトディーバを最後まで抜かせなかったフィアスプライド。3番手という先行集団の前側にいながら、この流れで唯一へばらず生き残り、なおかつ一頭だけ脚が違ったテンハッピーローズをのぞいて後方から迫ってくる後続馬たちに前を譲らず押し通した根性。お見事でありました。
取り敢えず大きなG2あたりは獲ってもう一度G1に挑戦してきてほしい。
4着には中団で長く最後までスタミナ切らさず脚を使い切ったドゥアイズが滑り込み。近い位置にいたウンブライルが力尽きて下がってしまったのに対して、最後まで前へ前へと進んだこの馬の違いが出ましたね。2歳で良好な成績を残しながら牝馬クラシックでは完走しながらも大きく跳ね返されてしまったドゥアイズ。でもマイルに戻ってきてリステッドで勝利。阪神牝馬Sでは2番人気に推されながらも5着となってしまいましたが、マイルでなら一線で戦えるというのを証明したんじゃないでしょうか。11番人気はちょっと評価低すぎではなかったでしょうか。
5着には13番人気のルージュリナージュが大外から爆走してきて入線。上りだけなら勝ったテンハッピーローズを上回る時計を出している。ただこの33秒6は残り600メートルの数字なんですよね。残り400メートルの時点でテンハッピーローズの方が後ろにいて、一瞬でぶっ千切っていったのを見せられただけに……。ただこの600メートル最後まで良い脚を使い続けたということでもあり、こうしてみると上位の馬はこの早い流れの消耗戦を乗り越えた馬たちだった、というのがよくわかる結果でありました。

まー、これは難しいよなあ。
いずれにしても、レース後の津村ジョッキーを称える大歓声はよかったなあ。
大波乱でありましたけれど、見どころある感動的なレースでありました。