【デスゲームに巻き込まれた山本さん、気ままにゲームバランスを崩壊させる】  ぽち/久賀 フーナ 電撃文庫

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序盤に万能最強プレイヤー爆誕! これ、デスゲーム成立しなくない?

☆★☆第8回カクヨムWeb小説コンテスト・エンタメ総合部門《大賞》☆★☆

ゲームオーバーは現実の“死”。運営の暴走により、フルダイブRPG『Life is Adventure』は、10万人規模のデスゲームへ豹変した。
アラサー美少女・山本凜花は運命を呪い、絶望――してなかった!?
「強制的な長期休暇! せっかくならクリアは焦らず楽しみたいよね!」
そんな山本さんが手にした謎のユニークスキル《バランス》。

【火魔術Lv5を習得しました】
《バランス》が発動。
バランスをとって、全属性の魔術を習得します
【水魔術Lv5,風魔術Lv5,土魔術Lv5,光魔術Lv5,闇魔術Lv5を習得しました】

本人の意向を無視して、ステータスや所持金を勝手に上げるチートスキルのせいで、序盤にして化け物級プレイヤーが爆誕!
……これ、デスゲーム成立するの? まあ気にせず楽しめばいいか!

これは、デスゲーム世界でもたくましくエンジョイ&無自覚に無双する山本さんのお話。



どこがバランスやねん!!? というかなり意味不明スキルだぞ、これ!?
あらすじにも書いてある通りの、基準がまったくよくわからないバランス調整スキルなんだが、ここまで来るとバグというよりもエクセルが全くわからない人が使い方わからないくせにわかってる気になってやらかしまくってる記入ミス、みたいな雑さを感じる!
いや、というよりも最初期のChatGPTなんかが良くやらかしてくれてた、指示内容が理解できないからしれっと指示と全然違う雑で適当な作業ぶっこんでくるアレっぽいな!
いやこれ、管理マザーAIさんがやってるっぽいんですけど、大丈夫かAI? なんか投げやりになってないか!? 黒幕である運営スタッフたちはこのマザーAIの事をだいぶ信用しきっているみたいなんだが、果たしてAIは意図してヤマモトさんにあんなスキルを付与してバランス調整しているのか、それともやる気なくして適当ぶっこいているだけなのか。
そもそもこのデスゲーム運営、過去1ボンクラっぽい雰囲気を出しまくってるんですよね。そもそもデスゲーム開始した理由が、開発の際に自分たちが死ぬ思いして作ったもんなんだから、プレイするお前らも死ぬ思いしてやらんとバランス取れんだろうがおらーーっ、という君等徹夜あけでちょっと頭おかしくなってたんじゃない? という完全に勢いとノリだろうそれ、な感じではじめてるっぽいですからね。デスマーチのし過ぎでだいぶ脳がやられてる感じが出てるのがヤバい。その殺意は経営陣の方にぶつけた方が良かったんじゃないだろうか。殺意なのか狂乱なのかいまいちわからんけれど。
でも黒幕ムーブしているわりに、現状内情さっぱり把握している様子もなく、肝心なところは管理AI任せで情報から置いてけぼりになっているのに、自分たちは黒幕としてすべてを動かしている気分に浸っているあたり、ぼんくらとしか言いようがなく。
まあ、そもそもデスマーチのしすぎかなんかでゲームのバランス調整とかもテンションとかノリで無茶苦茶やってたっぽいので、運営スタッフ同士の雑談内容から伺うに。そもそもゲームバランスが果たして成り立っていたのか……。だから、AIもわけわかんなくなって、意味不明のバランス調整はじめちゃったんじゃないの?
ヤマモトというバグを生み出すことで、元々崩壊していたゲームバランスをぶち壊すことで全体のバランスを取ろうとしている、とか。

ともあれ主人公のヤマモトである。イラストレーターのアラサー女史。年齢のことを言われるとブチ切れるごく一般的な廃人ゲーマー。
ふわふわとしていつも明るく陽気なヤマモトさんなのですけど、決して能天気なだけではなく……いや、能天気なだけだな! うん、能天気であんまり難しいことは考えたくなさそうな人なんだけれど、これで根っこの方は陽性ではないっぽいんですよね。家族の妹ちゃんは一流企業に務めるスーパーエリートなんだけれど、そんな妹には苦手意識持っていて、嫌いじゃないんだけれど引け目みたいなのを感じてるのかな。独身喪女と自分で言いながら若干コンプレックスめいたものを抱きつつ、まあそれが自分だよねと割り切っている、そういう陰の気が混じったあっけらかんとしたタイプなのかな。
スキル・バランスについてもどう考えてもこれバグだよね?あとで運営に報告せんと、と思いながらデスゲームが始まってしまったので、なし崩しにそのまま自動発動するそれを受け入れちゃっているわけですけれど、貰えるものなら貰っておこうなこの割り切り方w
だからといって、あくまで当初の目的である生産者サイドとして遊ぶよー、という基本理念は変えることなく、そっちのイベントやスキルアップに専念しているわけで。本気で自由気ままに遊んでるだけなんですよね、この人。
デスゲームはじまってるんですけど!? わりと忘れてますよね、ヤマモトさん。
死んだら死ぬんだ、という認識あまりなさそう。まあ全体的に他のプレイヤーたちもそんな死に対する悲壮感や危機感もって切羽詰まって動いている様子があまり描かれていないので、全体の雰囲気としてシリアス感ゼロなんですが。
しかし、ヤマモトさん、NPCの鍛冶師であるガガさんとなんかええ雰囲気になってフラグ立ててたんですが、普通に別れちゃうんですね。いや、別れるというと語弊があるのですけれど。ガガさんとの鍛冶イベントが終了した以上、彼の弟子という立場から旅立って次のステップへ進まないといけないのは確かなんですけれど、ヤマモトさんイベント入ってるとかいう自覚全然なく、ガガさんの事もNPCと思ってなくて友人として接していたわけで。いや、告白されるかも!?とか一瞬ドキドキしてたりもしてたので、ヤマモトもちょっと意識はしてたよな……フラグ残したまま一旦離れ離れ、という認識でいんだろうか、これ。
なんか、あっちこっちで今後もフラグ立てていきそうだな、ヤマモト。
しかし、運営によるとガガさんってDVキャラだったみたいなので、あのポカポカ殴ってくるの軽く小突いてくる親愛のスキンシップじゃなくて、マジ殴りだったのか。ヤマモト、防御高すぎて痛くもなんとも無いから気にもしてなかったけれど、実際を知ってしまうと印象変わってしまうんですがw