【毎晩ちゅーしてデレる吸血鬼のお姫様 2】  岩柄 イズカ/かにビーム GA文庫

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「あなたの血がもっと美味しくなるように私がお世話してあげるのです!」
吸血鬼なのに血が苦手なお姫様は、なぜか僕の血で酔いデレる!?


「今日もしろーの血、飲んでもいいですか……?」
依存してしまうほど相性が良すぎて一時は暴走してしまうほど史郎を求めた吸血鬼の美少女テトラ。
吸血鬼としての本能を抑えられない彼女を受け入れることで信頼を深めたふたりだったが「好き」という誤爆メッセージが原因で距離を縮められないジレンマに陥っていた。
そんななか訪れたナイトプールでは史郎を水着で誘惑したり一緒にお風呂に入ったり。普段以上に積極的なテトラを見て史郎の気持ちも揺れ動く……。
「その女の子と両思いだってわかったら……どう、しますか……?」
毎晩ちゅーをせがむ吸血鬼のお姫様とのデレ甘ラブコメ、第2弾!

ふわああ、叡智だ!

前巻で出会いと再会とキズナの深まりをだいたいやってしまったので、今となっては両片思い。
お互いに多分相手も自分のことを好いてくれてるんだろうな、と感じながらもなかなか素直になれずにペットだからと連呼してしまうテトラと、言われた事を素直に受け止めてしまって異性として好かれてる訳じゃないのかもしれない、と拒絶されるのが怖くて勇気を出せない史郎。
二人ともに大変に初心で奥手ではっきりと自分の気持を伝えられない、関係を決定的に変えてしまう勇気が出ない、まあ典型的なモダモダとして関係が進展しづらいカップルなのです。
幸いにしてテトラの付き人のメルさんは全面的に二人の仲を応援してくれていますし、史郎の親しい女友達である杉崎まいは恋のライバルではなく、テトラが吸血鬼と知っても嫌厭せずに積極的に仲良くなってくれて同世代の初めての友達として色々とお世話を焼いてくれる関係に。
そんな二人のお陰で、素直になれないテトラもお膳立てに乗って二人だけでは出来なかっただろうプールデートなんかもしちゃったり、と徐々に自分たちの思いを打ち明けられる距離感と環境づくりが進んでいく。
まあここまでなら普通のラブコメであるんですけれど。
このテトラと史郎の二人、前述したように基本的には初心で奥手の恋人未満の関係にも関わらず、何故かわりと本能には忠実で要所要所で普通のラブコメならちょっとしたえっちぃハプニングで終わってしまうような出来事でも、片方あるいは両方がブレーキ踏んで飛び退かずにむしろアクセルベタ踏みでイケイケドンドンになっちゃうんですよ。
まあ往々にして、史郎の血を吸ったテトラが酔っ払った勢いで、というケースなんですけれど、史郎もけっこう流されるよね!?
でも大事なところでは二人共シラフで、素面のままとんでもなく思い切ってしまうのでえらいことに。
おかげで、二人の初々しい関係……それこそ指先が触れ合ったくらいで真っ赤になってそう、とか手を繋ぐことも恥ずかしくて出来ずに服の裾をちょんと摘むだけで一杯一杯になってしまいそう。くらいの塩梅が順当そうな距離感の二人が、それこそ濃厚極まるディープキスにハマったり、一緒にお風呂に入って流しっ子してしまったり、その指と指が触れ合うだけでも真っ赤になりそうな間柄のくせに史郎の息子の史郎さんを自分から握っちゃったり、と。
ギャップ!! ギャップが炸裂しているのです! 
テトラも史郎も、それ以上は一定の経験値を習得して制限解除してから、という禁断領域にまだまだ全然初心な状態のまま入っちゃった、侵入しちゃった、という感じなんですよね。
それが凄まじいまでの「イケナイ事をしてる」感を醸し出している。そしてテトラのセリフがいちいち叡智。それそこで言っちゃう? というセリフをピンポイントで刺してくる。そんなん言われたらいくら奥手でも史郎くんも頭沸騰しますわ。
一つ一つの行為じたいを見るならば、全然そこまで危ない事はしてないし、描写も濃厚ではない。ちょっとエッチな描写のあるラブコメなら幾らでも起こってるシチュエーションだと思うのですけれど、ここで見るテトラと史郎のシチュエーションは尋常じゃなく叡智。叡智なのです。下手な本番ありのエロス目的の美少女小説なんかよりもよっぽど叡智ですよ、これ。
カップルの初々しさとそんな二人の初々しいとは程遠い濃厚なスキンシップのギャップ、シーソーの端と端の両天秤に掛かりそうなそれを絶妙なまでに均等に保ち、適度にグラグラと揺らすこの描写のバランス感覚。この塩梅が叡智さにドキドキさせられながらも同時に本当に感心させられるばかりでした。
ただただ濃厚なエロスを描くだけじゃ、この叡智さは出せないですもん。
ってか、テトラに決定的な踏ん切りをつけるきっかけが、史郎とメルのイケナイNTRシーンってどんだけ強烈すぎる後押しなんですかw 
史郎の血液って、直接書いてないだけでガチの催淫効果付与じゃないのかこれ?
ともあれ、ついに両片思いじゃなくちゃんとお付き合いをはじめることになった二人。これだけイチャイチャしておいて、まだ付き合ってなかったんかい! と言いたくなるところですがそれどころじゃないですよね。お付き合いを始めるまでこれであります。もはや歯止め効かなくなってしまうんじゃないでしょうか、いいぞもっとやれw