【男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと ５ 百合の間に挟まる男として転生してしまいました】 端桜 了／hai MF文庫J
Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
絶対に百合にはなり得ない、新感覚の学園バトル&ラブコメ第5弾!
復活したはずの魔人フェアレディが知らないうちに消え去っていた――そんな状況に戸惑う俺ことヒイロは、真実を探る暇もなく、学園の寮長たちから次々と呼び出しを受ける。
一大イベント「三寮戦」に向け、彼女たちは揃って俺に転寮を勧めてくるが、黄の寮の寮長ミュールが認めるはずもない。いや勝敗を左右する切り札とか、買い被りすぎじゃないですかね……?
こうして三寮の長だけでなく、月檻、レイ、ラピスといった各寮の実力者が参戦し、百合を完全無視した「三条燈色争奪戦」の幕が上がる。かつその裏では、ミュールを狙うアイズベルト家の「法殺鬼」が動き出していた!
劉悠然、暗いバスの通路の最奥で腰掛けて待っているシーンのカラー口絵が解釈一致すぎて濡れた。
黒服スーツの玲瓏な女性ってカッコいいと綺麗が合わさったような風情があるんだけれど、劉悠然に関してはあのパンツスーツでしか出せない手負いの獣めいた荒みと凄絶な色気が合わさったようなすさまじい雰囲気があるんですよね。
そんな彼女が暗がりの奥で、開いた両足の膝の上に肘を置き手を組んでうつむいている。そうして、ゆっくりと顔をあげていき前髪の間から淀んだ瞳が見えてくる。
この姿はパンツスーツを超絶的に着こなしてないと出せないんですよね。パーフェクトだ、この劉悠然は。
本作の超メインイベントの一つ三寮戦。その準備回となるのが、この５巻であります。まだ準備回だよ、三寮戦まだはじまらないんだよ。
それもそのはず。なんせこれは団体戦。ヒイロ一人が頑張れば良い戦いじゃなくて、寮のみんなで団結して他の寮と戦わなければならないイベントだ。そのためには、リーダーが最重要になってくる。我らが黄の寮のミュール寮長。幼く無知で幼気で無知で純粋無垢なヘタレ幼女のあのミュールちゃんだ。
これまで数巻に渡ってミュール自身のアイズベルト家からの呪縛、そしてクリスとの姉妹のこじれた仲をヒイロの尽力にとって解かれ修復され、無理して鎧っていたアイズベルトの看板をおろして素直に周りに本心を発し、素直に周りに頼れるようになったミュールだけれど。
でもまだ、彼女の自信は回復していない。寮長として果たすべき責務を背負えるだけの意思を持ち得ていない。魔力を持たない無能として、どれほど頑張っても結果を出せなかった無才として、師である劉悠然から諦められ、母から見下げられ、姉クリスから見捨てられたトラウマは、未だ彼女の勇気の源泉を枯らさせてたままだ。
魔人フェアレディとの戦いを通じて、姉のクリスにミュールは自信の光を指し示してクリスの折れ砕けた心を後押しすることができたけれど、ミュール自身の心はまだ縮こまったまま。
それを、ヒイロが他の紅の寮のドラゴンと、蒼の寮の氷の姫という二人の稀代の寮長の姿をミュールに見せ、その姿勢を強さを在り方を指し示すことで、ミュールの向かうべき先を提示したんですね。
そのうえで、あのあんぽんたんエルフ師匠の力を借りることで、何も出来ないと思い込んでいたミュールに可能性を与えることも出来た。
あとは、ミュール自身が立ち上がるだけ。助けはする、支えもする、示しもする。でも、立ち上がって歩きだすのは彼女自身、とヒイロは幼子にするように手を握って立ち上がらせて引っ張って連れて行くみたいな真似はしないんですよね。……頻繁に似たようなことをしているような気がするのは気のせいであるｗ
ミュール立志編なんだよ、この巻は。
一方でミュールが本当に救われるには、ミュールだけが頑張ってもどうしようもない。ミュールが本当のハッピーエンドを掴むには、この子が愛する家族を取り戻さないといけない。次女の早世によって崩壊したアイズベルト家、あの家族みんなの潰れた心を救済しないといけない。
そのために、この数巻ずっとアイズベルト家編をやっている、と言っても過言ではないでしょう。
幸いにして、前回魔人フェアレディとの激戦がはからずもクリスに姉としての勇気を取り戻させた。ついでに、もう完全に手遅れになるくらいにクリスの心もヒイロに完堕ちしちゃったんだけれどね、仕方ないよね？
あの傲岸にして暴虐の権化だったクリス・エッセ・アイズベルトのフルスロットルデレデレバージョンの開始である。
意外にもクリスが出れると献身型健気系カノジョになるんですよ。尽くす系カノジョですよ。しかも、フェアレディの夢幻の世界の記憶、恋人として過ごしたあの終わりのない長い長い時間の記憶がヒイロから喪われていると知りながら、自分との恋を覚えていないとわかっていてなお、一途に想いを募らせて。でも、思い出してと迫ったりせずに秘めやかに切なげにそっと寄り添うばかり、というあの姿勢。
……ほら、オモテのヒロインさんたち、これが真ヒロインムーヴというものですよ！？
今回はクリスだけじゃなくて、スノウにしても緋墨にしてもちょっとバケモノ級にヒロインしてるんですよね、やべえほど可愛いんですよ。
スノウのあの普段のヒイロとの同棲生活、完全に嫁、嫁！ さらっと毎日同衾してるし、この娘。他も単に同居している世話係のメイドってレベルじゃねえですから。メイドのやることじゃなくて、それら全部嫁か恋人がやることだから！？
何気にスノウがヒイロのために準備しているよそ行きの服がだいたいクソダサなのは、スノウのセンスが悪いのではなく単にスノウの独占欲のため、外ではヒイロのこと格好良く見せたくないから、というなにこの乙女心。代わりに部屋着はばっちりキメさせているあたり、スノウさんてばスノウさんてば！！
そして、なんも文句も言わずにスノウの用意した服をちゃんと来ているヒイロである。
さらに緋墨ですよ。表向き婚約者で通しているスノウと会ったときの、あの普段の強気にヒイロにあたるけどもう世話女房みたいなムーブを潜めての、どうかこいつの傍に居させてください、という今にも泣きそうな手折れそうな儚い懇願。
もう完全に胸を貫かれますたよ、ズキューーンですよ。真ヒロインかよっ！
これ目の当たりにして、ヒイロも一瞬で百合至上主義放棄したんですよ。
ヒイロって何より百合という美しい女性同士の愛を愛しながら、でも本当にヒロインたちが悲しみ苦しんでいるとき、自分の最も愛する百合を躊躇なく後回しに出来る。特にスノウと緋墨とこれにクリスを加えた三人に関してはもう殆ど百合を勧めることもないんですよね。
この３人に関しては百合破壊回帰不可能線（ポイント・オブ・ノーリターン）を超えてるんじゃないかと思ってる。
いやね、ガチでこのスノウ、緋墨、クリス関係のエピソードやイベントは生半可のラブコメをぶっ飛んだ領域での切なく命がけで恋する少女としての姿を見られるんですよ。もうやべえほど可愛いんだ、胸をギューッと掴まれてキュンキュンしてしまうほどの乙女の粋を目のあたりにできる。
もう、好きっ！！
そしてついにはじまる三寮戦本番。その前夜祭からもう盛り上がる盛り上がる。紅と蒼の助っ人枠として現れるは師匠キャラ史上もっともアホの子なんじゃないかと真剣に疑っているアステミル・クルエ・ラ・キルリシアと怒れる獣・劉悠然。
文句なしに世界最強クラスの祖の領域に達しているこの二人に、果たして抗し得てヒイロとミュールの味方になってくれる最強が居るのか！？ というその時に満を持して現れるあの人。
何度見ても胸の熱くなる、ここから決戦という前に最高の場面での締めくくりでありました。そりゃ、次の巻待てませんぜ。
黒服スーツの玲瓏な女性ってカッコいいと綺麗が合わさったような風情があるんだけれど、劉悠然に関してはあのパンツスーツでしか出せない手負いの獣めいた荒みと凄絶な色気が合わさったようなすさまじい雰囲気があるんですよね。
そんな彼女が暗がりの奥で、開いた両足の膝の上に肘を置き手を組んでうつむいている。そうして、ゆっくりと顔をあげていき前髪の間から淀んだ瞳が見えてくる。
この姿はパンツスーツを超絶的に着こなしてないと出せないんですよね。パーフェクトだ、この劉悠然は。
本作の超メインイベントの一つ三寮戦。その準備回となるのが、この５巻であります。まだ準備回だよ、三寮戦まだはじまらないんだよ。
それもそのはず。なんせこれは団体戦。ヒイロ一人が頑張れば良い戦いじゃなくて、寮のみんなで団結して他の寮と戦わなければならないイベントだ。そのためには、リーダーが最重要になってくる。我らが黄の寮のミュール寮長。幼く無知で幼気で無知で純粋無垢なヘタレ幼女のあのミュールちゃんだ。
これまで数巻に渡ってミュール自身のアイズベルト家からの呪縛、そしてクリスとの姉妹のこじれた仲をヒイロの尽力にとって解かれ修復され、無理して鎧っていたアイズベルトの看板をおろして素直に周りに本心を発し、素直に周りに頼れるようになったミュールだけれど。
でもまだ、彼女の自信は回復していない。寮長として果たすべき責務を背負えるだけの意思を持ち得ていない。魔力を持たない無能として、どれほど頑張っても結果を出せなかった無才として、師である劉悠然から諦められ、母から見下げられ、姉クリスから見捨てられたトラウマは、未だ彼女の勇気の源泉を枯らさせてたままだ。
魔人フェアレディとの戦いを通じて、姉のクリスにミュールは自信の光を指し示してクリスの折れ砕けた心を後押しすることができたけれど、ミュール自身の心はまだ縮こまったまま。
それを、ヒイロが他の紅の寮のドラゴンと、蒼の寮の氷の姫という二人の稀代の寮長の姿をミュールに見せ、その姿勢を強さを在り方を指し示すことで、ミュールの向かうべき先を提示したんですね。
そのうえで、あのあんぽんたんエルフ師匠の力を借りることで、何も出来ないと思い込んでいたミュールに可能性を与えることも出来た。
あとは、ミュール自身が立ち上がるだけ。助けはする、支えもする、示しもする。でも、立ち上がって歩きだすのは彼女自身、とヒイロは幼子にするように手を握って立ち上がらせて引っ張って連れて行くみたいな真似はしないんですよね。……頻繁に似たようなことをしているような気がするのは気のせいであるｗ
ミュール立志編なんだよ、この巻は。
一方でミュールが本当に救われるには、ミュールだけが頑張ってもどうしようもない。ミュールが本当のハッピーエンドを掴むには、この子が愛する家族を取り戻さないといけない。次女の早世によって崩壊したアイズベルト家、あの家族みんなの潰れた心を救済しないといけない。
そのために、この数巻ずっとアイズベルト家編をやっている、と言っても過言ではないでしょう。
幸いにして、前回魔人フェアレディとの激戦がはからずもクリスに姉としての勇気を取り戻させた。ついでに、もう完全に手遅れになるくらいにクリスの心もヒイロに完堕ちしちゃったんだけれどね、仕方ないよね？
あの傲岸にして暴虐の権化だったクリス・エッセ・アイズベルトのフルスロットルデレデレバージョンの開始である。
意外にもクリスが出れると献身型健気系カノジョになるんですよ。尽くす系カノジョですよ。しかも、フェアレディの夢幻の世界の記憶、恋人として過ごしたあの終わりのない長い長い時間の記憶がヒイロから喪われていると知りながら、自分との恋を覚えていないとわかっていてなお、一途に想いを募らせて。でも、思い出してと迫ったりせずに秘めやかに切なげにそっと寄り添うばかり、というあの姿勢。
……ほら、オモテのヒロインさんたち、これが真ヒロインムーヴというものですよ！？
今回はクリスだけじゃなくて、スノウにしても緋墨にしてもちょっとバケモノ級にヒロインしてるんですよね、やべえほど可愛いんですよ。
スノウのあの普段のヒイロとの同棲生活、完全に嫁、嫁！ さらっと毎日同衾してるし、この娘。他も単に同居している世話係のメイドってレベルじゃねえですから。メイドのやることじゃなくて、それら全部嫁か恋人がやることだから！？
何気にスノウがヒイロのために準備しているよそ行きの服がだいたいクソダサなのは、スノウのセンスが悪いのではなく単にスノウの独占欲のため、外ではヒイロのこと格好良く見せたくないから、というなにこの乙女心。代わりに部屋着はばっちりキメさせているあたり、スノウさんてばスノウさんてば！！
そして、なんも文句も言わずにスノウの用意した服をちゃんと来ているヒイロである。
さらに緋墨ですよ。表向き婚約者で通しているスノウと会ったときの、あの普段の強気にヒイロにあたるけどもう世話女房みたいなムーブを潜めての、どうかこいつの傍に居させてください、という今にも泣きそうな手折れそうな儚い懇願。
もう完全に胸を貫かれますたよ、ズキューーンですよ。真ヒロインかよっ！
これ目の当たりにして、ヒイロも一瞬で百合至上主義放棄したんですよ。
ヒイロって何より百合という美しい女性同士の愛を愛しながら、でも本当にヒロインたちが悲しみ苦しんでいるとき、自分の最も愛する百合を躊躇なく後回しに出来る。特にスノウと緋墨とこれにクリスを加えた三人に関してはもう殆ど百合を勧めることもないんですよね。
この３人に関しては百合破壊回帰不可能線（ポイント・オブ・ノーリターン）を超えてるんじゃないかと思ってる。
いやね、ガチでこのスノウ、緋墨、クリス関係のエピソードやイベントは生半可のラブコメをぶっ飛んだ領域での切なく命がけで恋する少女としての姿を見られるんですよ。もうやべえほど可愛いんだ、胸をギューッと掴まれてキュンキュンしてしまうほどの乙女の粋を目のあたりにできる。
もう、好きっ！！
そしてついにはじまる三寮戦本番。その前夜祭からもう盛り上がる盛り上がる。紅と蒼の助っ人枠として現れるは師匠キャラ史上もっともアホの子なんじゃないかと真剣に疑っているアステミル・クルエ・ラ・キルリシアと怒れる獣・劉悠然。
文句なしに世界最強クラスの祖の領域に達しているこの二人に、果たして抗し得てヒイロとミュールの味方になってくれる最強が居るのか！？ というその時に満を持して現れるあの人。
何度見ても胸の熱くなる、ここから決戦という前に最高の場面での締めくくりでありました。そりゃ、次の巻待てませんぜ。
Ａｍａｚｏｎ
Ａｍａｚｏｎ
