ぼちぼち夏期の新作も見始めているのですが、とりあえず見終わったこっち。新作の方も並行して所感・感想あげていきたいと思ってます。
「終末トレインどこへいく？」
「デート・ア・ライブV」
「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる」
「転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます」
の４作品から。
終末トレインどこへいく？ ★★★
郊外のとある町。 ここはどこにでもある、ごくごくありふれた田舎……ではなかった。 住民たちに大きな異変が起きているのだ。 だけどそんな中でも千倉静留には、強い思いがあった。 行方がわからない友達に、もう一度会いたい！ 静留たちは放置されて動かなくなっていた電車で、生きて帰ってこられるかどうかもわからない外の世界へと出ていく。 走り出した終末トレインの終点には、いったい何がある？第一話を観た時のあのぶったまげた、呆気にとられた感覚は凄かったのですけれど、話が進むにつれて最初の衝撃度も薄れてしまい、メインの四人の噛み合ってるのか噛み合ってないのかわからない独特の掛け合いにも慣れてしまい、普通のこじんまりとしたお話になった感じ。仲違いしてしまった友達同士が再会して仲直りするお話に。
ぶっちゃけ、主人公の静留たちの目的は最初から一貫して、葉香ともう一度会うために池袋に行こうというものでしたから、何もブレてないのですけれど。静留と葉香の喧嘩の内容なんか生々しくて静留自身もう一度ちゃんと葉香と会いたいけれど、謝る気にはなれないままズルズルと進んじゃってる感じなんかリアリティあって好きだったんですけどね。撫子はずっと正論でみんなを諭す大人びた役回りしてたので、いつか馬脚をあらわすと言ったらあれですけれど、どっかで壁に当たるか床を踏み抜くかするかと思ってたのですが、最後まで何も間違わなかったなあ。
個人的に世界観がもっとえげつない方に掘り下げてくれるのかな、と第一話を見てて期待していたのですが、なんか後半に行くほどコメディの方に振り切っていった分狂気が薄れていってしまったので、全体の味付けも薄くなっちゃったなあ、という印象でした。
デート・ア・ライブV ★★★★
人間の少女の姿をしながらも、人間とは異なる存在――精霊。 強大な能力をもち、隣界から顕現する際に〈空間震〉と呼ばれる災害を発生させる彼女たちは、人類の天敵とさえ呼ばれている。 そんな精霊の脅威に対して人類がとりうる手段は、武力をもって殲滅する、もしくは―― 『デートして、デレさせる』！ 五河士道は、精霊をデレされてキスをすることで、力を封印できる能力のもち主。 その力で人類を、そして精霊たちを救ってきた彼をめぐって、大きな波乱が迫ろうとしていた。 世界有数の巨大企業にして精霊の力を狙うDEMインダストリーが、士道の命を奪うべく総力をあげて襲い来る。 そして士道の記憶の奥にいた謎の少女がその正体を現し――。 いくつもの思惑が交錯する、過去最大の戦いが始まる
これ、原作を読んでいて五河士道という主人公に秘められていた真実が明らかになった時は衝撃だったんですよねえ。まさに怒涛の展開となりつつ、今まで謎だった部分が一気に明らかになっていった挙げ句に予想外の人物の暗躍や正体バレが重なり、２０巻以上を重ねてきたシリーズの集大成というにも凄まじい展開でした。
それでいて、どうやっても救いがない絶望の展開を前にして、タイトルのデート・ア・ライブという原点に立ち戻るシーンはあっと言わされましたしねえ。
そして、圧巻の活躍で何度も何度も士道を救い続け、バッドエンドをねじ伏せ続ける狂三の存在感。
何より、今までの４期までのOPEDとはまったく異なる雰囲気で攻めたあのミオオンリーのOPED。
見どころたっぷりの５期でした。よくぞ、ここまでアニメ化してくれました、感慨深い。
どうもあのエンディング見ると、この５期でアニメ終了っぽいんだよなあ。……いや、でもあのエンディング全体、もしかして十香ワールドという可能性もあるのか！？
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ★★★★
異世界に転生した主人公アルス・ローベントは、小さな領地を持つ弱小貴族の子として生きることになった。アルスには特別な知力や武力はないが、生まれながらにして他人の能力・ステータスを見抜く“鑑定スキル”を手にしていた。そのスキルを活かして世に隠れた「逸材」を発掘し、弱小領地から最強の領地へと変貌させていく。心優しいアルスと、個性豊かな逸材たちの出会いと成長を描く異世界統一記が今、始まる！
これが思っていたよりもかなり面白くてダークホースでしたね。主人公のアルスはホントに頭の回転も普通だし武力は欠片もない。戦場ではまったく役に立たないんだけれど、この子はとにかく人徳の子でその誠実で真摯で可愛げのある人となりから、誰もがこの子を助けてあげたいと思わせる人柄なんですよね。
腹黒い政治の駆け引きは野心の塊の婚約者ちゃんが担ってくれるみたいですし。でも交渉の場などでもカカシじゃなくて、ちゃんと存在感を示せているので全然領主として立派なんですよ。戦場で鬼神のごとき活躍をしていた父親が早くに病気で亡くなってしまうので、まだ子供ながら領主の地位を引き継ぐことになるのですが、派閥の領袖や同輩たちからも何気に可愛がられてますし。
白眉はやはり父との別れの回でしょう。あれは声優さんたちの演技が迫真で、特に父親のレイヴンはそれまでずっと厳格な父親として振る舞ってきたのに、病を押して最後まで領主としての責務を果たした後に倒れて、もう自分は長くないと悟ってからの、息子アルスや彼の元に集った若き逸材たちに対しての、あのこんなに早く子供たちを残して逝ってしまう事への申し訳無さと、お前たちなら大丈夫だという信頼に満ちた、そして今まであまり見せないようにしていた慈愛と親愛を溢れさせたような声音で語りかけてくる別れのシーンが、もうあの演技にやられて泣けて泣けて。
あの回に関してはアニメの威力だったよなあ。
それ以降も何気に敵勢力との政治的駆け引きがバチバチ行われつつ、味方の領主たちとの密度の濃いやり取りもあったりで、ほんと面白かったです。
もう２期も決定してるみたいなので、見ます見ます。
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます ★★★★☆
魔術に大切なものは、“家柄“・”才能“・”努力“……。これもう完璧でした。原作小説の方は読んでないんだけれど、コミカライズの方がこれは見てもらったらわかると思うんですが、まあド凄いんですよ。特にカラー版。
魔術を深く愛しながらも、血筋と才能に恵まれずに非業の死を遂げた“凡人“の魔術師。
死の間際に「もっと魔術を極め、学びたかった」と念じた男が転生したのは、
強い魔術の血統を持つサルーム王国の第七王子・ロイドだった。
過去の記憶はそのままに、完璧な血筋と才能を備えながら生まれ変わった彼は、前世では成しえなかった想いを胸に、
桁外れの魔力で“気ままに魔術を極める“無双ライフをエンジョイする！
ライトノベルを原作とし、マンガアプリ「マガジンポケット」（講談社）で連載を開始したコミカライズは
アプリ内セールスランキング１位を記録し、シリーズ累計発行部数は430万部を突破！
いま最も注目される“転生異世界ファンタジー“が満を持してアニメ化！
舞台となるのは獣や魔人が巣食う異世界。
本作では魔術に通じる者たちが恐れを成すほどの絶大な魔力を持つロイドが、
自身の興味の赴くままに魔術を学び、極めようと成長する姿が描かれていく。
ちょっぴりお気楽だけど、強大な力で圧倒していく魔術バトルの爽快感と迫力が詰まった、
“第七王子“による気ままな転生物語が今はじまる！
本当に珍しいと思うんですけれど、多分このアニメってコミック版の方をベースにしてるはず。魔術などの色彩や剣技の動き方、それになによりSDキャラ化によるコメディパートのタイミングとか、もろにコミカライズ版そのままでしたし。
このドすげえコミック版のアニメを見てみたいなあ、と思ってたら、その期待以上のとんでもないのを持ってきてくれましたよ。そうだよ、第七王子はこれが見たかったんだよ！
ぶっちゃけ、あの魔術の描写とか色鮮やかすぎてアニメでどう表現するんだろう、と思ってたらコミカライズ版通りに来ましたからね。しかも動いてやがる！！ すげえ動いてやがる！！
暗殺者ギルド編はこのコミック版シリーズが本格的にどえらい感じになっていくステップ回でしたからね、どうなるかとワクワクしてたんですがやっべえの来たわー。ロイドという人物のやべえ所からあのゾクッとくる見得切りまで、これだーーー！！ ぎゃーーー！ てなもんでしたからねえ。
一番原作通りすぎんだろ、だったのはグリモでしたけれど。原作の声で喋ってるう。
いやもう大満足でした。ここまで期待値高かった作品をさらに上回ってくるの、なかなか無いですよ。良かった。
